「島からのまなざし」 東京都美術館

東京都美術館
「島からのまなざし なぜ今、アーティストは島へ向かうのか」
2/19-3/7



2001年に開館したトーキョーワンダーサイト。早10年です。比較的若い世代の若手のアーティストを支援。これまでにも様々な形で作品を公開してきました。

本展のテーマはずばり「島」です。島を描き、島に滞在する。島に因んだ作品を発表する6名のアーティストを紹介します。

[出品作家]
池田晶紀、大小島真木、小松敏宏、林千歩、村上佳苗、吉田夏奈

会場内、撮影が可能でした。簡単で恐縮ですが、展示の様子を追ってみたいと思います。


小松敏宏「アーキペラコ」2014年 ガラス瓶、海水

まず床面に積まれたガラス瓶。小松敏宏の「アーキペラコ」。会場中央で何やらランドスケープを描くかのように広がる。一体何個あるのでしょうか。


小松敏宏「アーキペラコ」2014年 ガラス瓶、海水

そして瓶には水が入っている。何でも瀬戸内海で採取した海水なのだそうです。それを群島状に配する。どうでしょうか。かつて一度、瀬戸内海をフェリーで渡った時の景色を思い出しました。確かに瀬戸内海で無数に浮かぶ小島のようにも見えます。


村上佳苗「この島に生きること」2013年 ミクストメディア

村上佳苗の「この島に生きること」。これまた瀬戸内海の大三島に取材したもの。島民との共同制作で出来た作品です。


村上佳苗「還る地」2014年 キャンバス、油彩

「還る地」も目を引きます。黒を背景に浮かぶ丸い岩のような島。足元にはうねる波。その合間を人が歩いている。七色に光るのは虹なのでしょうか。空を飛んでいる人もいる。黒は宇宙の闇。とすると島はあたかも惑星のようでもあります。


吉田夏奈「城山日出峰の目」2012年 紙にオイルパステル、クレヨン

さて実際に島に移住して制作しているのが吉田夏奈。あざみ野コンテンポラリーやリクシルギャラリー他、このところ個展やグループ展を見る機会の多い作家です。私も惹かれたのはそれらの展示。依然として強く印象に残っていますが、今回は平面作品のみの展開です。単純に量的な面からすると少し物足りなかったかもしれません。


大小島真木「星の歌」(壁画)2012年 鉛筆、色鉛筆、クレヨン、紙、パネル他

今回一番好きな展示を挙げるとすれば大木島真木です。とりわけ大作の「星の歌」はなかなかの迫力。南国を思わせる密林。中央には大きな大木がそびえる。目を凝らすと何やら得体の知れない生物がいる。そして下部には鳥の羽。タッチも色彩も繊細です。さながら原始の森。そうしたイメージもわいてきました。


林千歩「You are beautiful」2011年 ビデオ、絵画、立体など

林千歩のインスタレーションが強烈です。小豆島に滞在しての作品とありましたが、映像にレリーフ状の平面も大変な存在感。まさに異彩を放っていました。

「島からのまなざし」@トーキョーワンダーサイト

ワンダーサイトの企画。なかなか本郷のスペースまではという方も多いかもしれません。私はなるべくエマージング展は追うようにしていますが、今回のように何らかのテーマを設定しての展示は意外と多くありません。次の展開にも期待したいです。

入場は無料です。3月7日まで開催されています。

「島からのまなざし なぜ今、アーティストは島へ向かうのか」 東京都美術館@tobikan_jp
会期:2月19日(水)~3月7日(金)
時間:9:30~17:30 *2/21は20時まで開館。入館は閉館の30分前まで。
休館:3月3日(月)。
料金:無料
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
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