遠い海から来たCOO(クー)景山 民夫角川書店 |
オススメ度★★★(観るものに悩んだらコレかな)
水が美しい度★★★★★
クレしん度★★★ 長身娘度★★★
江戸時代に地割れに飲まれた河童の子は、現代の子供、康一によって掘り出され、水を得て復活した。だが住みかの沼だったところにはマンションが建てられ、帰るところは無い。しばらく康一の家にやっかいになるが、本で得た情報をもとに、康一と二人で遠野へと同族探しに行くことにした。
その旅から帰ってきた二人。そこで雑誌記者に写真を撮られ、マスコミへと引っ張り出されてしまう・・・。
という「猿の惑星」でした。
目覚めるとそこはニンゲン(だけ)に支配された世界で、同族の姿はすでになく・・という。
いや、違う。コールドスリープだから「猿の軍団」か。なにするものーぞぉー♪
いやいや、フツーに面白かったデスよ。クレしん・オトナ帝国の原恵一カントクで、TV局絡みのキャラでクレしんキャストを出してましたな。ひろしとしんのすけ、そしてアクション仮面。
その直後の東京タワーですよ東京タワー! あそこで上まで登らずに、途中でデビルマンエンディングポーズになったのは、やはり「オトナ帝国」との対比で、途中で力尽きてしまったという表現なのでしょうなぁ。
康一の好きな娘、キクチさん。長身で文学少女という、ワタシもツボなキクチさん。
だが、マンションの靴イベントは、正直、ちょっとゾッとした。そうか。だから「いいの」なのか。
妹がヒジョーにええ味出してましたな。父母兄妹のやりとりで男と女の興味の違いを出したりも。
画面的には水の表現が凄ぇですよ。現代冒頭のカットは実写使ってんのかと思ったくらいで。
ストーリー自体は、まぁ「こっそり飼ってるヒミツの生き物」パートとか「キクチさんの悩み」パートとか、わりとよくあるモチーフで、目新しさは無かったんだけども、それを現在の社会との絡みで描いてるのが目新しい。湧き水がペットボトルに入って売られてるとか。
そしてソレが、現代人総携帯カメラマンという気持ちの悪いシーンにも現れる。何か起こっても、カメラマンの位置に立って取り囲むだけ取り囲んで、しかし助けの手を誰一人出そうとはしない。現代人の醜さを携帯と「キモーい」という台詞で見せたシーンは見事。キモい言うな、言うてるお前がキモいわ! みたいな。
そしてラストは、そんな現在の社会のシステムを、あいつらもちゃっかり利用してるんだよ、てな締めで落ち着かせてくれる。締めは見事でやんした。
遠野へも行ってみたいもんですがのぅ。以前に、あのあたり(もっと海岸寄りのトコ)を舞台に、TRPG「クトゥルフの呼び声」のシナリオを自作したこともありやす。もちろん河童の正体は、深き・・・・
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