★「アジア記者クラブ(APC)通信」5月(261)号 発行

2014-06-01 08:52:24 | 世界
★「アジア記者クラブ(APC)通信」5月(261)号★
~タイトルとリードセンテンス(本文は通信本体でお読み下さい~


■定例会リポート(2014年3月20日)
戦後19回の都知事選から分析した都民の投票行動の特徴
西川伸一(明治大学教授)

 東京都知事選に立候補した細川護熙元首相が、支援を受けた小泉純一郎元首相とと
もに脱原発を推進する社団法人を発足させ、同選挙で掲げた政策を落選後も追求して
いく姿勢を示した。その細川氏と前日弁連会長の宇都宮健児氏との候補一本化がなら
ず、舛添要一元参院議員の“大勝”を許した脱原発勢力の都知事選の選挙戦術をめぐ
っては、選挙から3ヶ月となる現在も議論が絶えない。投稿欄がその舞台の一つとな
っている『週刊金曜日』の執筆者で、都知事選への言及が論争を巻き起こした西川伸
一・明治大教授をお招きし、ご自身の言説にまつわる反響とともに、学説からみた有
権者の投票行動、独自分析による過去19回の都知事選から読み取れる傾向や対策を
語っていただいた。(編集部)


■オバマ政権はアベノミクスを斬り捨てた             
安倍2次政権の「終わりの始まり」
マイク・ホイットニー(エコノミスト)

 オバマ米大統領が4月23日に来日したが、安倍首相との首脳会談後の共同声明は
1年前に黒田新総裁の下、日銀が華々しく打ち出したアベノミクスの第一の矢である
異次元金融緩和(QE)の評価に一切触れていない。会談後の首相は苛立ちを露にし
たとの報道もあった。それは最大の焦点とされた「TPPの大筋合意」や「日米同盟
の強化」とは“異次元な”交渉から発生したフラストレーションだったはずだ。筆者
はワシントンが「日本はQEを縮小し、停止へと進め」と命じた背景を解説しつつ、
異常な金融緩和策の深刻な危険性について鋭く論じている。オバマが今回の訪日でこ
れを安倍に直接伝えた可能性は否定できない。集団的自衛権の行使容認をはじめとす
る軍事政策の転換、東南アジア諸国の取り込みなど米国の主流派にとって安倍はそれ
なりに使い勝手があった。オバマ政権によるアベノミクス斬り捨ては、安倍2次政権
の使い捨てが近づいたことを示唆しており、「安倍再パージ」の序奏であると読むこ
とも可能だ。(編集部)


■大銀行は戦争の背後でほくそ笑んでいる             
現代の戦争と金融資本
ワシントンズ・ブログ

 ホワイトハウスを背後で動かす「影の政府」が指摘されて久しい。軍産複合体、金
融資本、石油メジャー、そして新規参入したIT通信産業などがその中核をなすとさ
れている。その筆頭に挙げられてきたのがウオール街=金融資本だ。本稿は、米国の
戦費調達における政府、FRB(中央銀行)、そして大銀行とのつながりを明かし、
現代の戦争の資金メカニズムを解説する。そして、「引き起こされている」戦争の主
役は戦費調達のための政府証券を一手に引き受ける大銀行なのだ、と告発する。
(編集部)


■現代ファシズムへの反逆精神を喚起               
ポルトガル4月革命から40年
ミゲル・ウルバーノ・ロドリゲス(ジャーナリスト)

 2009年10月、ギリシャに端を発した欧州債務危機はその後、ポルトガルをは
じめアイルランド、スペイン、イタリアなどに飛び火し、さらには欧州全体の金融シ
ステムまでを揺るがす事態となったのは記憶に新しい。本稿は1974年4月25日
のポルトガル4月革命(通称:カーネーション革命)の40周年記念日にあたり、そ
の革命の意義を再確認するとともに、今日のポルトガルの親ネオファシズム政権によ
る民衆と社会の抑圧を告発している。ギリシャと同様、通称「トロイカ」と呼ばれる
欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)による監督・
監視下に置かれたポルトガルでは、カーネーション革命以降間もなく、反革命が起き
て極右を操る寡占階級が独自のトロイカ体制を構築した。筆者は、今回の債務危機を
契機にポルトガルの民衆の間に現代ファシズムへの反逆精神が再び喚起されつつあり、
「抵抗の思想」と「革命の権利」を現代世界全体に問題提起している、と訴える。
(編集部)


■中国を最終標的にユーラシア支配目論む             
オバマ・アジア歴訪の読み方
ペペ・エスコバール(ジャーナリスト)

 4月のオバマ訪日で、日本のメディアは安全保障面ではもっぱら「米国が尖閣諸島
を日米安保条約の適用対象であることを明言、(中国の)力による現状変更について
対抗していく」との米国の声明をクローズアップした。筆者は精一杯皮肉を込めてそ
れがいかに近視眼的な、一国中心主義的な見方であるかを指摘する。オバマ歴訪はウ
クライナ情勢、中国の中南米外交などとともに一体化して観察しないとその本質を見
逃すと警告し、特にロシアとのユーラシアを巡る第2次冷戦の開始が中国を最終標的
にしていると示唆。この新冷戦の“初戦”に中国が勝利したことを強調する。
(編集部)


