サパティスタ民族解放軍・マルコス副司令官のガザに関する演説

2009-01-17 12:34:20 | 世界
「蒔くことと刈ること」:ガザについてのマルコス副司令官の演説

2日前、我々が暴力を論じたその同じ日に、合衆国高官で
輝かんばかりのコンドリーザ・ライスは言い放った
ガザの状況はその暴力性によりパレスチナ人に責任があると

地面の下の川が世界を渡るうちに地勢を変えてしまうこともあるというのに
彼らの言い分は何もかわらない

そして今も彼らの言葉は戦争と苦悩を生む言葉だ

ここよりさほど離れていないところ、中東パレスチナのガザの地で
我々のすぐ傍で、イスラエル政府の訓練を積んだ武装兵士が
死と破壊の行進をさらに進める

イスラエル軍の取った手順は征服のための軍事戦の王道だ
まず「戦略的」軍事拠点を破壊するため
(それが軍事マニュアルどおりのことだ)
そして抵抗勢力側の補強を「緩める」ため集中的に大量爆撃する;
次に徹底して情報管理する--外の世界、つまり彼らの軍事行動の舞台の外--では
目にとまること、耳に入ることは何でも、軍隊の基準を用いて選別されねば
ならない;
さあそして、イスラエル軍が新たな地点に進攻するのを守るため
敵の歩兵に集中砲火を浴びせる;
さらには敵の守備隊を包囲して弱らせ;
次に拠点を制覇するため猛攻して敵を全滅し
抵抗の巣とおぼしき場所を「清掃」する

現代の戦争の軍事マニュアルは、手を変え品を増やして
侵略軍により一段階ごと踏襲されつつある

我々には情報があまりなく
いわゆる「中東対立」の専門家という者たちもいるが
しかし今この場所から我々には言いたいことがある:

ニュース写真では、イスラエル政権の空軍により破壊された
「戦略的」拠点なるものは、民家、掘っ立て小屋、民間の建物だ
えんぺい壕も兵舎も軍の滑走路も大砲も、それらの瓦礫の中には見あたらない
だから--我々の無知なら申し訳ないが--
我々の考えでは、空軍の機銃掃射が目標を謝ったか、あるいはガザでは
そのような「戦略」拠点が存在しないかということになる

我々はパレスチナを訪れる光栄を未だ知らないが
そこでは人々が、男も、女も、子ども達も、年寄りも--兵隊でなく--
破壊されたような家や掘っ立て小屋や建物に
住んでいるのだろうと思われる

我々はまた、伝えられた抵抗勢力の補強とやらは目にとまらず
ただ瓦礫だけが見えた

しかしながら我々には、ガザの現状を報道させまいと規制する無駄な努力と
この侵略に目をつぶるか拍手で支持するかくらいには分かれる世界各国の政府と
国連が、長らく役立たずだったあと、煮え切らぬ声明を報道発表するのは見えた

しかし待て。もしかしてイスラエル政府にとっては
あれらの男や女、子どもに年寄りが敵兵であり
それゆえ、彼らの住んでいた掘っ立て小屋や家や建物は
破壊する必要がある兵舎なのかもしれないとも、今ちらと思う。

だから確かに、今朝ガザに降った弾丸の雨あられは
イスラエル軍歩兵の進攻を
あれらの男や、女、子ども達、年寄りたちから
守るためのものだったのだ

そしてガザ全域に広がった包囲で弱めたいと彼らが望む敵の守備隊とは
そこに住むパレスチナ人なのだ
だからあの攻撃はその人々全体を殲滅せんと求めるもので
さらには目に浮かぶ血まみどろの攻撃から何とか逃れ隠れようとする、
どんな男、女、子ども、年寄りでも、いずれ「狩り出され」ることに
なるのだろう、浄化が完了して作戦担当将校たちが上司に報告できる
ように、「任務完了」と

また無知のせいならば済まない
多分我々の言い分は的外れであろう
だから現在進行中の犯罪を糾弾するのをやめ、その代わりに
この土地の先住民であり戦士である者として我々は
この状況を始めたのが「シオニズム」か「反ユダヤ主義」か
あるいはハマスの爆弾なのかをめぐる論戦において
議論し立場を確保しつつあるべきなのだ

我々の考えることは非常に単純かもしれず、また我々は
専門家の様々な意見にお決まりのニュアンスや注釈を欠いているが
我々サパティスタスには
今の事態はプロの軍隊が
自衛の手段もない集団を殺しているように見える

社会の底辺にいる急進派ならこれに黙っていられるだろうか

何か言うことが役に立つだろうか? 
我のの叫びはたったひとつの爆弾だって止めるのか? 
我々の言葉はたった一人のパレスチナ人の命だって救うのか?

