悪い予感が適中した。残念だ。
『週刊金曜日』の集会で、お笑い集団の『他言無用』がパフォーマンスをやった。それを『週刊新潮』(12月7日号)は「皇室中傷芝居だ」「不敬だ」と大々的に報じた。これは危ないな、と思った。『報道』というより『煽動』ではないか。
やはり、その不安が現実になった。「これは許せない」「皇室を守るのは我々しかいない」と思った右翼の抗議がドッと押し寄せた。黒い街宣車で押し掛け、あるいは面会を要求し、激しく抗議した。電話も鳴りっぱなしで、『週刊金曜日』『他言無用』の事務所はまるで〈戦争状態〉だった。
12月9日~10日に社会文化会館で『他言無用』は本公演をやったが、そこにも黒い街宣車が押し掛けた。いくらコントとはいえ皇室を連想させ中傷するような表現があったことは申し訳ない、と『他言無用』はお詫びをウェブサイトで出した。
〈今般、一部週刊誌上に取り上げられた、日比谷公会堂で行われました某集会におきます「さる高貴なご一家」に関する寸劇上演で、皆様に大変ご迷惑をおかけ致しました。この点を深くお詫び申し上げ、公演に於きまして「さる高貴なご一家」そのものを笑いの対象にすることは、今後慎みます〉
何とも痛々しい声明だ。ガードが甘かったし、表現に下品なところはあった。しかし、今後の表現を「慎みます」となると大きな後退だ。何もそこまで、と思った。『東京新聞』(12月4日付)で『創』編集長の篠田博之さんは、「気になる新潮の『不敬』。言論の許容度、自ら狭める?」と書いていたが、その通りになった。
「週刊新潮の挑発、煽動に乗るな!」と僕は言ってきた。これで挑発に乗り大事件が起こったら、「それみろ、右翼はただの暴力だ」と思われる。「暴力でしか守れない天皇制に意味があるのか」と思われる。
また、こんな事件が続くと、「では表現を取り締まろう」という動きもでる。過去、そういうことが実際にあった。『皇室の尊厳を守る法』を作ろうとした。不敬罪の現代版だ。そんなことになっては困る。法律でしか守れない皇室ではないはずだ。
右翼の人々の中には、「そうだな」と理解してくれる人もいた。しかし僕は無力だ。「言論で抗議して済む問題じゃない」と怒る人々が多い。冷静だと思っていた人々までも言う。「その理屈は分かる。でも週刊新潮にあそこまで書かれちゃ、僕らもやるしかないでしょう」と。
「あれを読んでカーッとなって。襲撃するしかないと思いました」という若者もいた。必死に止(と)めた。「じゃ、不敬行為を野放しにするんですか!」と逆襲される。週刊誌の力は恐ろしい。
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すずき・くにお
1943年、福島県生まれ。67年、早稲田大学政治経済学部卒業。70~73年、産経新聞社に勤務。学生時代から右翼・民族派運動に飛び込み、72年に一水会を創設、「新右翼」の代表的存在となる。現在は同会顧問。『新右翼 民族派の歴史と現在』(彩流社)、『夕刻のコペルニクス』(扶桑社)など著書多数。近著は『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)
『週刊金曜日』の集会で、お笑い集団の『他言無用』がパフォーマンスをやった。それを『週刊新潮』(12月7日号)は「皇室中傷芝居だ」「不敬だ」と大々的に報じた。これは危ないな、と思った。『報道』というより『煽動』ではないか。
やはり、その不安が現実になった。「これは許せない」「皇室を守るのは我々しかいない」と思った右翼の抗議がドッと押し寄せた。黒い街宣車で押し掛け、あるいは面会を要求し、激しく抗議した。電話も鳴りっぱなしで、『週刊金曜日』『他言無用』の事務所はまるで〈戦争状態〉だった。
お詫びを掲載した『他言無用』のWebサイト
撮影者:OhmyNews
〈今般、一部週刊誌上に取り上げられた、日比谷公会堂で行われました某集会におきます「さる高貴なご一家」に関する寸劇上演で、皆様に大変ご迷惑をおかけ致しました。この点を深くお詫び申し上げ、公演に於きまして「さる高貴なご一家」そのものを笑いの対象にすることは、今後慎みます〉
何とも痛々しい声明だ。ガードが甘かったし、表現に下品なところはあった。しかし、今後の表現を「慎みます」となると大きな後退だ。何もそこまで、と思った。『東京新聞』(12月4日付)で『創』編集長の篠田博之さんは、「気になる新潮の『不敬』。言論の許容度、自ら狭める?」と書いていたが、その通りになった。
「週刊新潮の挑発、煽動に乗るな!」と僕は言ってきた。これで挑発に乗り大事件が起こったら、「それみろ、右翼はただの暴力だ」と思われる。「暴力でしか守れない天皇制に意味があるのか」と思われる。
また、こんな事件が続くと、「では表現を取り締まろう」という動きもでる。過去、そういうことが実際にあった。『皇室の尊厳を守る法』を作ろうとした。不敬罪の現代版だ。そんなことになっては困る。法律でしか守れない皇室ではないはずだ。
