熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

都響プロムナード・コンサート~シベリウス交響曲第2番ほか

2013年07月16日 | クラシック音楽・オペラ
   今季2回目のプロムナード・コンサートだが、以前の定期演奏会Aシリーズの夜のコンサートを止めて、休日の昼に切り替えると、気分的に随分楽で、楽しめる。
   それに、プログラムも、定期公演と違ってかなりポピューラーな曲が主体のようで、昔のように、重くて難解な曲を聴く余裕もなくなったので丁度良い。

   今回は、フィンランドの女性指揮者エヴァ・オリカイネンが、祖国の大作曲家シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品47と交響曲第2番ニ長調作品43を振るのであるから、素晴らしくて当然であろう。
   北欧人としては小柄で、気さくなレイディのいでたちで颯爽とタクトを振る姿は、あまり見慣れた風景ではないが、指揮はてきぱきとしていて実にダイナミックですごい迫力である。

   最初に聴いたシベリウスは、レコードのフィンランディアとトゥオネラの白鳥だったが、かなり、以前に、アムステルダムのコンセルトヘヴォーでシベリウスの交響曲第2番を聴いて、その凄いエネルギッシュでダイナミックな演奏に圧倒されてから、随分通ったコンサートの間に、ヴァイオリン協奏曲とともに何度か聴いており、一度聴くと、長い間、メロディーがずっと頭から離れない程、お馴染みになっている。
   あの渋くて黒光りのするビロードのような重厚なコンセルトヘヴォー・サウンドの素晴らしも圧倒的だが、今回の都響も、オリカイネンのタクトに応えて、実に良く歌っていて、地から湧き出るような圧倒的な迫力のコントラバスに続いて、天地も砕けんばかりの管楽器の咆哮で一気に上り詰める終幕のコーダなど、何度聴いても、身の毛が逆立つほど感動する。

   コンセルトヘヴォーなら、皆総立ちで拍手するのだが、残念ながら、ここは、東京のサントリーホールなので、歳を考えて、スタンディング・オベーションは諦めた。
   この曲を聴くと、何時も、ソ連の空軍機がフィンランドの上空を掠めると、シベリウスは、怒って、自動小銃を持ち出して、天に向かって発砲したと言う逸話を思い出す。
   ベルリンやウィーンで音楽を学び、イタリアに遊学したと言うシベリウスだが、大変な愛国者であり、それだからこそ、あの凄くエネルギーの充満した圧倒的な第2の国歌と言われるフィンランディアを作曲出来たのであろう。

   私は、2回しか、それも、夏の良いシーズンに、フィンランドを訪れており、森と湖に囲まれた美しい風物を知っている。
   ムーミンの故郷であり、サンタクロースの故郷であり、それに、民話や北欧神話の宝庫であり、ヘルシンキを訪れただけでも、独特の雰囲気がする素晴らしい国である。
   私が、視察団で訪れたのは、ベルリンの壁が崩壊して、その後、ソ連が分解して、一気に貿易相手国を失って経済的に苦境に陥っていた頃なので、まだ、ノキアさえも、新ビジネスに足掻いていた。
   しかし、その後、一気に、最先端技術を誇る素晴らしい一等国に浮上し、経済や民度の高さは、世界屈指となっている。

   ところで、ヴァイオリン協奏曲は、やや、暗い感じの、しかし、美しい曲なのだが、韓国系ドイツ人の女流ヴァイオリニスト・クララ=ジュミ・カンのソロで、実に端正な演奏を展開し、かなり多いカデンツァに素晴らしい美音を奏でて、聴衆を魅了した。
   演奏後、鳴り止まぬ観衆の拍手に応えて、バッハのサラバンドをアンコールに弾いていた。

   もうひとつの曲は、ブラームスの「悲劇的序曲作品81」で、私の受験時代の旺文社のラジオ番組のテーマ音楽が、抱き合わせで作曲された「大学祝典序曲」なので、嫌でも、聴いて覚えている。
   オリカイネンのタクトが振り下ろされた瞬間から、あの懐かしい青春時代を思い出して、感無量であった。
   
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