熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

みずほフィナンシャルグループ定時株主総会

2008年06月26日 | 経営・ビジネス
   今回の総会でも、みずほFGの戦略説明は、顧客のニーズに基づいて設定したと言う全く意味不明のChannel to Discovery Planによるグローバル、グローバル、グローバル何とか。
   要するに、コーポレート関係のみずほコーポレート銀行、リテールのみずほ銀行、アセットとウエルスマネジメントのみずほ信託銀行を核とした3事業にブループ会社を色分けして、そのグループにグローバルと言う形容詞を冠しただけとしか思えないような戦略を語るに止まり、分ったことは、サブプライム関係で6450億円の欠損を出して、当期純利益が3112億円に止まったと言うことだけ。
   そのグローバルにしても、海外ネットワークの拡充の為に、中国に現法を設立したとか、欧米拠点と連携してシンジケート・ローンに注力したとかと言った程度の説明だけで、リテールや信託業務などでは、グローバルのグも出てこない状態で、ミラノやトロントに支店を開設したことが第6期報告書に記載される状態だから、1980年代の頃の興銀や富士や第一勧銀時代の方が、はるかにグローバル化していた。

   非常識を覚悟で言わせて貰えば、総会屋全盛時代の方が、株主の質問や会社側の答弁にしても、もう少し、程度が高く迫力があった筈だが、一般株主中心の株主総会になってからは、総会の質も低下して面白くなくなった。
   特に、今回は、サブプライム問題と言う銀行の直面した未曾有の金融危機下における総会にも拘わらず、双方共に危機意識と緊張感なく、平凡な総会であった。
   2時間くらい居て株主質問の途中で会場を後にしたので、その後の推移は不明だが、その限りで雑感を記してみたい。

   やはり、問題になったのは、サブプライム問題に端を発したみずほ証券の4000億円の欠損とその経営責任の問題であった。
   前田社長の話を聞いていると、謝っていたはいたのだろうが、先ほどのグローバルと言う言葉にも連動するが、グローバルだからサブプライムの証券化投資にのめり込んだと言わんばかりで、何もしないよりは、リスクを取って事業を展開するのが銀行経営だとのたまう。
   サブプライム問題は、市場が機能しなくなって世界的規模で拡大し、世界全体で40兆円の損失を出しており、これほどの危機とは予測できなかったし、努力して回避しようとしたが出来なかったけれど、経営には手抜かりがなかった、と言う。
   世界全体で巻き込まれた危機で、いわば不可抗力であり、それに、欧米の金融機関と比べれば微々たる損失であり、経営責任などある筈がない、馬鹿を言うなと言う口ぶりである。
   責任を取って止めろと詰め寄る株主の発言に対して、「議長解任動議と解釈する」として動議を株主に諮って否決して突破を図るに至っては、弁護士の遠隔操作ではあろうが一寸寂しい。

   このみずほ証券については、過去にも、システム障害があり、また、コンピューター売買で一株単価と株式数の入力を間違えて何百億の損失を出した前歴があり、今回の4000億の損を出すなど、損失を出す会社なら潰してしまえと株主から発言があった。
   これに対して、銀行は、フィナンシャルグループとしては、証券業の役割は必須であり、通常は、何百億の桁だが利益を計上しているので潰す訳には行かないと答えていたが、利益への貢献と言う視点だけから言えば、均せば10年以上も、赤字であったと言うことになる。
   このサブプライム騒ぎで、当期純利益3112億円の2倍以上の6450億円を掏ってしまったのであるから、金銭感覚が麻痺してしまったのか、経営責任意識が希薄なのか、いずれにしろ、みずほFGが標榜するグローバル経営とその事業展開に対する能力など全く欠如していることだけは事実であろう。

   もう一つ興味深かったのは、役員の持株数が少な過ぎると言う株主の質問に対する塚本副社長の答弁である。
   はっきりとは言わなかったが、報酬が低すぎて株式購入に手が出ないと言うニュアンスの回答、そして、法令のインサイダー規制が強いので買い難い、従業員持株会で買っている、と答えていた。
   インサイダー規制については、手続きさえ間違えなければ問題ない筈と株主から言われていたが、私自身は、副社長の誠実な答弁を聞いていて、ここまで、日本社会が銀行を追い詰めてしまっているのかと思って暗い気持ちになってしまった。
   インサイダー規制などやりすぎだと思っているが、銀行のトップとしてやれない程神経を使って経営をしなければならないと言う現実、そして、良し悪しは別として欧米では欠損銀行のCEOでも、何十億円と言う年俸を得ているにも拘わらず、みずほFGでは、(株主に報酬を減らせと攻められて開示した年俸が)役員一人当たり2100万円と言う薄給で、日本経済の屋台骨を担うメガバンクのトップに何が出来るのかと言うことである。

   話は、全く飛んでしまうが、役人の腐敗も、政治の貧困もそうだが、今日本が直面している問題の多くは、我々国民の質の低下に起因しているような気がして仕方がない。
   みずほFGの例だけではないが、結局、国民同士がお互いに萎縮させてしまっており、もっともっと日本人が勇気を出して誇りを持って頑張れる環境を構築しないと、このまま、どんどん、世界の成長に取り残されて行くような気がして仕方がない。
   
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