ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ターミネーター/ニュー・フェイト』

2019-11-12 00:05:56 | 外国映画







 
2019年11月現在公開中のアメリカ映画。『ターミネーター2』以来28年ぶりにプロデュース&脚本でジェームズ・キャメロンが、そしてサラ・コナー役でリンダ・ハミルトンがシリーズ復帰し、『デッドプール』のティム・ミラー監督がメガホンを執った最新作。(以下、いくつかネタバレがあります)

キャメロンさんもハミルトンさんも参加しなかった第3作から第5作まではすっかり「無かったこと」にされ、本作こそが傑作の誉れ高い第2作の「正統な続編」とされてます。3~5も全部そのつもりで創った筈だし、もし今回コケたら次が正統な続編になるんでしょうw

だけどやっぱり、ちゃんとハミルトンさんの演じるサラ・コナーが登場すると説得力がまるで違います。T-800型ターミネーターがアーノルド・シュワルツェネッガーにしか演じられないのと同じように、やっぱりオリジナルのキャストが出てこそ正統な続編。

ただしストーリーに関しては、過大な期待はしない方が良いと思います。そもそも傑作とされる第2作からしてそうだったように、このシリーズは基本的にぜんぶ第1作の焼き直しで、同じことの繰り返しなんです。

それを象徴してるのがサブタイトル。日本では『ニュー・フェイト』と改訳されてますが、原題は『Dark Fate(暗い運命)』で、つまり何度回避したところで機械軍との戦争は必ずやって来る。

第2作で反乱コンピューター「スカイネット」を叩き潰した筈なのに、なぜまたターミネーターが現代に送られて来るのか? それは拍子抜けするくらい簡単な理由なので、書いちゃいます。要は、他のコンピューターがまた反乱を起こすからw 考えてみればもっともな話で、人類がコンピューターを造り続ける限り、同じことが起こる可能性は永遠に消えないワケです。

だから、このシリーズが商売になる限り、人類は機械軍と戦い続けるしか無いワケです。そう割りきってしまえば「過去作の死闘は一体なんだったんだ!」って、いちいち憤らなくて済む。まだまだ儲けまっせ~!って事ですねw

もちろん、そこには決して争いをやめない現実社会への皮肉もこめられてるワケです。劇中でシュワちゃんが言いました。「たとえ機械が反乱を起こさなくても、73%の確率で人類は野蛮化する」……つまり何をやってもムダってことで、身も蓋もありませんw

それはともかく今回は、未来から送られて来た強化戦士=グレース(マッケンジー・デイビス)がめちゃくちゃカッコいい! 生身の女性なんだけど瞬発的に潜在能力を全開できる言わば「改造人間」で、変身しない仮面ライダー、あるいはプロテクトしないアイアンマンみたいな設定。

ただしマメに栄養補給しないと倒れちゃうのでウルトラマン……というより『寄生獣』のミギーみたいに活動時間が制限されてる。敵の新型ターミネーターも第2作のT-1000をより寄生獣に近づけた感じだし、キャメロンさんはよっぽど岩明均さんのあの漫画がお好きなんでしょう。

そして、そのグレースやT-800よりよっぽど頼りになるのが、改造人間でもマシンでもない、今や老婆となったサラ・コナーっていうのがまた凄いw 不屈の精神に勝るものは無いってことです。

そんな彼女らが捨て身で守ろうとする女性=ダニ―(ナタリア・レイエス)は未来における救世主の母親……かと思いきや、実は彼女自身が未来のレジスタンス・リーダーだったりする。強い。女性たちが本当に強い。強すぎて怖い!w

第2作が「女性の時代」の到来を予言する映画だったとすれば、この第6作はそれがすっかり実現したことを宣言する映画。そして未来は確実に暗いけど、その中でサバイブしていく肉体と精神力さえ備えればきっと大丈夫!っていうメッセージも私は感じ取りました。

確かに、これからの時代は頭よりも身体を鍛え、サバイバル術を学ぶことの方が重要になるかも知れません。もはや破滅は避けられないんだから。

何はともあれ、いやぁ~やっぱり、アクション映画って本当にいいもんですね! つくづく実感しました。これこそが私の活力源です。

ちなみに映画館の客席は、見事にオジサンばかりでしたw 若いころ夢中になったヒーローは、いくつになってもやっぱりヒーローなんです。だからオリジナルのキャストが演じなければ意味がない。ハミルトンさんが復帰した本作は、確かに間の3作品とは別格でした。彼女が画面に登場するだけで胸が熱くなりますから。

セクシーショットは強化戦士グレースを演じた、今回の実質上の主役=マッケンジー・デイビスさん。『ブレードランナー2049』にも出ておられました。
 
コメント (4)
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