熊高OB諸君!!
……あ、いや、決して熊高関係者以外お断りというわけじゃないので皆さん読んで頂きたいのですが、ただやや内輪ネタで、かつちょっと興奮するほどの重要な問題なので、最初に呼びかけだけはさせてもらいたいのです。では改めて。
熊高OB諸君!!
わたしはかつて、生徒会誌『われら』45号(2002年度)「熊高用語の基礎知識」の「カサモ川」の項目に以下のように書いた。
カサモ(引用者注:注1)の脇を流れる準用河川新星川の、熊高付近での名。台風の時などに、しばしば氾濫する。落ちた人もいたとか。調べてみるとこの川は行田市で一部が忍川に(これも最終的には元荒川(後出)に合流)に、残りは一旦かの有名な見沼代用水と合流、菖蒲町で分かれて、蓮田市と白岡町の境で元荒川(とてもきれいな水じゃないと住めない魚ムサシトミヨ(特別天然記念物)が世界で唯一生息する川)に注いでいる。つまり中川水系。編集部では更に自転車を駆使した実走による源流調査を行ったが、残念ながら成果を得ることはなかった。分かったのは、流れている水の殆どが生活廃水であるということである。
(「熊高用語の基礎知識α(2003年度版)」『われら』45号、p. 42)
この項、わたしが携わった『われら』45号で改訂するまでは、「カサモの脇を流れる一級(?)河川。」という書き出しで始まっていた。また、「落ちた人もいたとか。」で終わる短い項目であった。幅員高々1メートル程度の小水路に興味を示す人間などまれであり、このくらいが常人には当り前の情報量であろう。しかしわたしが噛んだ以上、そのままでは済まされなかった、というわけだ。
さて、それから5年半の歳月が経って、この項目に再訂正をする必要がある可能性が浮上した。「カサモ川」という名称に関わる問題であり、特に熊高関係者には注視して頂きたい。
河川図に例の水路が「準用河川新星川」として描かれ始めるのは、熊高の南端に接する東西の道路(デリカ(注2)なんかがある道)を東に進んで、熊高の敷地を外れ、妻沼県道とぶつかる手前あたりからなのである。と文字で書いてもわかりづらいので、何たる情熱、わたくし地図まで作ってしまった。これは、例の水路が大里用水の幹線水路から分かれ、準用河川新星川・一級河川星川(注3)と身分を変えながら、元荒川に合流するまでをトレースしたものである。スケールの意外な大きさにまずはじっくり浸ってほしい。と言ってもいま問題になるのは熊高周辺の狭い範囲であるので、堪能したらぜひ「大きな地図で見る」をパチッとクリックして、左上のレストランマークの辺りをグッとズームして、ご覧頂きたい。以下、別ウィンドウに拡大地図が開いているものとして進める。
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大きな地図で見る
地図まで作って何が言いたいかお分かりであろうか。わたしがかつて、「準用河川新星川の、熊高付近での名」と書いたそのこと自体がおそらく成り立たないのだ。だって、準用河川新星川が始まるのは熊高の敷地の東端より100メートルばかり下流なんだもの。そう、あの水路のカサモ沿い・熊高沿いの辺りは、河川でなく用排水路として扱われているわけである。そして、確たる名称が無い。一応山王用水路の末流の一つということになっているが、山王地区から遠く離れ、様々な水路の末流を集めたこの区間のこの流れだけを指す言い方はおそらく無い。ここがすこぶる重要である。
名前が無い以上、「カサモ川」で良いんじゃね?
というわけである。少なくとも、赤い線でなぞった部分の、熊農の西の方を南に流れる辺りから下流は、独自の名称を与える根拠がありそうである。
まあともかく、カサモ川がどこから来てどこへ行くのか、今一度じっくりご覧になって下さい。熊高に関係ない人でも、この川の近所に住んでるマイミクさんを何人か知っていますが、その川の来し方行く末を、また同じ川が熊高生にはこのように呼ばれているということを知ってみるのもまた、おもしろいんじゃないでしょうか。
なお、先の『われら』の記事の誤謬というか舌足らずな部分はまだある。「カサモ川」が星川になってからのことであるが、「一部が忍川に合流」というのは、正しくは「一旦合流した酒巻導水路が再び分かれてそちらが忍川に合流」である。また、「見沼代用水に合流」とあるのも、そもそも見沼代用水が星川の水路を借用して作られたもので、今ではこの区間は「星川」と「見沼代用水」の二重戸籍区間となっている。
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注1:カサモ……「熊高用語の基礎知識」によれば、「創業昭和6年。(中略)熊高生がよく利用するスナック菓子・カップラーメン等の総合レストラン」。
注2:デリカ……同じく、「テニスコートの前にある弁当・総菜専門店、デリカ・パーティのこと」。
注3:星川……これがまた、熊谷市街地民にはややこしいのだが、熊谷市街の星川とはまったく別の川なんである。以前も紹介したとおり、市街地の方の星川は公式には「荒川左岸幹線用水路」であり、河川としての管理を受けていない。こっちの「星川」は、シダックスより大宮寄りで17号の下を潜って北側に出たところで「忍(おし)川」と名前を変え、ここから一級河川になる。