金と恫喝。小沢一郎「支配」の構造がまた見えてきた。政治資金収支報告書から

2010-12-01 12:43:48 | 社会
小沢氏、91人に計4億5千万円提供 09年総選挙直前/朝日新聞
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」が昨年7月の衆院解散から8月の総選挙公示までに、民主党の立候補予定者計91人に総額約4億5千万円を提供していたことが、30日公開された2009年の政治資金収支報告書で明らかになった。提供先には小沢氏自らが擁立にかかわった新人候補や側近議員が名を連ね、資金繰りには94年の新生党解党時に残った資金が活用されていた。



 小沢氏は昨年5月、陸山会への違法献金事件で党代表を辞任し、当時は代表代行として総選挙を仕切った。収支報告書によると、小沢氏の09年収入は08年の4倍近い10億2922万円。与野党議員の中で群を抜き、陸山会の収入も08年比6倍の9億1282万円。陸山会の土地取引事件で強制起訴される小沢氏が、事件の舞台となった同会の資金力で影響力拡大を狙ったことが明らかになり、説明責任を求める声が強まりそうだ。

 報告書によると、陸山会は衆院解散時の7月21日を中心に公示直前の8月17日までに立候補予定者の1政治団体あたり200万~500万円、総額4億4900万円を提供した。同会関係者は「新人も多く、資金が必要だった」と説明。資金提供を受けた立候補予定者のうち新人候補は福田衣里子、田中美絵子両氏ら52人。9月の党代表選で菅直人首相を支持した新人議員の一人は「(首相を支持するなら)小沢さんからもらったカネを返せと(小沢氏陣営の議員に)脅された」と明かす。

 小沢氏に近い原口一博前総務相や山田正彦前農林水産相、側近の鈴木克昌総務副大臣、松木謙公農林水産政務官、樋高剛環境政務官らにも資金が提供され、土地取引事件で起訴された衆院議員の石川知裕被告にも渡っていた。

資金提供の際、3億7千万円は、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部から陸山会へ7月22日に寄付された。支部は前日の21日に小沢氏関連の政治団体「改革フォーラム21」から同額を受け取った。フォーラム21には小沢氏が代表幹事を務めた新生党が94年に解党した際、残った資金約9億2千万円が移され、08年時点で約6億9千万円の残額があった。フォーラム21の会計責任者は朝日新聞の取材に対し、「(フォーラム21の資金を)『いざ鎌倉』の時のために活用した」と述べ、総選挙向け資金であることを認めている。

 政治資金規正法は、政党や政治資金団体以外の政治団体間の寄付の上限を年間5千万円に制限している。いずれも政治団体に当たるフォーラム21から陸山会への寄付にはこの制限がかかるため、政党支部を通した迂回(うかい)献金の可能性もある。また、陸山会から立候補予定者への資金提供が始まった7月21日の前日に小沢氏個人が陸山会に3億7千万円を貸し付け、22日に同額が小沢氏に返済されており、短期間に巨額の資金が動いた実態も明らかになった。

 フォーラム21の会計責任者は取材に「迂回献金ではない。公党の資金だっただけに陸山会などの政治団体ではなく、新生党の政治理念を受け継ぐ民主党の小沢氏の支部に寄付したまでで、何かを隠す意図はない。政党交付金や立法事務費などの公的資金は一切入っておらず問題ない」と説明。小沢氏の事務所は朝日新聞に対し「政治資金規正法に基づき適正に処理しており、収支報告書の通りでございます」と文書で回答した。

 菅首相の資金管理団体「草志会」も衆院解散後、自らのグループの議員に資金提供したが、計810万円にとどまった。
(佐藤徳仁)
http://www.asahi.com/politics/update/1130/TKY201011300588.html

小沢氏側への寄付7400万円分記載漏れ 民主岩手支部
民主党の小沢一郎元代表が代表を務める民主党岩手県第4区総支部が、小沢氏側の三つの政治団体に寄付した7400万円分の支出を政治資金収支報告書に記載していなかったことが分かった。同支部は11月30日、岩手県選管に訂正の届け出をした。

