ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『君よ憤怒の河を渉れ』

2020-07-30 22:10:05 | 日本映画










 
そう言えば、これを今の今まで観てませんでした。1976年に公開された、佐藤純彌 監督による松竹配給の日本映画。2時間半の超大作です。

ストーリーは日本版『逃亡者』と言えば分かり易いかと思います。何者かの罠により殺人犯の濡れ衣を着せられ、自ら真犯人を捕らえる為に逃亡する主人公に高倉健、彼を執拗に追跡するやさぐれ警部に原田芳雄、逃亡を手助けするヒロインに中野良子、その父親に大滝秀治、黒幕に西村晃が扮するほか、倍賞美津子、伊佐山ひろ子、池部良、田中邦衛、岡田英次、内藤武敏etc…といった豪華キャストが集結。我らが長さん=下川辰平さんも所轄のベテラン刑事役で出演されてます。

この映画はやっぱり、高倉健さんという存在がもたらす説得力、それに尽きるんじゃないでしょうか? 刑事の原田芳雄さんが知らず知らず主人公にシンパシーを抱くのも、箱入り娘の中野良子さんが一目惚れして全てを捧げるのも、その父親が自分のセスナ機を逃走用に「くれてやる」のも、もし主役がムロツヨシさんならギャグにしかなりませんw

そもそも、主人公には検事という立派な肩書きはあるものの、彼が本当に無実であることを我々観客が信じるための根拠を、映画は何も示してないんですよね。それでも、健さんだから、無実に決まってると我々はすんなり信じちゃう。

ハリソン・フォード主演で大ヒットしたリメイク版『逃亡者』も同じことで、ふだん映画を全く観ない人がそれを観たら、主人公自身が真犯人である疑いが捨て切れず感情移入できないかも知れません。だけどハン・ソロやインディアナ・ジョーンズに魅了されて来た我々は、たとえ彼が真犯人であっても応援しちゃうw

きっと主人公は悪くない。なぜならハリソン・フォードだから。健さんだから。そこがスーパースターのスーパーたる所以。かったるい説明を省いても自然と観客を味方につけちゃう。彼に協力する刑事や箱入り娘にも共感させちゃう。ムロツヨシさんじゃそうはいきませんw

タイトルは硬派な感じだけど、これは純娯楽映画でありスター・ムービーです。チープな特撮や軽妙すぎるBGMなどツッコミどころは多々あれど、それを挙げつらうのも楽しみ方の1つです。マジメに考えちゃいけませんw

健さんだけじゃなく、やさぐれ警部の原田芳雄さんはめっぽうカッコいいし、清純派の中野良子さんはヌード(吹替えっぽいけど)と濡れ場を披露してくれてます。

なお、本作は中国でも'79年に公開され、文化大革命後に初めて公開された外国映画ということもあって観客動員数8億人(!)の大ヒット。健さんと中野良子さんはあちらでも大スターとなり、2017年にはジョン・ウー監督により『マンハント』というタイトルでリメイクもされてます。
 


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