都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「大庭大介 - The Light Field 光の場 」 SCAI
SCAI THE BATHHOUSE(台東区谷中6-1-23)
「大庭大介 - The Light Field 光の場 」
3/6-4/4
谷中に『光の森』が出現しました。絵画にて 「光のイリュージョン」 (画廊HPより引用)を生み出します。SCAIで開催中の大庭大介の新作インスタレーション個展へ行ってきました。
導入にそびえるのは『高山』です。巨大な刷毛を用いたような極太のストロークが画面を行き来し、それが稜線のような面を象って全体としての山のイメージを作り上げていきます。外からの自然光を受け止めた山々は、まさに朝陽を浴びて輝く雪山でした。絵具によって出来た光の帯は、抽象を超えた何らかの景色を確実に切り出していたようです。
奥の展示室で山の中へと入り込みます。偏光パール系(画廊HPより)の絵具はストロークから粒へと変化し、それが点描画風の『光の森』を立ち上げました。色は見る者の立ち位置や照明などによって七色にも変化し、それが光を纏って静かに点滅し出します。また点描と言っても、決してスーラのように空間の全てを埋め尽くすわけではありません。余白によって表された木の幹や枝を見れば明らかでしょう。そこには水墨画の伝統を連想させる一種の『引き』が、効果的な陰影をもたらしていました。
何枚か写真を撮らせていただきましたが、残念ながら大庭の繊細な光のカーテンは私のデジカメに収めきることが出来ませんでした。光の移ろいは全身で受け止める他なさそうです。
展示は本日で終了します。
「大庭大介 - The Light Field 光の場 」
3/6-4/4
谷中に『光の森』が出現しました。絵画にて 「光のイリュージョン」 (画廊HPより引用)を生み出します。SCAIで開催中の大庭大介の新作インスタレーション個展へ行ってきました。
導入にそびえるのは『高山』です。巨大な刷毛を用いたような極太のストロークが画面を行き来し、それが稜線のような面を象って全体としての山のイメージを作り上げていきます。外からの自然光を受け止めた山々は、まさに朝陽を浴びて輝く雪山でした。絵具によって出来た光の帯は、抽象を超えた何らかの景色を確実に切り出していたようです。
奥の展示室で山の中へと入り込みます。偏光パール系(画廊HPより)の絵具はストロークから粒へと変化し、それが点描画風の『光の森』を立ち上げました。色は見る者の立ち位置や照明などによって七色にも変化し、それが光を纏って静かに点滅し出します。また点描と言っても、決してスーラのように空間の全てを埋め尽くすわけではありません。余白によって表された木の幹や枝を見れば明らかでしょう。そこには水墨画の伝統を連想させる一種の『引き』が、効果的な陰影をもたらしていました。
何枚か写真を撮らせていただきましたが、残念ながら大庭の繊細な光のカーテンは私のデジカメに収めきることが出来ませんでした。光の移ろいは全身で受け止める他なさそうです。
展示は本日で終了します。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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そうそう、木の幹の部分のかなり疎な点描が、不思議な美しさを醸し出していました。
『引き』と言われておおいに納得です。
大庭さんの作品にいつの間にか風格が出てきて、あのお値段でもお得だなと思ってしまいました(買えませんけど~)。
>大庭さんの作品にいつの間にか風格
今回はSCAIとの相性も良かったですね。
画廊や美術館に限らず、色々な場所で見られたらと思いました。