 収支報告書によると、小沢氏の資金管理団体「陸山会」と関係政治団体の「小沢一郎東京後援会」「誠山会」の3団体は昨年2~10月、同支部から10回にわたり計4億4400万円の寄付を受けたと記載。ところが、同支部の収支報告書には、7月に陸山会に寄付した3億7千万円しか記載がなく、ほかの9回計7400万円分の寄付の記載がなかった。

 また、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が昨年、秘書宅などとして使用していた東京都内の所有マンション3室を計約7600万円で売却していたことも判明。収支報告書によると、昨年末現在、陸山会の所有不動産は土地8件、建物9件で計約8億3千万円相当に上る。
http://www.asahi.com/politics/update/1201/TKY201012010196.html

「小沢部隊」カネで形成、現金入り封筒手渡し/讀賣
2009年の衆院選で、民主、自民党の実力者は自身の勢力拡大も念頭に、資金分配に奔走した。中でも集金力と分配額の多さで突出していたのが、民主党の小沢一郎元代表だった。


 09年の政治資金収支報告書からは、自らの資金管理団体をめぐる事件で強制捜査を受け、「政治とカネ」で厳しい視線を浴びながらも、選挙戦で巨額を動かし、党内最大勢力である小沢グループの「中核部隊」を形成していった実態が浮かび上がった。

 衆院が解散された同年7月21日。JR東京駅近くのホテルに、民主党の現職、新人の衆院選候補予定者数十人が三々五々、入っていった。懐には金額が空欄の領収書があった。部屋で待っていたのは小沢氏の秘書だった。

 「(小沢氏の資金管理団体の)『陸山会』に領収書を出すと、表に出ることになるが、それでもいいですか」

 複数の候補予定者によると、秘書はこう告げ、承諾を確認したうえで、現金入りの封筒を手渡した。札束を数えた候補予定者たちは、持参した自らの資金管理団体の領収書に「500万円」と記した。

 秘書はこうも加えた。「今後、いざという時にはよろしくお願いしますよ」

 同日は、民主党本部からも500万円の公認料が配られた。ある衆院議員は「公認料は1000万円と聞いていたが、実際は500万円でがっかりした。そこへ小沢氏から500万円もらい、『これで戦える』と心強く思った」と振り返る。

 陸山会からの「軍資金」は、91人(2人は200万円)に計4億4900万円。直後の衆院選では88人(うち初当選は49人)が当選した。小沢氏は前日の20日に陸山会へ3億7000万円を貸し付け、それが原資となった可能性が高い。

 通常、「表に出ないカネでやる」(自民党関係者)と言われてきた、有力政治家から議員、候補者への軍資金提供。なぜ、小沢氏は今回、表に出したのか。

 小沢氏に近い議員の1人は、「政治とカネで強制捜査を受けた直後だけに、これ以上疑われるよりは、表でやる方がいいと判断した」と説明する。民主党内では、「小沢氏は勝負所と見て、なりふり構わずカネを配った。自らの数と力を拡大、誇示する狙いもあった」との指摘も聞かれる。

 小沢氏から資金を受け、当選した議員の多くがその後、小沢氏を支える「中核部隊」となったが、小沢氏から離れたケースもある。

 今年9月の党代表選で、小沢氏に投票するとした人は、読売新聞の投票前の取材では66人(実名で回答60人、匿名6人)。菅首相に投票するとした人も13人(実名で回答10人、匿名3人)いた。小沢氏支持議員からは選挙戦中、この13人に対し、「金を受け取って、『政治とカネと決別する戦いだ』と主張するのはおかしい」との批判が上がった。13人の1人は、「資金を受け取る際は戸惑ったが、選挙を仕切る立場の小沢氏からだったので、礼儀として受け取った」と釈明する。

