「原発国民投票を!」呼びかけるカタログハウス「通販生活」TVCMを拒否、天野祐吉さんは・・・

2011-11-22 09:30:18 | 社会
> 今日(22日)早朝のNHKラジオニュースが伝えたところによると、
> 民放テレビ局が原発を題材にしたカタログハウスの広告の放送を断ったという。

この民放TV局は「テレ朝」という うわさ。

これって意見広告? [ことばの元気学]/天野祐吉のあんころじい
通販生活 2011年秋冬号 巻頭特集「原発国民投票」


もうご存知の方が多いと思うけど、このCMの放送がテレビ局で断られたんですって。
ま、テレビは政治的な意見広告を扱わないことになっているので、これを政治的な意見広告と判断したんでしょうが、さて、どうなのか。
それに対するぼくの意見(異見)は23日の「CM天気図」(朝日新聞)に書きましたので、くわしいことはまた。
http://amano.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21

通販生活


で、23日の「CM天気図」で 天野さんは・・・・

Youtubeの内容のCMを紹介し

「こういうテレビCM、見た? 」
「見た人はいない。だってテレビに流れてないんだから。」

そして 次のように解釈する

 「理由は、たぶんこうだろうね。原発問題について国民投票をやるかやらないか、そんな大きな政治的問題を、一企業の一雑誌がCMで言っちゃいけん。」

 『テレ朝』」だか他の局だか知らないけど

「意見広告だっていう判断なんだろう。 」

『通販生活』秋冬号の特集は原発国民投票。
それをCMにしたわけで「商品広告」だろうと 天野さんは続ける

「原発に反対しようとか賛成しようとか言ってるわけじゃない。それとも、原発の問題を決めるのは「電力会社でも役所でも政治家でもなくて、私たち国民一人一人」というのが意見だということなんだろうか。」
と疑問を投げる。

「もしそうなら、原発問題で国民投票をやろうよとか、そんな必要はないといったテーマが出てくる雑誌は、いっさいテレビでCMはできないことになってしまう。」

最後の一言 
「わからん。テレビの見過ぎでボケたぼくの頭ではいくら考えてもわからんので、ここはひとつ、国民投票で決めてもらうか。」

今朝の「CM天気図」タイトルは「異見広告」でした

********************

この秋、もっとも充実した「論壇」誌は「通販生活 秋冬号」(〈3〉)ではないか。/〈高橋源一郎〉暮らし変えよう 時代と戦おう(朝日11.24)
今年94歳になる老人が、30ページほどしかない小さな本を書いた。フランスで生まれたその本は200万部を超える大ベストセラーになり、世界各地で翻訳された。著者はステファン・エセル、戦争中はナチスへの抵抗運動(レジスタンス)に所属し、戦後は、外交官として国連で活躍。そんなエセルが送り出した本のタイトルは『憤れ!』だ(〈1〉)。

 エセルは、レジスタンスの生き残りのひとりとして、「遺言」のように「若者」たちに語りかける。

 ――半世紀以上前、私たちは、不正に対して戦いました。世紀を越えていま、世界はまた、経済格差や様々な差別に苦悶(くもん)しています。青年諸君、どうせなにもできやしないんだ、と諦めないでください。あなたたちをダメにしようとする全てと戦ってください。これからの時代を作るのはあなたたち自身なのです――

 エセルのことばはありふれている。若者たちから、「老人の繰り言」と一蹴されても不思議ではない。だが、彼のことばは、フランス(そして世界)を揺り動かした。その理由は何だったろう。

 深刻な経済危機にあえぐギリシャを訪ねた藤原章生は、「国がどうなろうが、知った事ではない」とストを繰り返すギリシャ人たちを「豊饒(ほうじょう)で無茶苦茶(むちゃくちゃ)な人たち」と呼ぶ(〈2〉)。いったいどうしてそんなことをするのか。彼は、76歳の監督テオ・アンゲロプロスに疑問をぶつける。

