「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5 小西紀行」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5 小西紀行」
9/21-10/20



ギャラリーαMで開催中の「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5 小西紀行」へ行ってきました。

人、あるいは家族をモチーフに、独特の激しい筆致で描く小西紀行(1980~)。

その特徴的なストロークはもちろん、眼の赤く光る人物の肖像はこれまでにも強い印象を与えてきました。

そして今回、モチーフこそ変わらないものの、表現においては確かに何かが大きく変わっています。


小西紀行「女1」2012年 油彩・キャンバス 他

ともかく驚かされるのは、以前から個性的であったうねるようなストロークが人物だけでなく、画面全体の背景にまで及んでいること。

これまではどちらかと言えば暗い背景に人物の顔なりが浮き上がるようなイメージがありましたが、本展出品のそれらの殆どは一変。背景と人物とが渾然一体、線と面で複雑に混じり合っていく様子が見て取れます。

もちろん画中の子どもたちは時に笑みを浮かべ、あどけなく可愛らしい表情を見せてはいますが、ともかくストロークはもはや暴力的なまでに勢いを帯びて画面中を交錯。


小西紀行「二人」2012年 油彩・キャンバス 他

その力強いまでのライブ感、激しい生気を感じると同時に、どこか儚さも。しばらく向き合ってると今にもモチーフが溶け出してしまうかのような恐怖感を覚えました。


小西紀行「untitled」2012年 油彩・キャンバス 他

なお作品の配置にも興味深い点があります。最奥部の一点をシンボリックなまでにやや高い位置へ掲げ、左右の壁面に作品を床面すれすれ、もしくは床面から少し上の部分に展示しています。その赤い目の親子像の取り囲まれた空間は何やら神秘的でさえありました。

「想いから産まれる形をもう少し信用する。描くということを手に戻してあげる。(中略)絵が生きている間に現状をぶち込む。線からフォルムへ、色からヴァルールへ、ラインは、軌道は繋がって行ける。可能だ。まるで彫刻を彫るような手応えと脳内色彩感覚。視たいことと描けること、手が描きたいことと出来ること。それらを同時に放つ。抑制せず、修正せず、許す。」
*2012年7月21日の制作日誌から。小西紀行展解説シートより転載。


なお小西は現在、白金のアラタニウラノのドローイング展を小品をまとめて展示中です。あわせてご覧ください。

「Drawings 加藤泉、衣川明子、小西紀行、小西真奈」@アラタニウラノ 10月6日(土)~11月3日(土)

10月20日まで開催されています。

「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5 小西紀行」 ギャラリーαM@gallery_alpham
会期:9月21日(金)~10月20日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:11:00~19:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (チャンプ)
2012-10-12 08:55:00
始めまして僕はピカソやかまちに出会って絵を描き始めました
毎日毎日ふらふらになるまで絵を描いていますよかったらホームページを
のぞいて見てください
http://www.takayuki-oekakichamp.com/
「お絵かきチャンピオン小林孝至」でも
検索できますよろしくお願いします
よかったらメール(norakuro@wind.ocn.ne.jp
)も待ってます
 
 
 
Unknown (はろるど)
2012-11-13 21:56:34
@チャンプさん

コメントありがとうございました。WEB拝見させていただきますね。
 
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