右翼の人々の中には、「そうだな」と理解してくれる人もいた。しかし僕は無力だ。「言論で抗議して済む問題じゃない」と怒る人々が多い。冷静だと思っていた人々までも言う。「その理屈は分かる。でも週刊新潮にあそこまで書かれちゃ、僕らもやるしかないでしょう」と。
「あれを読んでカーッとなって。襲撃するしかないと思いました」という若者もいた。必死に止(と)めた。「じゃ、不敬行為を野放しにするんですか!」と逆襲される。週刊誌の力は恐ろしい。
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すずき・くにお
1943年、福島県生まれ。67年、早稲田大学政治経済学部卒業。70~73年、産経新聞社に勤務。学生時代から右翼・民族派運動に飛び込み、72年に一水会を創設、「新右翼」の代表的存在となる。現在は同会顧問。『新右翼 民族派の歴史と現在』(彩流社)、『夕刻のコペルニクス』(扶桑社)など著書多数。近著は『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)
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関連
お詫びとお知らせ
12月15日に予定しておりました名古屋公演は、かかる状況に鑑み中止とさせていただきます。
何卒ご了承たまわりますようお願い申し上げます。
尚、チケットの返金に関しましては
ミュージックフィールド 052-752-2346
までお問合せ下さい。
他言無用プロジェクト
12月15日に予定しておりました名古屋公演は、かかる状況に鑑み中止とさせていただきます。
何卒ご了承たまわりますようお願い申し上げます。
尚、チケットの返金に関しましては
ミュージックフィールド 052-752-2346
までお問合せ下さい。
他言無用プロジェクト
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お客様、並びに関係各位。
今般、一部週刊誌上に取り上げられました、日比谷公会堂で行なわれました某集会におきます「さる高貴なご一家」に関する寸劇上演で、皆様に大変ご迷惑をおかけ致しました。
この点を深くお詫び申し上げ、公演におきまして「さる高貴なご一家」そのものを笑いの対象にすることは、今後慎みます。
お客様、各位にはご理解をいただきますようお願い申し上げます。
尚、今回の公演に関しましては、お蔭様で両日ともチケットは、完売しております。ご了承下さい。
他言無用プロジェクト
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今般、一部週刊誌上に取り上げられました、日比谷公会堂で行なわれました某集会におきます「さる高貴なご一家」に関する寸劇上演で、皆様に大変ご迷惑をおかけ致しました。
この点を深くお詫び申し上げ、公演におきまして「さる高貴なご一家」そのものを笑いの対象にすることは、今後慎みます。
お客様、各位にはご理解をいただきますようお願い申し上げます。
尚、今回の公演に関しましては、お蔭様で両日ともチケットは、完売しております。ご了承下さい。
他言無用プロジェクト
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> 今般の公演には、たくさんのお客様にご来場いただき、多くのお客様よりお励ましをいただきました。ありがとうございます。
> さて、先般11月19日に日比谷公会堂にて開催されました集会におきまして、天皇家を愚弄した寸劇を上演したと一部週刊誌で報じられ、みなさまよりご指摘をいただきました。
> 私どもは天皇家を尊敬申し上げております。天皇家にご不快をお与えしたしましたことは、まことに申し訳ございませんでした。
> 今後天皇家がご不快になられるような上演をしないことを、ここにお約束申し上げます。
> また、ご皇族のお子様に見立てた人形をぞんざいに扱ったつもりは毛頭ございませんでしたが、そのように受け止められる寸劇とのご指摘を真摯に受け止めております。
> また、私どもは、子どもたちにいじめを助長してはならないと考えますので、そうした寸劇であると思われる上演は今後いたしません。今後ともみなさまに楽しんでいただける上演を模索して参ります。今後ともよろしくご鞭撻ください。
> 他言無用プロジェクト
> さて、先般11月19日に日比谷公会堂にて開催されました集会におきまして、天皇家を愚弄した寸劇を上演したと一部週刊誌で報じられ、みなさまよりご指摘をいただきました。
> 私どもは天皇家を尊敬申し上げております。天皇家にご不快をお与えしたしましたことは、まことに申し訳ございませんでした。
> 今後天皇家がご不快になられるような上演をしないことを、ここにお約束申し上げます。
> また、ご皇族のお子様に見立てた人形をぞんざいに扱ったつもりは毛頭ございませんでしたが、そのように受け止められる寸劇とのご指摘を真摯に受け止めております。