■オバマの中国封じ込めと配慮の真相は?            
“対中バランス政策”の欺瞞
メルクランガラ・バードラクマル(元外交官・インド)

 4月下旬の日本を皮切りとするオバマ米大統領のアジア4カ国歴訪をどう見るか。
日本の安倍政権やメディアに関しては、本通信掲載のペペ?エスコバール論考のリー
ド部分で触れた通りだ。本稿は中国サイドがどう観察したかという極めて重要な情報
を提供している。その核心は、オバマ大統領が米国経済の回復にとって不可欠な中国
の役割に極めて神経質な配慮を示す一方で、中国の台頭に対して激しく動揺して日韓
とASEAN諸国を束ね中国を封じ込めようとする矛盾に陥っているとの指摘だ。中
国が「貧すれば鈍する」かのごとく振舞う米国を冷静に観察していると見る筆者は、
メディアを主体に中国サイドの動きを丹念に検証してみせる。(編集部)


■連邦主義者になりすました殺し屋集団が暗躍
血塗られたオデッサ虐殺の真相が明らかに
情勢が先鋭化するウクライナ
ライブジャーナル

 ウクライナ南部の黒海に面した港湾都市オデッサで5月2日、当局の発表で46人
が死亡した親ロ派住民と極右勢力に率いられた暫定政権支持派の衝突事件は、炎上し
た貿易組合会館に鎮火直後に入ったロシア人の現場検証リポートによって様相が全く
異なることが明らかになってきた。子供や女性の遺体が斧で切断されていたり、レイ
プされた女性や妊婦まで含まれ、累々と横たわる焼死体の他に銃で射殺された遺体、
殺しのプロに首の骨を折られて殺害された若者の遺体300体以上が発見されたから
だ。キエフの合法政権を恐怖のどん底に陥れた方法がここでも繰り返し使われた可能
性が強まった。これはCIAや米軍が関与したエルサルバドル方式の大量虐殺に酷似
しており、近年ではイラクとシリアで繰り返されてきた殺害方法だ。写真も工作員の
介在を捉えている。4月には、バイデン副大統領の他に、ブレナンCIA長官がウク
ライナを極秘訪問し暫定政権への支援を表明したばかりだ。以下は虐殺現場からの生
々しいフォトルポルタージュである。(編集部)


■軍事植民地・沖縄へ関心高める海外の市民           
稲嶺名護市長訪米に注目
デビッド・スワンソン(ブロガー、作家)

 言語学者ノーム・チョムスキー、アカデミー賞受賞映画監督のオリバー・ストーン
やマイケル・ムーアら29人の米国、カナダ、欧州、オーストラリアの識者、文化人
らが今年1月、沖縄・宜野湾市の普天間海兵隊飛行場の辺野古への移設に反対する声
明を発表した。これを受け、沖縄の人々の反基地闘争への関心が米欧の市民の間で高
まっているようだ。彼らは仲井真弘多沖縄県知事の公約違反を日米両政府による強い
圧力の結果とみて非難しており、辺野古の地元・名護市の稲嶺市長の5月訪米に注目
している。(編集部)


■メディアへの情報提供者を脅迫・迫害するオバマ政権
内部告発者をスパイ法から守れ

ミコル・サビア(国際民主法律家協会)へのインタビュー
インタビュアー:パスクアル・セラーノ(独立ジャーナリスト)

 オバマ政権による調査報道を行うジャーナリストとメディアへの情報提供者に対す
る脅迫と迫害は激しさを増している。スパイ法によって、敵国に対してではなく、メ
ディアへの情報提供を理由に起訴された者は、すでにニクソン政権時代を上回ってい
る。国家安全保障の名の下に調査報道を犯罪化し、ジャーナリストと情報源の間に恐
怖と不信の雰囲気を醸成していると告発するのは、国際民主法律家協会の広報担当ミ
コル・サビア(弁護士・イタリア)だ。彼女は、政府内部からの告発がなければ、秘
密刑務所での拷問、要人の暗殺、民間人の殺害、市民活動の監視など政府による人権
侵害の数々は明らかにされなかったと指摘する。内部告発者の暴露をフォローするこ
とと窮地に立たされたジャーナリストとの連帯は急務だという。インタビューは、ス
ペインを代表する調査報道ジャーナリスト、パスクアル・セラーノが行った。
(編集部)


■クリミアの輸送回廊建設に中国企業が参入
ロシア支援に動く北京
プラウダ(英語版)

 ウクライナの暫定政権は、ロシアへの帰属を自決したクリミア半島への水の供給を
全面停止した。このクリミア半島へのロシア側からの輸送路の建設がケルチ海峡を越
えて始まろうとしている。中国企業が参入するからだ。西側メディアによれば、中国
はロシアのプーチン政権とは一線を画しているという論調だが、ひとつのドアが閉じ
れば、必ずもうひとつのドアが開くという相互依存関係に両国があることを見落とし
ているのではないか。ユーラシア大陸における最大の脅威が米国であることを両国の
指導部が念頭に置いていることはいうまでもない。(編集部)


■山崎久隆の原発切抜帖(4月1日~30日)


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