熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

世界らん展日本大賞2008

2008年02月25日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   後楽園の東京ドームで開かれている世界らん展2008を見に行った。
   何時も日中に行って、芋の子を洗うような混雑の中で悪戦苦闘しているので、今回は、夕方、閉演直前2時間だけのトワイライトチケットを買って入った。
   もう、10年以上も通っているので殆ど新鮮味がなく、とにかく、展示品の中を歩きながら気に入ったらシャッターを切るといった鑑賞法で、そのらんがどんな種類の花でも、どんな形をしていても、そんなことは一向に構わない。
   ところが、毎年殆ど同じ感じなので、そのシャッターチャンスに関しても、殆ど触手が動かなくなってしまったと言うか、感じなくなってしまった。

   夕刻5時前後に、会場の明かりが消されてディスプレイされたらんや展示作品への照明だけになる時間がある。
   今まで華やかに咲き競っていた蘭が一気に姿を変えて、妖しいライトの中で、微妙に息づく姿は魅惑的でもあり、中々、ムードがあって良いものである。
   この口絵写真は、その時のメインゾーンのあたりの雰囲気で、真ん中の赤紫色のらんが今回の日本大賞2008のらんである。
   名前は忘れてしまったが、とにかく、2メートル以上の株の大きさで、マダガスカルか何処かの希少品種の小株を12年がかりで育てたと言うから頭が下がる。

   らん展を見ていて、これは、日本人好みの世界だなあと思った。
   らんを愛するのは、華やかで美しいということもあるが、これは、日本蘭・東洋蘭を愛でる日本園芸の延長であり、一つの株に、途轍もない数の花を咲かせて豪華に飾るのは、大作り菊の世界と全く同じである。
   私は、残念ながら有名なロンドンのチェルシー花展に行ったことがないので何とも言えないが、キューガーデンには、毎週のように通っていたし、オランダやその他ヨーロッパで機会があれば花展を見ていたが、蘭の花は随分見てきており、後楽園のような豪華な蘭を見たことがない。
   ブラジルでも結構植物園などへ行ったが、蘭はどちらかと言えば野性に近い育て方であり、特に美しく丹精込めて育てていると言う感じではなかったし、ジャングルの木の間から見えるほうが風情があった。

   今は、まだ、蘭を愛する園芸家が丹精に丹精を込めて自然と闘いながら、一生懸命に蘭を栽培しており、バイオテクノロジー(遺伝子組み換え)で新種の蘭を人工的に作り出すということはなされていないようだが、限りなき美の追求が進むと、それも時間の問題かも知れない。
   薔薇やチューリップやゆり、或いは、椿の新種は欧米で開花するかも知れないが、蘭の新種は日本で生まれるような気がする。
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1 コメント

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Unknown (蘭子)
2008-02-26 09:46:03
ドーム意外でも各国のらん展は、華やかですよ。
らん展とキューガーデンのような植物園は目的が違いますから…
ドーム内の蘭の半数以上(2/3以上かも)が、バイオテクノロジーで
メリクロン栽培されたものです。メリクロンが出来るようになり
価格も下がりましたし、誰にでも楽しめる花になりつつあります。
また、交配によって新種が作られているのは、花の中で蘭の数が圧倒的に多いのですよ。
現在の蘭の栽培は、より良い交配を重ね、メリクロン変異株などから
いかにいい個体を作出するかにかかっています。
「園芸家が丹精に丹精を込めて自然と闘いながら…」と言うことは
皆無に等しいと思います。
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