もし米国がイラクを最終的に立ち去るなら/【APA-JフラッシュNo.48】

2006-03-20 21:00:02 | イラク

米国が、イラクに14もの恒久基地計画。イラクの106の基地を占領し(軍司令官が新聞に語ったところによると)、将来それらの基地を4つの大きな空軍基地として合併することを計画しているという。土地の人々の意志をかえりみようとしない、覇権を握る国家の傲慢さ!計画されている基地ひとつひとつを紹介しているサイトです。  (M)
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【APA‐JフラッシュNo.48】もし米国がイラクを最終的に立ち去るなら
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もし米国がイラクを最終的に立ち去るならば、なぜ米軍はイラクに「恒久」基
地を設立するのか? 2005年5月初旬にブッシュ大統領がサインしたイラ
ク戦争への追加資金案は、「非常に限定された場合には常設の設備機関となる」
と説明された米軍のための基地の建設資金を供給している。最近の報道は、米
国はイラク─アイダホ州の2倍の大きさしかない国─に14もの恒久基地を作
ろうとしていることを示唆している。なぜ、米国はイラクに恒久基地を作ろう
としているのか?

ワシントンポストによると、2005年5月、米軍はイラクの106の基地を
占領した[注1]。軍司令官が新聞に語ったところでは、米軍は将来それらの
基地を4つの大きな空軍基地として合併することを計画していると言う。4つ
の基地とは、タリル、アル・アサド、バラド、そして、イルビールかもしくは
キアラである。

しかし、他の報道記事は、米軍がもっと多くの基地を持つ計画をしていると示
唆している。2003年4月のニューヨークタイムスの記事によれば「米国は
新イラク政府と長期の軍事関係を結ぼうとしている。この軍事関係は、ペンタ
ゴンのイラク国内軍事基地へのアクセスを認め、不安定地域の心臓部に米国の
影響を及ぼすだろう[注2]。」シカゴトリビューン紙は、米国の技術者が、
何千の米軍兵士の長期野営地として使用される14の「永続的基地」建設に力
を注いでいると報道している[注3]。

1)グリーンゾーン(バグダッド)
サダム・フセイン前大統領の主要な宮殿を含むグリーンゾーンは、バグダッド
中央に位置している。以前は連合軍暫定当局が置かれ、現在も、米国の主要な
コンサルティング会社が利用し、また、暫定的に米国大使館施設としても使用
されている。

2)キャンプ アナコンダ(バラッド空軍基地)
キャンプ・アナコンダはバラッド近郊に位置する米国の広大な補給基地である。
基地は15平方マイルに拡がり、2万人の兵士を収容する施設が建設中である。

3)キャンプ・タジ(タジ)
かつてのイラク共和国防衛隊の「軍事都市」タジは、広大な米軍基地となって
いる。敷地内に、地下鉄、バーガーキングやピザハットも備える。

4)キャンプ・ファルコン-アル-サルク(バグダッド)
2003年9月後半、第439工作部隊は、10万トン以上の砂利を運び込み、
道路、壁、監視塔や建物を含むキャンプ・ファルコンの建設に協力している。
この基地には5000人の兵士が収容される計画だ。

5)ポスト・フリーダム(モースル)
モースルにあるサダム・フセインの旧宮殿は、現在のところ第101空挺師団
の本拠地となっている。

6)キャンプ・ビクトリー ─ アル・ナスル(バグダッド飛行場)
キャンプ・ビクトリーは、バグダッド国際空港から5キロの飛行場敷地内に位
置する米陸軍基地で、最大1万4千人の兵士を収容することができる。キャン
プ・ビクトリーのアル・ファー宮殿は人造湖に囲まれており、陸軍の非公式会
議場として使用されている。

7)キャンプ マレス(モースル飛行場)
モースルの飛行場南西部に位置するキャンプ・マレスは500人収容可能の食
事施設用テントがある。2004年12月にはこの食事施設で、自爆テロが起
き、犯人と13名の米軍兵士が死亡した。

8)キャンプ・ラネゲード(キルクーク)
戦略上重要なキルクーク油田、キルクーク精油所、石油化学工場付近に位置し
ている。キャンプ・ラネゲードには最大で1664人のパイロットを収容でき
る13棟の寮がある。一部屋は6~8人収容。

9)キャンプ スペイサー(チクリート)
F/A-18戦闘機パイロットで、1991年の第一次湾岸戦争で撃墜されたマイ
ケル「スコット」スペイサーにちなんで命名される。キャンプ スペイサーは
イラク北部のチクリート付近、バグダッドから約170キロ北部に位置する。

10)キャンプ・ファッルージャ(鉄道駅?)
この基地の正確な場所と名称は確認されていない。分析家は米軍が、バグダッ
ドの西40マイルに位置する大きな町ファッルージャに「常設基地」を建設し
ていると確信している。この町はイラクで最も武力衝突が起こりやすい暴力的
な地域である。米海兵隊がこの街に対する最初の攻撃を中断した2004年4
月初旬から、「暴徒」から町が「取り戻され」た2004年11月までの間、
ファッルージャは、多くの殺人や爆撃が起こる立入禁止区域であった。

11)名前未確認(ナシリヤ)
この基地の正確な場所と名前は確認されていない。分析家は、米国がユーフラ
テス川に接するイラク南東部の州都、ナシリヤ近辺に「常設基地」を建設中で
あると確信している。

12)名前未確認(イルビールとキルクークの中間地点)

13)未確認

14)未確認

[注1]ブラッドリー グラハム
「イラクの米軍基地について、司令官の最終的合併計画」、ワシントンポスト
2005年5月22日、p A27
[注2]トム シャンカー、エリック スミス
「4つのイラク国内の重要基地への長期アクセスを求めるペンタゴン」ニュー
ヨークタイムス、2003年4月20日
[注3]クリスティーン スポラー
「イラクで14の『常設基地』が配置」シカゴトリビューン、2004年3月
23日
[注4]イラクにおける情報
http://www.globalsecurity.org からの情報に基づく。さらに多くの情報は同サイ
トへ。
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翻訳ソース:フレンズ・コミッティー・オン・ナショナル・レジストレーション
http://www.fcnl.org/iraq/bases.htm
翻訳協力:wildberry(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:笠原光 監修:APA-Jデスクチーム
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