参考記事・福島県の子ども甲状腺検査:嚢胞有病率の上昇と被ばくレベルの関係

2012-09-23 13:01:01 | 社会
東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワーク・ブログから
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/293739672.html
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福島県は第1回グループ(2012年3月末)に引き続き、第2回グループ(2012年8月末)について、子どもの甲状腺検査の結果を公表した。嚢胞有病率が上昇しているが、被ばくレベルの違いと関係しているだろうか。

対象者:

第1回グループ(2012年3月末)
第6回福島県「県民健康管理調査」検討委員会
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240426shiryou.pdf
47,766名:田村市(県中)、南相馬市、伊達市(県北)、川俣町(県北)、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村(県北・県中以外は相双)。

第2回グループ(2012年8月末)
第8回福島県「県民健康管理調査」検討委員会
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240911kentouiinkaisiryou.pdf
対象者:福島市(県北)の44,959名+福島市以外216名※2
※2 福島市以外には、南相馬市、伊達市(県北)、田村市(県中)、川俣町(県北)、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、広野町、飯舘村などが含まれる(県北・県中以外は相双)。

結果(「検討委員会」報告書中):

第1回グループ
5.1mm以上の結節(solid nodule):184人(0.48%)
5.0mm以下の結節:201人(0.53%)
20.1mm以上の嚢胞:1人(0.003%)
20.0mm以下の嚢胞:13,382人(35.11%)
5.1㎜以上の結節や20.1㎜以上の嚢胞(B判定):186人(0.5%)
5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞(A2判定):13,459人(35.3%)

第2回グループ
5.1mm以上の結節:232人(0.55%)
5.0mm以下の結節:153人(0.37%)
20.1mm以上の嚢胞:3人(0.007%)
20.0mm以下の嚢胞:18,136人(43.12%)
5.1㎜以上の結節や20.1㎜以上の嚢胞(B判定):239人(0.6%)
5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞(A2判定):18,119人(43.1%)

考察:

第8回報告書の「甲状腺検査の結果概要②2 年齢区分・性別・年度による判定割合」(16ページ)によれば、4つの年齢区分のいずれでも8月末の方がA2判定の嚢胞および結節(英語ではまとめてnoduleと呼ばれる)の有病率(prevalence)が増加しており、B判定についてもほとんどの年齢区分で8月末に有病率が増加していることから、これらの有病率の増加は検査対象者の年齢分布の違いによるものではないと思われる(嚢胞および結節は一般に年齢が高いほど多いことが知られている)。

土地の汚染度に関しては、3月末の検査対象地域(主に相双)は8月末の検査対象地域(主に福島市=県北)より高いが、第8回報告書の「【先行調査+全県民調査】実効線量別推計結果内訳」(11ページ)によれば、福島県の中でも地域によって「外部被ばく」のレベルが異なる。

「基本調査」の回答率が22.9%、線量推計率が26.0%(同1ページ)なので全体の推計ができているわけではないが、県北の住民の被ばくレベルは1mSv未満が33.5%、1mSv以上が66.4%であるのに対して、相双は1mSv未満が72.5%、1mSv以上が27.4%となっている。

県北の住民が相双の住民より被ばくレベルが高いと推定され、県北中心の8月末グループも相双中心の3月末グループと比べて被ばくレベルが高い可能性があることから、8月末における嚢胞および結節の有病率の増加と放射線の関係が心配される。

広島、長崎の原爆被爆者における甲状腺結節と自己免疫性甲状腺疾患の放射線量反応関係 被ばく55-58 年後の調査
JAMA 295(9):1011-22, 2006
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1128-20c.pdf
「全充実性結節、悪性腫瘍、良性結節、のう胞の有病率と線量との正の関係が認められた。」

第8回報告書は「これまでの疫学調査により100mSv以下での明らかな健康への影響は確認されていないことから、4ヶ月間の積算実効線量推計値ではあるが、『放射線による健康影響があるとは考えにくい』と評価される。」(3ページ)としているが、100mSv以下で健康影響を確認している疫学調査※は数多くあり、8月末までの甲状腺検査の結果からも、「健康影響があるとは考えにくい」との結論を現段階で下すことはできない。

※ 内部被曝-資料: 東日本大震災被災者支援千葉西部ネットワーク
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/273231204.html

福島での健康調査を率いる山下俊一氏は、甲状腺検査結果と放射線量の関係を分析できるよう、生データを一刻も早く公表すべきである。また、この検査結果が意味するところを過去の同様の結果と比較するなど、客観的な説明を自ら行う責任を果たさなければならない。

太田光征

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ni0615田島さんから

太田さん
精しい分析有難うございます。

県北と相双の対比ということでございますが、
県北とは、相馬市および南相馬市のことでしょうか?

もしそうなら、
県北は避難しなかった人、もしくは短期避難が多く、
主にCs134とCs137に依拠する空間線量の長期積算値は、
今も長期避難中の相双地区の住民より、高いかもしれません。

福島市を県北としますと、
福島市に逃げのいびた相双地区の方々は、もともとの福島市住民より高くなるはずです。

もっとも同じ福島市でも、渡利地区のような高線量地区とそうでない地区では、かなりの差があります。

しかしながら、Iー131の初期被曝となりますと、
汚染濃度の高い地区に逃げた相双地区の住民の方が
被爆量は高いはずです。

福島県県民健康管理調査検討委員会が、調査の第一期として
相双地区の小児(18歳以下)を選んだのもそのせいです。

だのに、発表された結果、
第一期の相双地区と第2期の主として福島市との
のう胞有病率を比べますと、後者の方が高いということになっており、
不可解です。
つまり、Iー131の予想される初期被曝量との、逆相関を示しているからです。

ni0615田島拝


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