「アートで解明!空気の正体」 川口市立アートギャラリー・アトリア

川口市立アートギャラリー・アトリア
「アートで解明!空気の正体」 
3/11~5/14



川口市立アートギャラリー・アトリアで開催中の「アートで解明!空気の正体」を見てきました。

アートの立場から「くうきさんに迫る」(公式サイトより)という異色の展覧会です。一体どのようにして「くうきさん」なる存在を掴み取っているのでしょうか。

奥中章人が利用したのはポリオレフィンフィルムです。入口から行く手を阻むかのように透明な膜が広がっています。かなりごわついて、厚みもあります。係の方の案内に従い、恐る恐る膜を開けて入ってみました。


奥中章人「Inter-world-sphere」 2017年

中は小部屋です。周囲は全て膜で覆われています。触ってみると弾力があり、すぐさま押し返されました。ようは膜の中に終始、送風機で空気を送り込んでいるわけです。その空気をポリオレフィンフィルムの膜を通して触ることが出来るという作品でした。


奥中章人「Inter-world-sphere」 2017年

それにしてもかなり弾みます。うっかりしていると足元も危うくなりました。空気に包み込まれるというよりも、跳ね返されるかのようでした。

なお小部屋は指定のルートのみ行き来可能です。矢印が付いています。膜をめくっては前へと進み、左右から押し込んでくる空気の感触を味わいました。

布で空間、ひいては空気の存在を可視化させたのが大巻伸嗣です。タイトルは「Liminal Air Space-Time」。下部に設置されたファンによって布は常に上下へと動いています。


大巻伸嗣「Liminal Air Space-Time」 2017年

布の動きは予測不能。姿形をさながら自在に変えています。ふんわりと軽やかに舞ったかと思えば、くるくると回転するように下がってきます。しばらく眺めていると布自体が生動し、さながら踊っているようにも見えました。素早い身のこなしです。気持ち良さそうでした。



同種の作品は以前、森美術館の「シンプルなかたち展」(2015年)にも出展されましたが、心なしか今回の方が、よりスケールが増しているようにも感じられました。


本間純「春夏秋冬」

本間純は映像ほかコラージュで自然の景色を表現。とりわけパフォーマンス映像の「春夏秋冬」からは確かに風、ないし空気の流れを感じることが出来ました。



5月14日まで開催されています。

「アートで解明!空気の正体」 川口市立アートギャラリー・アトリア
会期:3月11日(土)~5月14日(日)
休館:月曜日。但し3月20日は開館。翌21日は休館。
時間:10:00~18:00。
 *土曜日は20時まで開館。
料金:300円。(パスポート制。会期中何度でも再入場可。)高校生以下無料。
住所:埼玉県川口市並木元町1-76
交通:JR線川口駅東口から徒歩約8分。
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