「考古展示室リニューアルオープン」 東京国立博物館

東京国立博物館・平成館
「考古展示室 リニューアルオープン」
2015/10/14~



リニューアルオープンした東京国立博物館の考古展示室を見てきました。

東京国立博物館の平成館1階に位置する考古展示室。全面刷新されたのは、1999年に平成館がオープンして以来のことだそうです。



まず入口で出迎えてくれるのは「トーハクのプリンス」(公式サイトより)こと国宝「埴輪 挂甲の武人」。鎧兜に身を包み、太刀を持って構える埴輪です。厳つい顔の表情も印象的です。やや暗がりの空間の中、クリアな照明で浮かび上がっていました。



照明が全般的に良くなりました。LED照明や有機EL照明が導入されています。ともするとこれまではややくすんでいた感もあった考古遺物が、どこか息を吹き返したかのように際立っていました。



ケースにも低反射ガラスを使用したり、同じく低反射のフィルムを貼るなど、見やすさにもこだわったそうです。考古品の造形だけでなく、細部の意匠までも、よりリアルな形で伝わってくるのではないでしょうか。



ハンズオン展示が加わったのも特徴です。例えばこの土偶のレプリカ、実際の重さを確かめるべく、持ち上げることが出来ます。これが随分と重い。予想以上に重く感じる方も多いかもしれません。



展示は通史とテーマ展示の二本立てです。向かって右の壁沿いに進むと、旧石器時代から江戸時代までの歴史を辿ることが出来ます。章ごとの解説パネルが日、英、中、ハングルの4ヶ国語で表記されていました。個々の作品のキャプションは日英の2ヶ国語のみですが、外国人観光客の増える昨今、一歩前進と言えるのではないでしょうか。



解説パネルが時代別にカラーリングされています。サインシステムもより親しみやすくなりました。



目玉でもあった埴輪の展示も一新。展示台からして変わりました。もちろん露出です。2つの展示台に埴輪がずらりと勢ぞろいしています。なお定期的に入れ替えを行っているそうです。まだ見ぬ埴輪と出会えるかもしれません。



仏教に関する考古品が充実したのもポイントです。それゆえに飛鳥時代以降の展示がかなり変わりました。確かに寺院の瓦、それに「板碑」と呼ばれる石製の塔婆など、仏教に因んだ考古品が目を引きます。また瓦では葺き方が分かるように展示方法を変更。全体的に本来の形がイメージしやすい内容となっています。



独立した展示コーナーも新設されました。名付けてVIPルームです。収められたのは僅か2点。ともに古墳時代の国宝「銀象嵌銘大刀」と重要文化財の「石人」です。ちなみに「石人」とは北部九州の墳丘に立てられたもの。埴輪の代わりだったそうです。何やらおっかなびっくり、驚いては両手を挙げるようなポーズをしています。360度の露出展示です。後ろへ回って「石人」の裏を見ることも出来ました。



ほか縄文中期の「深鉢形土器」の全12点を初めて一括で公開。これまでにはなかった考古品も登場しています。既にリニューアルから2ヶ月以上経過していますが、心なしか以前よりも多くの方が訪れているような気もしました。



東京国立博物館の考古展示室は2015年10月14日にリニューアルオープンしました。

「考古展示室 リニューアルオープン」 東京国立博物館・平成館1階(@TNM_PR
会期:2015年10月14日(水)~
休館:月曜日。ほか年末年始など休館日あり。
料金:一般620円(520円)、大学生410円(310円)、高校生以下無料。
 * ( )内は20名以上の団体料金。
 *特別展のチケットでも観覧可。
時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) 
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
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