「そう、それは役に立つ」と我々は思う。
たぶん、我々はひとつの爆弾だって止められないし
また我々が何か言うとしても
その言葉が鎧になって
イスラエル兵士の持つ)銃の弾倉の土台に刻んである
「イスラエル軍事産業」を表す「IMI」の文字が掘られた
5.56ミリや9ミリ口径の弾丸が
少年少女の胸から外れることにはならないだろう

しかしおそらく我々の言葉は
メキシコや世界中の人々と何とか力を合わせさせ
そしてまたおそらく
最初はつぶやきのように聞こえても、その後大声となり
さらにはガザの人々が耳にする叫びとなる

あなたたちのことを何も知らないが
我々EZLN出身のサパティストは
破壊と死のただ中で
励ましの言葉を耳にすることがどれほど重要かを知っている

どう言えばいいのか
しかし遠い地からの言葉とは
爆弾を止めるものではないかもしれないが
それでも確かに、
死の暗闇に割れ目が生じ一筋の明かりが差し込むようなものだとわかる

その他すべてについていえば
戦争につきもののことが今後起こるだろう
イスラエル政府は今後テロリズムに大打撃を与えたと宣言し
自国民にパレスチナ人虐殺のすさまじさを隠し
兵器製造の大企業がこの金融危機に立ち向かう経済的支援をもらっており
そして常に流行の、あの順応性ある「世界の大衆の意見」は
かの地より背をむけてしまう

がそれだけではない
パレスチナの人々はまた抵抗し生き抜いて闘争を継続し
自分達の大義への共感を
社会の底辺にいる人々から受け続けるのだ

そして多分、ガザにいる少年少女も生き抜くのだ
そしてその成長とともに、彼らの勇気、義憤、憤怒も大きくなろう
今パレスチナで苦闘する組織のひとつに入る兵士や民兵となるかもしれない
イスラエルとの戦闘に携わっているかもしれない
そのときには銃を撃っていることだろう
もしかしたら胴にダイナマイトのベルトを巻き
己を犠牲にするのかもしれない

その後、天に昇った彼らはそこから
パレスチナ人の暴力性とやらに解釈を書き
その暴力を糾弾する声明を出し
そして悪いのはシオニズムか反ユダヤ主義かの議論に戻るだろう

そしてまた、刈られる種を蒔いたのは誰かを問う者はひとりも現れないのだ

  サパティスタ民族解放軍の男性、女性、子ども達、老人達のために
  
反政府組織ZNLA副司令官マルコス
2009年1月4日 メキシコにて

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[wsfj 8766] マルコス副司令官のガザに関する演説
http://mywordismyweapon.blogspot.com/2009/01/of-sowing-and-harvests-subcomandante.html
を投稿されたつるたさんが
「誰かが日本語にしてくれるとすごくうれしいです。」
とありましたので、
知人の佐藤さんが日本語にしてくださいましたので転送いたします。

福岡市博多区吉塚5-7-23
   青柳 行信
Eメ-ル:y-aoyagi@r8.dion.ne.jp

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コメントをいただいた「レイランダー」さんのブログ
弱い文明
も、ぜひお読みください。
*「サパティスタ」を「ザパティスタ」と訳してあったものは、「レイランダー」さんのご指摘により、「あわてて」修正しました。感謝。

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はじめまして&質問 (レイランダー)
2009-01-28 10:43:45
はじめまして(コメントは初めてだったと思います…)。弱い文明というブログ・HPをやっているレイランダーと申します。時折こちらに寄らせていただいて、トラックバックなど送ったことはありました。

このマルコスのスピーチ、とても感動しました。僕のブログでもこの訳文を転載、もしくは部分的に引用したいのですが、許されますでしょうか?あるいは、知人が訳をしてくださったという青柳さんという方にメールを打って確認するべきでしょうか?そこら辺がちょっとわからなかったので、コメントの形でお尋ねする次第です。

もしお返事いただけるなら、このコメントへの返事と言う形でもいいですし、メールにてお伝えくださっても構いません。もちろん転載不可ならそれでも構いませんので、その旨を。
civil_faible@infoseek.jp
お手数かけますが、なにとぞよろしく。
自由に (薔薇)
2009-01-28 15:47:14
ご使用ください

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