内部被ばく4700件 県外原発で働く福島出身作業員、事故/毎日新聞

2011-05-21 18:25:00 | 社会
◇周辺住民にも不安

 東京電力福島第1原発の事故後、福島県外で働く同県出身の原発作業員から、
通常ならめったにない内部被ばくが見つかるケースが相次いでいる。大半は事
故後に福島県に立ち寄っており、水素爆発で飛散した放射性物質を吸い込むな
どしたとみられる。周辺住民も同様に内部被ばくした可能性もあり、福島県内
の一部自治体は独自に検査を検討している。【日下部聡、石川淳一、町田徳丈、
袴田貴行、池田知広】

 ◇時間と共に排せつ、半減期7~90日

 経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が16日の衆院予算委員会で
明らかにしたデータによると、3月11日以降、福島第1原発を除いた全国の
原子力施設で、作業員から内部被ばくが見つかったケースが4956件あり、
うち4766件はその作業員が事故発生後に福島県内に立ち寄っていた。柿沢
未途議員(みんなの党)の質問に答えた。

 保安院によると、体内からの放射線を測定できる機器「ホールボディーカウ
ンター」による検査で、東電が内部被ばくの目安としている1500cpm
(cpmは1分当たりに検出された放射線量を示す単位)を上回った件数を電
力各社から聞き取った。1人で複数回検査を受けるケースがあるため、件数で
集計した。1万cpmを超えたケースも1193件にのぼった。

 いずれも福島第1原発近くに自宅があり、事故後に家族の避難などのために
帰宅したり、福島第1、第2両原発から他原発に移った人たちとみられる。

 柿沢氏によると、北陸電力志賀原発(石川県)で働いていた作業員は、3月
13日に福島県川内村の自宅に戻り、数時間滞在して家族と共に郡山市に1泊
して県外に出た。同23日、志賀原発で検査を受けたところ5000cpmで、
待機を指示された。2日後には1500cpmを下回ったため、作業に戻った
という。

 取材に応じた福島第2原発の40代の作業員男性は第1原発での水素爆発以
降、自宅のある約30キロ離れたいわき市で待機していた。その後、検査を受
けると2500cpmだった。「大半が(半減期の短い)ヨウ素で数値は(時
間の経過で)下がると思うが、不安だ」と男性は話す。

 同県二本松市には「市民から内部被ばくを心配する声が寄せられ」(市民
部)、市は乳幼児や屋外作業の多い人などを選び、県外のホールボディーカウ
ンターで内部被ばくの有無を測定することを検討している。

 ◇扉ゆがむ棟「そこで食事すれば体に入って当然」--福島第1の作業員

 福島第1原発で作業拠点となっている免震重要棟は、3月に起きた1、3号
機の水素爆発で扉がゆがみ、放射性物質が一時入り込みやすくなっていたとい
う。40代の作業員男性は「そこで食事しているから(放射性物質は)体に
入っているでしょう」とあきらめ顔だ。「『ビール飲んで(尿で体外に)出
しゃいいよ』って感じですよ」

 ◇空気中線量高く、機器測定不能に

 今月現場に入った作業員男性(34)は内部被ばくの検査態勢の不十分さを
懸念する。「周りのほとんどは検査を受けていない。特に20代の若手が不安
がっている」。東電は3カ月に1回の定期検査のほか、恐れのある時の随時検
査を定める。だが今月16日現在、検査したのは全作業員の2割程度の約
1400人、このうち結果が確定したのは40人にとどまる。最も高い線量を
浴びた作業員は240・8ミリシーベルトで、うち39ミリシーベルトは内部
被ばくだった。

 東電によると、同原発のホールボディーカウンター4台は空気中の放射線量
が高すぎて正確に測定できず、使えるのは福島第2原発といわき市の東電施設、
柏崎刈羽原発の3カ所のみ。今後増設するとしているが、内部被ばくした場合、
作業に従事できないのが通例だ。県内のある下請け会社社長は「このままでは
福島の作業員が大量に失業する可能性がある」とも懸念する。

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 ■ことば
 ◇内部被ばく

 呼吸や飲食などで放射性物質を体内に取り込み、体内から放射線を浴びるこ
と。体外からの外部被ばくに比べ継続的で危険が高い。体表から10万cpm
を超す線量を検出すれば放射性物質を洗い落とす「除染」が必要とされるが、
東電は内部被ばくの恐れがあるとする目安を、ホールボディーカウンターで
1500cpm超の場合としている。大量の内部被ばくはがんになるリスクを
高める一方、時間と共に排せつされ、排せつも含めた「半減期」は成人ではヨ
ウ素131で約7日、セシウム137で約90日。

毎日新聞 2011年5月21日 東京朝刊


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NoNukeMLから 山崎久隆さん
あまりにひどい現実に、もう言葉
がありません。

 東電に、タービン建屋などの水のサンプリングを要請し、放射性物質の種類
を正確に公表するよう要請したら、「作業員の被曝を避けるためにサンプリン
グができない」と断られました。ところが一方では作業員の内部被曝を全く調
べていなかったことが明らかになっています。つまり、本当に作業員の健康を
心配していたのでは無く、恐ろしい量の放射性物質を海や空に放出し続けてい
る実態を知られたくないために計っていなかったのです。

 もうだめです。この政府は。
 別に作業員に実施させる必要はありません。
 実施主体は原子力開発機構で良いのです。どうしてそういう大事なことが実
行されないのかと思っていたら、作業員の被曝調査さえ全くしていなかったこ
とがここにきてはっきりしました。
 理由は簡単です。プルトニウムやストロンチウムなどは別としても、ヨウ素
やセシウムの体内半減期(生物学的半減期)は物理的半減期に比べて短いため、
時間と共に急激に減衰し、後々測定しても見つからないことを知っているから
です。3ヶ月くらいたってからおもむろに測定すれば、ほとんど検出限界以下
になっていることでしょう。そのため誰もが被曝をした事実を知り得ないわけ
です。時間の犯罪と言ってもいいでしょう。内部被曝が分からない以上、その
後にがんや白血病を引き起こしても因果関係は無いと言い張れます。さらにプ
ルトニウムやストロンチウムはバイオアッセイ法で無ければ内部被曝を調べる
ことも困難です。
 他の原発に仕事に行ったら、その原発で行ったチェックにひっかかったなど、
ほとんど常識外の話です。これは国の犯罪をそのまま表しています。人の命を
守るという当たり前のことが、この国の政府の中にはどうやら存在しない価値
観らしいです。原発が大事か、人間が大事か、はっきりさせようではありませ
んか。


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