熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

安倍3選:殆ど変わらない日本

2018年09月20日 | 政治・経済・社会
   朝日新聞デジタルで、”総裁3選、財界から注文も「具体策あまり語られず残念」”のタイトルの記事が出ていた。
   そのまま引用すると、次の通りで、経済団体のトップが、このもの言いであるから、これまでと殆ど変化がなく、賞味期限切れのアベノミクスの焼き直し程度で、経済政策など、日本経済の将来については、多くを期待できないと言うことであろう。
   ここ何十年も、日本のGDPは、500兆円前後で、安倍政権の6年でも殆ど変わらず、鳴かず飛ばずの日本経済。600兆円などは夢の夢の空手形。
   「自民党総裁選で安倍晋三首相が3選を決めたことについて、経済3団体が20日、コメントを出した。政策の継続性から歓迎しつつ、社会保障などの改革の徹底を求めた。
   経済同友会の小林喜光代表幹事はコメントで「持続可能な日本の将来像とその実現に向けた具体策があまり語られなかった点は残念」と指摘し、経団連の中西宏明会長は「社会保障改革などの重要政策課題を実行していただきたい」と訴えた。日本商工会議所の三村明夫会頭も、地方創生などの課題に正面から取り組むよう求めた。」

   選挙結果については、国会議員票は、所謂、権力者に靡く人々の選択であるから論外として、今回の自民党の投票結果は、地方票に体現されているように、安倍55%、石破45%と言うのが、正直なところであろう。
   党派を超えて日本全体の選択であれば、結果はどうなるか、押して知るべしで、非常に興味のあるところである。

   先日、NHKの国際報道2018で、パナソニックのインド子会社が製造したMade in Indiaの自動炊飯器が、日本で売り出されると報道していた。
   厳しい日本の品質基準を満たしたうえに、炊飯器が生まれた日本市場に、炊飯と同時にチキンカレーなど多用途の調理ができる"Made In India"の炊飯器を、9000円程度で輸出すると言う、インド事業において一つの大きな金字塔を打ち立てたと言うのである。

   これは、これまで、このブログで、何度も論じて来た、ゴビンダラジャン教授などの唱えたリバース・イノベーションの一種なのだが、私の言いたいのは、この一事においても、時代の潮流は、最早、レッドオーシャンの日本の大企業の時代ではなくなってしまっていると言うことであり、この路線を踏襲する日本の政治には、明日はないと言うことである。

   先日、日経に、自動運転については、グーグルがトップで、トヨタが後塵を拝していると報道していたが、これなどは、当然の趨勢で、ハードな機器としての自動車の時代はとっくに過ぎ去ってしまって、コンピューターの塊とも言うべきICT技術ノウハウの集積となっており、ハードは、下請け業務にしか過ぎなくなってしまっていて、主役は交代してしまっており、持続的イノベーション線上の経営に汲々として、破壊的イノベーションに果敢に挑戦できなくなれば、時代の激流にさえキャッチアップ出来なくなるのは必定である。
   世界最高峰の技術と経営資源を擁するトヨタでさえ、このような危機に直面しているのであるから、他の日本企業の将来は、推して知るべしで、まして、司令塔の政治に、新時代への果敢な方向転換の兆しさえ期待できないとなると、まさに、悲劇である。

   次世代産業技術をめぐる覇権争いの象徴とも言うべき「中国製造2025」を、トランプは、必死になって叩き潰そうとしているが、2Gの熾烈な次代への経済戦争の谷間で、普通の国になってしまい、益々、萎縮して行く日本の将来はどうなるのか。
   トランプも、マクロンも、Brexitも、全く予想外の結果であり、極端な右傾化を伴って、世界中の政治が、予想をはるかに超えた大激動とも言うべき地殻変動を起こしており、全く新しい予測のつかない現象が起こっており、明日が見えなくなってしまった。

   しかし、幸か不幸か、日本だけは、変わりそうになく、憲法だけが、ひよっとして、変わってしまうかもしれないと言うこの現実。
   良いのか悪いのかはわからないのだが、安倍三選の今日、こんなことを考えたのである。
   
   
コメント
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