 監督は自らの生涯を振り返りつつ「いまは、戦争と比べても最悪の時代だ」と答える。「長く西欧社会は、ギリシャも含め、本当の繁栄を手にしたと信じてきた。だが、突如それは違うと気づいた……。問題はファイナンス(金融)が政治にも倫理にも美学にも、我々の全てに影響を与えていることだ。これを取り払わなくてはならない。扉を開こう。それが唯一の解決策だ」

 「扉を開こう」とは、「経済が全てに優先する、いまの暮らしを変えよう」ということなのである。

 この秋、もっとも充実した「論壇」誌は「通販生活 秋冬号」(〈3〉)ではないか。「えっ?」と思われるかも。だって、通販専門のカタログ雑誌なんだから。けれど、日本地図の上を原発マークがひしめく表紙や、そこに重ねられた「一日も早く 原発国民投票を。」という活字を見ていると、なんの雑誌だかわからなくなってくるだろう。

 中身もとびきりだ。表紙をめくると、いきなり22年前の特集記事が再掲載されている。そこでは、菅直人を相手に女性たちが「原発をつぎの選挙の争点にしてください」と申し込んでいるのである。先見の明がありすぎだ。内容もたっぷり。「原発国民投票のための勉強」では飯田哲也を筆頭として専門家がレクチャーを繰り広げ、河野太郎(〈4〉)や原子炉設計者の後藤政志(〈5〉)が、原発震災について語る。その一方で「震災報道の影で忘れかけていた6つの問題」として沖縄・普天間問題から秋葉原無差別殺傷事件までを論じている。いや、そればかりか「日本のエセル」、今年96歳反骨のジャーナリストむのたけじのインタビューまで載っている(〈6〉)。まるで論壇誌みたい。

 でも、違うところが一つある。(当然のことだが)商品のカタログが掲載されているのだ。たとえば、巻頭特集でとりあげられているのは、ガスで炊く(すなわち、電気を使わない)「かまどご飯釜」。次の特集「脱原発時代の暖かい暮し」で、推薦されているのは「カーテン内部に空気を溜(た)めて窓から逃げる熱を遮断する」「エアサンドカーテン」。さらに、その先の「メイド・イン・東北」で売っているのは、「気の毒だから買ってあげよう」ではなく「品質にこだわって」選んだ、東北の品々なのである。

 論壇誌は、その国(世界)の行く末をめぐって考え、青写真を提示する。「通販生活」にも論考や解説はある。だが、この雑誌は、それ以上のものを提供しようとしている。それは「ライフスタイルの提案」にとどまらないなにかであるように、ぼくには思えた。ちなみに、この号の「通販生活」のCМは、民放テレビ局から拒否されたそうだ。「最強の論壇誌」の証明?

 「リベラルに世界を読む」を標榜(ひょうぼう)する雑誌「SIGHT」の今季の特集は「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。」と名付けられている(〈7〉)。内容に不明確なところはなく、江田憲司が「政治と原発」を、古賀茂明が「官僚と原発」を、震災以降日本では「民主主義が成熟していない」と痛感した坂本龍一が「日本人と原発」について語っている。ほとんどすべてがインタビューで構成されているため、中身はやや粗く感じられるかもしれない。だが、この雑誌もまた、目指すところは、いわゆる論壇誌と同じではない。

 ロック雑誌を発行する会社を親元とするこの雑誌のスタイルは、ロックやポップスのあり方を模倣している。日本語で歌われる曲が、現実にしゃべられる口調を採り入れるのにも、アメリカ発の音楽であるロックが日本語を採り入れるのにも時間がかかった。政治や社会に関する議論を、学者や評論家の書くことばから「ぼくたちの口語」に取り戻してもいい頃ではないか。それは、議論の中身以上に重要なことかもしれないのである。

 ところで、「憤れ!」も「扉を開こう」も、かなりロックだと思うんだけど。

     ◇

〈1〉英語版Stephane Hessel『Time for Outrage!』から

〈2〉「『地中海から時代が変わる』か」(世界12月号)

〈3〉カタログハウス刊

〈4〉「落合恵子の深呼吸対談」(通販生活 秋冬号)

〈5〉連載「人生の失敗」〈取材・文は溝口敦〉(同)

〈6〉「私の人生を変えたあの人の言葉」(同)

〈7〉SIGHT49号(ロッキング・オン刊)





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