> また、私どもは、子どもたちにいじめを助長してはならないと考えますので、そうした寸劇であると思われる上演は今後いたしません。今後ともみなさまに楽しんでいただける上演を模索して参ります。今後ともよろしくご鞭撻ください。
> 他言無用プロジェクト
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12月14日「週刊金曜日」抗議街宣その後
本日、『週刊金曜日』は主権回復を目指す会事務所へ、皇室侮辱に関連する抗議を受けた謝罪に訪れた。
謝罪には土井伸一郎、片岡伸行の両副編集長が、佐高 信・発行人と北村 肇編集長からの謝罪文を携えて釈明に上がった。当会からは代表のほか、小田幹事と鈴木幹事が同席した。
謝罪文は通り一遍の抽象的文言に終始し、およそ内実を伴なっていなかった。また、「言論・表現の自由」を他の諸権利に優位するなど、バランスを欠く居直りの近い釈明となっている。
したがって当会は受理することを拒否、改めて具体的謝罪要求を掲げた抗議文を提出した。
『週刊金曜日』」は、「この度の『劇団他言無用』の寸劇・皇室侮辱は全く予知しておらず関知もしていなかった」(片岡副編集長)と釈明した。
西村代表は「予知できないとはいえ、結果に伴う主催者責任は免れ得ない。謝罪とは実体という裏づけを伴わなければ謝罪の内に入らない。
ことは皇室の侮辱であり、幼児の虐待を見世物にした。普通の企業であれば責任の取り方は解散・清算しかない」と追求した。
鈴木幹事は「今回の出来事は編集部の反日という基本的なスタンスの延長上のことだ」とし、同誌の偏向した編集スタイルを厳しく批判した。
主権回復を目指す会は謝罪要求として
1、 発行人・佐高 信氏と編集長・北村 肇氏の辞任
2、 同誌の発行自粛6ヶ月
3、 運営・編集委員の落合恵子、椎名 誠、筑紫哲也各氏が
この度の件について文書で謝罪を示すこと
以上を両編集長に伝え、片岡、土井氏はこれを持ち帰り、検討するとの確約をした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、『週刊金曜日』からの謝罪文
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
主権回復を目指す会 代表 西村修平殿
謹啓
今般、貴団体よりいただいた抗議およびご質問に対して、弊社で検討した結果、ご回答を含めた見解をまとめました。
文書で送付(直接持参)いたしますのでご査収下さい。
なお、この見解は本誌ならびにホームページでも掲載する予定です。
敬白
2006年12月13日
『週刊金曜日』編集長
北村 肇 拝(直筆サイン印)
「11・19」緊急市民集会について
このたび弊社主催の「教育基本法改悪、共謀罪、改憲」をテーマとした「ちょっと待った!」緊急市民集会(11月19日開催)に関し、さまざまなご意見・ご批判をうけましたことについて、下記の通り見解を表明いたします。
記
集会は、教育基本法の改悪や共謀罪の新設、改憲といった潮流に対して反対する立場から、10人の出演者がそれぞれの思いを語ることをメインに開催したものです。
その内容については12月1日号の本誌で紹介したとおりです。しかしながら、集会の中で演じられた講師中共をめぐるパフォーマンスの一部に「人権上問題あり」と指摘・批判される表現・言動がありました。
本誌はこれまで、皇室あるいは天皇制の問題について一切タブー視することなく正面から取り上げ、さまざまな意見・論評を載せることで、社会的な議論を深めるべく努力してまいりました。その一方で、人権侵害や差別につながる表現については、これを行なわない方針を貫いてきました。
しかし、上記にパフォーマンスは、人権及びプライバシー上、一部の表現に行きすぎや不適切な言動があったことで、誤解や不快の念を生じさせてしまいました。集会主催者として配慮を欠いたことを率直に反省しおわびするとともに、今後開催する集会等の運営には十分に留意をしてまいります。
言論・表現の自由は、民主主義社会の存立・発展のために、他の諸権利に優位されています。弊社は今後もタブーなき言論・表現活動が民主主義の成熟につながることを確信し、その実現のために努力していく所存です。
2006年12月13日
『週刊金曜日』発行人・佐高 信(社印)
編集長・ 北村 肇(〃)
本日、『週刊金曜日』は主権回復を目指す会事務所へ、皇室侮辱に関連する抗議を受けた謝罪に訪れた。
謝罪には土井伸一郎、片岡伸行の両副編集長が、佐高 信・発行人と北村 肇編集長からの謝罪文を携えて釈明に上がった。当会からは代表のほか、小田幹事と鈴木幹事が同席した。
謝罪文は通り一遍の抽象的文言に終始し、およそ内実を伴なっていなかった。また、「言論・表現の自由」を他の諸権利に優位するなど、バランスを欠く居直りの近い釈明となっている。
したがって当会は受理することを拒否、改めて具体的謝罪要求を掲げた抗議文を提出した。
