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劇場を出た時、一緒に観に行った連れにこう言ってしまった。
「ヤバいです。正常な評価ができません」
そう、オイラはみさえ萌えだったのだ。
何日も経ったあげく、やっとなんとかマトモな発言ができるかな、と思ってレビューしてみる。
監督は劇場版初のムトウユージ。
みさえ度☆☆☆☆☆ ひろし度☆☆☆ アクション仮面度☆☆☆ 春日部防衛隊度:星無し 眼鏡度☆☆☆☆ 大女度☆☆☆ ネタ受け度☆☆☆☆
オススメ度☆☆☆
ある日、野原家に現れ、しんのすけの怪獣ソフビ人形に入ってしまった「未来マン」。彼は世界の崩壊を、3分間だけバイパスで避けた世界の中で修復する(具体的には現れた怪獣を倒して影響を与えなくする)ための、正義感あふれた家族を捜していたのだが・・・
しんのすけとひろしが帰宅しても姿の見えないみさえ。光の漏れる掛け軸をめくってみると、そこに都市が広がっており、怪獣と戦う魔女っ娘、プリティミサエスの姿があった。未来マンの力でみさえが変身していたと知ると、野原家の面々も交代で変身し、3分の未来を守り、現実へはリンクしないそこでモテモテになる。そこでひろしは有給を取り、みさえと出動機会を争うが、徐々に敵の怪獣も強くなり・・・
失敗だ。
失敗している。
この映画はみさえが主役の「オトナ帝国」(「オトナ帝国」はひろしが主役である。もちろんしんのすけもだが)になるべき映画だったのに・・・
みさえ萌え映画にしかならなかった。惜しい。
以下
ネタバレ注意です。
「正義」と「未来」の話である。
ならびに、「みさえ」と「しんのすけ」の話になるべきであった。
フルアニメであろう早い動画でコマネズミのように朝の支度を片づけていくみさえ。生活に疲れている主婦の、朝の孤独な戦場。
だが彼女は見つけた。憧れだった魔法少女(その憧れは「オトナ帝国」などでも語られている)に変身し、一時、夢にひたれる「3分後の世界」を。
夫や息子はその正体に気付かないまま「かわいい」と言ってくれる(それを聞いて頬を赤らめるみさえがすんげぇ萌え!)し、怪獣も魔法でチョチョイのチョイとおしおきだ。
だが戦力的なイメージの不足からか、ある時苦戦し、正体が家族にバレてしまう。夫は、この「ヒーローごっこ」に参加、パワフルな全身タイツ系ヒーローとなって活躍し、一次的にだがモテモテになることに喜びを感じ始める。
みさえも非力な魔法少女ではなく、アダルトなお姉様「セクシーみさえX」や人魚「マーメイドミサエリアス」に変身し、年相応にイケメン青年からモテる方向へと移行する。
「憧れ」のコスプレから「実益」のキャラ選択へと移ってしまう、悲しいシーン。
そう、「正義」に対する「憧れ」や「かっこ良さ」という純粋な主観から、「モテて嬉しい」という「実益」へと移行してしまうのだ。
(コスプレイヤーよ、自戒せよ!)
そして同じく熱中した夫は、有給まで取って掛け軸の前に待機し、主婦の昼間の憂さ晴らしまで奪ってしまう。対するみさえも同じく待機、家事は放棄され、家の中はボロボロ。
だが、遂に怪獣の強さが二人をしのぐ時が来た。モテる「実益」よりも失うかもしれない「命」に天秤が傾く二人。
その代わりに向かうはしんのすけ。彼の目的は「未来」。女子大生になったひまわりに友達を紹介してもらうという「現実の未来」。天秤は「命」より重く傾く。
負うた子に教えられたみさえとひろしも立ち上がる。そしてとうとう変身もせず、純粋に「未来」のためと巨大化はするものの自らの姿で戦うのだ。
「正義」と「未来」の話だと先に書いた。だが実は「正義」は語られていない。
実は生存のための戦いで、「正義」では無いのである。
そして家族にとっての「未来」を勝ち取るための最終戦であった。
今日もみさえは朝から孤独な戦いを続ける。
明日へ向かって。
野原家で。
・・・という締めがしっくり来るような映画のハズなのだが、「クレしん」という作品的な枠のせいか、有給取った夫と対抗して家事放棄、という流れを作るためか、みさえの出番がかなり中盤ひろしに食われてしまった感があって、みさえ主役感が薄れてしまっている。
いやそれよりも何よりも、しんのすけの出番がほぼクライマックスにしか無い。中盤なんか調子に乗ってるのは両親で、しんのすけの方がマジメにひまわり背負って幼稚園へ行ったりしてるのだ。(まぁソレはテーマに関わる部分なので行動的にはOKなのだが)
どうにもこう、バランスが悪い。
みさえを軸にガッチリ据えて、ひろしはもっと控えめにして「主婦の鬱屈と解放」と「幼稚園児の願う未来」でまとめれば良かったのではないかと。
実は「オトナ帝国」そのまんまのテーマなんだが。
まぁ、面白かったがちょっと残念、てな総括で。
しかし、プリティミサエスですよあーた。夫や息子が正体に気付かない、という流れからか声は福圓美里がアテてたが、ならはしみきバージョンで観たかった!
家庭に入って主婦してる女性が、憧れのフリフリでピコピコでスウィートな魔法少女に変身してドッキドキ~♪てなシチュエーションでもう萌え萌えっスよ!
しかも眼鏡っ娘だし!!(みさえXも眼鏡姉さんだったし)
あと、エンディングの怪獣図鑑で爆笑。ベタだがネーミング良し! シンエイ動画の前で戦ってたのは「タナ・シ」かぁ(笑)
クライマックス、巨大化したみさえに萌えてたのを隣で観てた桃邪気にチェックされてしまった。ちゃんとスクリーン観てなさい!(汗)