平地治美の漢方ブログ 

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桑菊飲

2009年03月10日 | 処方・症例




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数年ぶりに咳がひどく出る風邪をひきました。

勉強会の時や治療中に咳をすると患者さんに迷惑をかけるので、なるべく咳をしないようにこらえていたのですが、けっこう辛いものですね。

痰はほとんど出ず何かの刺激で発作のような激しい咳が出ます。陰虚の咳と思っていたので麦門冬湯を服用したのですが、なかなか改善しないので桑菊飲に変方してみました。すると服用して10分くらいで気管から肺がスーッとした感じがして呼吸が楽になりました。台湾ツアーで自分用に購入しておいた桑菊飲。日本のエキスにはないのが残念です。今回初めて服用し、こんな風に効くんだなとわかりました。

銀翹散はのどが腫れ痛い時によく効きますが、桑菊飲は同じ肺熱でも咳が強くのどというより気管に沿って痛い場合に良いようです。



桑菊飲《温病条弁》
  杏仁 連翹 薄荷 桑葉 菊花 桔梗 甘草 葦根
  
辛涼解表の方剤で、風熱が肺衛を侵犯した証に運用されます。銀翹散が”“辛涼の平剤”と称されるのに対し桑菊飲は“辛涼の軽剤”とされています。それは解表力が銀翹散よりも劣るためでしょう。しかし桑菊飲は杏仁を用いて肺気を降ろすので、咳を止める効能は銀翹散よりも優れています。

注意してみると、桑菊飲の証の人はけっこう多いような気がします。
早く治したくていきなり石膏剤を使うと脾胃を傷めることがありますが、桑菊飲はそういった心配もありません。

手に入れ辛いですが、煎じ薬で試されると良いでしょう。
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