 また、11月25日、小沢氏支持の当選1回議員グループ「北辰会」が設立されたが、総会に参加した43人のうち24人と半数以上が「受領組」で、巨額分配の「成果」の一端とも言えそうだ。

 一方、自らの資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、小沢氏と同様、批判を浴びた鳩山前首相は、衆院選前に鳩山グループの議員に寄付などはしておらず、事件を受けて自粛した模様だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101201-OYT1T00267.htm

「のどから手が出るほど欲しい」陸山会分配金
政権交代選挙となった昨年の衆院選前に、民主党候補予定者91人に、資金管理団体「陸山会」から1人あたり500万~200万円を配分していた小沢一郎元代表(68)。

 このうち当選したのは88人に上る。その証言で、これらの資金が候補者の選挙運動に大きく貢献した実態が浮かんだ。

 「資金支援をしたい」。衆院解散直前の昨年7月。当時、新人として立候補を予定していた大西健介衆院議員(39)(愛知13区)の携帯電話に、小沢氏の政策秘書(当時)から電話がかかってきた。「条件があるなら受けられない」。大西氏が伝えると、政策秘書は「条件はない」と答え、「資金管理団体で受けるように。事前に領収書を用意してほしい」と告げたという。

 衆院が解散された7月21日、寄付の受け渡し場所に指定された東京・八重洲のホテルには、民主党の候補予定者が列を作り、小沢氏の秘書から封筒に入った現金を受け取った。別の議員によると、同じ日、東京・赤坂の陸山会の事務所でも資金が配られたという。

 これらの資金は、陸山会の収支報告書に、「選挙 寄付」として記載されている。本人や秘書が読売新聞の取材に応じた34人のうち22人が、受け取った金の一部または全部を、選挙に使ったと説明。西日本の新人議員の1人は「当落ライン上で、もう少し頑張れば通るのではないかという情勢。のどから手が出るほど欲しい資金だった」と話す。別の新人も「前回落選してから活動を続けており、衆院解散も延びて資金繰りが苦しかった。あのお金がなければ事務所を維持できなかった」と明かした。

 一方、「500万円なんてあっという間になくなる。金をもらったからついていくという時代ではない」と振り返る関西地方の議員もいた。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20101130-OYT1T01191.htm

総務省は30日、2009年の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を発表した。

 同年中に政党や政治団体が支出した政治資金の総額は1392億8900万円で、前年より272億3000万円(24%)増加した。収入のうち企業・団体献金は前年比19%減の27億5400万円と2年連続で減少し、過去最少を更新した。また、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」が、衆院が解散された09年7月21日とその直後に、同党の衆院選候補予定者91人に計4億4900万円を配分していたことが明らかになった。

 陸山会の09年収入は、9億1282万円。国会議員の資金管理団体ではトップで、2位以下に6億円以上もの大差を付けている。

 陸山会の政治資金収支報告書などによると、同会は衆院解散前日の09年7月20日に小沢氏本人から3億7000万円を借り入れ、翌21日、88人に各500万円、1人に200万円、計4億4200万円を配分。22日には、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部から3億7000万円の寄付を受け、同日中に小沢氏へ借入金を返済した。陸山会は、27日と8月17日にも2人に計700万円を配分した。

 資金配分は、党による公認料などの支援とは別に、東京都内のホテルや陸山会の事務所などで、小沢氏の秘書が現金入りの封筒を手渡す形で行われた。小沢氏が突出した資金力で、独自に大勢の候補者の選挙支援を行っていた実態が裏付けられた。

 同総支部は、旧新生党の資金がプールされている政治団体「改革フォーラム21」から7月21日に3億7000万円の寄付を受けており、旧新生党の資金が同総支部を経由して陸山会に入り、小沢氏への借入金返済に充てられたとみられる。

 こうした資金の流れについて、小沢氏の事務所は読売新聞の取材に、「政治資金規正法に基づき適正に処理している」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20101130-OYT1T01172.htm

党支部経由し3億7000万円=陸山会に新生党資金、法抵触回避か/時事通信
小沢一郎民主党元代表が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」が昨年の衆院選前、小沢氏関連の政治団体「改革フォーラム21」から3億7000万円の寄付を受けた上で、同額を同氏の資金管理団体「陸山会」に寄付し、陸山会は同時期に衆院選の同党候補者89人の政治 ...