『週刊金曜日』」は、「この度の『劇団他言無用』の寸劇・皇室侮辱は全く予知しておらず関知もしていなかった」(片岡副編集長)と釈明した。
西村代表は「予知できないとはいえ、結果に伴う主催者責任は免れ得ない。謝罪とは実体という裏づけを伴わなければ謝罪の内に入らない。
ことは皇室の侮辱であり、幼児の虐待を見世物にした。普通の企業であれば責任の取り方は解散・清算しかない」と追求した。
鈴木幹事は「今回の出来事は編集部の反日という基本的なスタンスの延長上のことだ」とし、同誌の偏向した編集スタイルを厳しく批判した。
主権回復を目指す会は謝罪要求として
1、 発行人・佐高 信氏と編集長・北村 肇氏の辞任
2、 同誌の発行自粛6ヶ月
3、 運営・編集委員の落合恵子、椎名 誠、筑紫哲也各氏が
この度の件について文書で謝罪を示すこと
以上を両編集長に伝え、片岡、土井氏はこれを持ち帰り、検討するとの確約をした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、『週刊金曜日』からの謝罪文
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
主権回復を目指す会 代表 西村修平殿
謹啓
今般、貴団体よりいただいた抗議およびご質問に対して、弊社で検討した結果、ご回答を含めた見解をまとめました。
文書で送付(直接持参)いたしますのでご査収下さい。
なお、この見解は本誌ならびにホームページでも掲載する予定です。
敬白
2006年12月13日
『週刊金曜日』編集長
北村 肇 拝(直筆サイン印)
「11・19」緊急市民集会について
このたび弊社主催の「教育基本法改悪、共謀罪、改憲」をテーマとした「ちょっと待った!」緊急市民集会(11月19日開催)に関し、さまざまなご意見・ご批判をうけましたことについて、下記の通り見解を表明いたします。
記
集会は、教育基本法の改悪や共謀罪の新設、改憲といった潮流に対して反対する立場から、10人の出演者がそれぞれの思いを語ることをメインに開催したものです。
その内容については12月1日号の本誌で紹介したとおりです。しかしながら、集会の中で演じられた講師中共をめぐるパフォーマンスの一部に「人権上問題あり」と指摘・批判される表現・言動がありました。
本誌はこれまで、皇室あるいは天皇制の問題について一切タブー視することなく正面から取り上げ、さまざまな意見・論評を載せることで、社会的な議論を深めるべく努力してまいりました。その一方で、人権侵害や差別につながる表現については、これを行なわない方針を貫いてきました。
しかし、上記にパフォーマンスは、人権及びプライバシー上、一部の表現に行きすぎや不適切な言動があったことで、誤解や不快の念を生じさせてしまいました。集会主催者として配慮を欠いたことを率直に反省しおわびするとともに、今後開催する集会等の運営には十分に留意をしてまいります。
言論・表現の自由は、民主主義社会の存立・発展のために、他の諸権利に優位されています。弊社は今後もタブーなき言論・表現活動が民主主義の成熟につながることを確信し、その実現のために努力していく所存です。
2006年12月13日
『週刊金曜日』発行人・佐高 信(社印)
編集長・ 北村 肇(〃)
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激論 なぜ日本人は右傾化?
その1
http://www.youtube.com/watch?v=SVqw1G6mITY
その2
http://www.youtube.com/watch?v=3kBKnYlaztc&mode=related&search=
その3
http://www.youtube.com/watch?v=h504kGk9NX0&mode=related&search=
その4
http://www.youtube.com/watch?v=iQRO0VXjc2A&mode=related&search=
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http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/d45f54889bed6cb4355f31f97fa7dc68
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/32f9e618b34205f77f4e2389c0065694
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/161d5d3369caeff973897102ce9214a1
馬鹿は際限が効かないから、付け上がるだけだよ。
西村なんて屑に代理発言されちゃ、本物の高貴な人々の沽券に関わろう。
兎に角、いかんワ。
さぞ右派が喜ぶ。
ま、内ゲバとかって、実は右派の差し金って話もあるが。