陸山会、89候補に各500万円 旧新生党資金が元手/東京新聞
政治資金収支報告書で、代表を務める政党支部から七千万円を超す寄付の未記載が発覚した小沢一郎・元民主党代表。昨年の衆院選直前には旧新生党の資金などを元手に、自身の資金管理団体「陸山会」から側近の現職や新人の候補者九十一人に計四億五千万円が分配されたことも ...

迂回寄付で借入金を返済 陸山会、小沢氏に3・7億円/中国新聞
民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」が昨年の衆院選前の7月、小沢氏から3億7千万円を借りた2日後、関係の深い政治団体「改革フォーラム21」から政党支部を 迂回 うかい して同額の寄付金を受け小沢氏に返済していたことが30日、公表された2009年分 ...

昨夏衆院解散前日 小沢氏、陸山会に3.7億円 「不記載4億」原資か/産経
民主党の小沢一郎元代表が昨年7月の衆院解散前日、自身の資金管理団体「陸山会」に3億7000万円を貸し付け、2日後に返済を受けていたことが30日、分かった。同時期には、旧新生党の資金をプールする政治団体から同額の3億7000万円が政党支部を経由して陸山会に渡っていたことがすでに判明している。識者は「小沢氏がなぜ、政治団体からの寄付と同額を陸山会に貸し付ける必要があったのか不可解だ」と指摘している。

 収支報告書によると、小沢氏は衆院解散前日の平成21年7月20日、陸山会に3億7000万円を貸し付け、22日に全額返済された。

 一方、旧新生党の資金がプールされていた政治団体「改革フォーラム21」は同21日、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部へ同額を寄付。同22日には陸山会へ渡り、これが小沢氏への返済金となった形だ。

陸山会は同21日に小沢氏の側近議員ら89人の候補者側に計4億4200万円を配ったが、小沢氏の貸付金がなければ、候補者らに金を配れない状態だった。

 陸山会の土地購入をめぐる虚偽記載事件では、土地代金の原資とされた4億円は小沢氏が16年10月に陸山会に貸し付け、19年春に返済されたとされる。

 いずれも政治資金収支報告書に記載していなかったとして、元秘書らが今年2月に起訴された。

 この4億円について、小沢氏側は「献金」「融資」「個人資金」と説明を変遷させ、出どころは明確になっていない。小沢氏側は土地購入時に個人事務所の金庫にあった手持ち資金から4億円を貸し付けたと説明。19年に返済された4億円が今回の貸付金に充てられた可能性もある。

 東京地検特捜部は、小沢氏が陸山会に貸し付けた4億円に、ゼネコンからの裏献金が含まれているとみているが、小沢氏側は否定している。

 日大法学部の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)は「改革フォーラム21の資金は小沢氏が自由に使える“財布”になっており、そういう認識が今回の資金操作に表れている。『政党資金の私物化』との批判を回避するため、候補者への寄付を小沢氏が立て替えた形を取ったのではないか」としている。

 小沢氏の事務所は「政治資金規正法に基づき適正に処理しており、収支報告書の通りです」としている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101201/crm1012010200003-n1.htm


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2 コメント

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Unknown (電灯)
2010-12-01 19:48:41
今までのところ、この件について、違法な何かがあるという記事はなかったようにおもう。

朝日新聞しか見てないが、他の政治家と比べてどういう悪性があるのかも判然としないような内容を、一面で大きく掲載していた。

昨年来の小沢叩き、そしてここまで小沢を叩くとなると、やはり叩く側に何かあるのか、と徐々におもうようになってきた。
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Unknown (東北人)
2010-12-18 04:52:54
電灯氏に全く同意です。

何ででしょうね?
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