都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「平泉 - みちのくの浄土 - 」 世田谷美術館
世田谷美術館(世田谷区砧公園1-2)
「平泉 - みちのくの浄土 - 」
3/14-4/19
中尊寺金色堂の諸仏(西北壇)を寺外で初めて公開する他、関連の仏像や資料などで「平泉の魅力」(ちらしより引用)を紹介します。世田谷美術館で開催中の「平泉 - みちのくの浄土」へ行ってきました。
一度の展示替え(現在は後期)を挟むものの、多数の国宝や重文を含む、全200点余りの仏教彫刻や文物が集う展覧会です。(出品リスト)展示は通常、常設などが開催される同館2階フロアにまで続いています。展示品は当時の仏像から現在の民族資料と、時代を問わず幅広く揃いますが、主観ながらも見所は以下の三点に集約されるような気もしました。
「中尊寺金色堂西北壇壇上諸仏全11体」
ハイライトはいきなり冒頭に登場します。史上初めて寺外で展示される金色堂内西北壇諸仏は、眩いばかりの金色の光を放って並んでいました。図版などで見るよりもはるかに小さな仏様であるというのが率直な印象です。全体としての仏像に過度な動きはなく、増長天と持国天でさえ控えめに拳を振り上げていました。
「福島・勝常寺の四天王立像、及び岩手・天台寺所蔵の聖観音菩薩立像」
金色堂諸仏に続く第1章では、東北地方各地に伝わる仏像が10数体紹介されています。ガラスケースなしの剥き出しでの展示です。まるで円空仏を思わせるような温かみのある造形が印象的な聖観音菩薩様には癒されました。
「紺紙金銀字一切経」
紺紙の一切経をこれほど多く見たことはありません。金と銀にて交互に書かれた端正な文字は美しく、各見出し部分の絵の保存状態も極めて良好でした。
世界遺産登録が見送られたニュースも記憶に新しい平泉界隈ですが、本展示はその再挑戦を期しての企画でもあったようです。(登録されていたらやはり記念展になっていたのでしょうか。)由来、また仏像についての解説などもなかなか丁寧に紹介されています。ジュニアガイドも良く出来ていました。
(会場外、撮影可能の「金色堂復元模型」。縮尺は5分の1でした。)
先週末に行きましたが、ちょうど砧公園とのお花見と重なっていたのかもしれません。館内は多くの人で賑わっていました。
19日まで開催されています。
「平泉 - みちのくの浄土 - 」
3/14-4/19
中尊寺金色堂の諸仏(西北壇)を寺外で初めて公開する他、関連の仏像や資料などで「平泉の魅力」(ちらしより引用)を紹介します。世田谷美術館で開催中の「平泉 - みちのくの浄土」へ行ってきました。
一度の展示替え(現在は後期)を挟むものの、多数の国宝や重文を含む、全200点余りの仏教彫刻や文物が集う展覧会です。(出品リスト)展示は通常、常設などが開催される同館2階フロアにまで続いています。展示品は当時の仏像から現在の民族資料と、時代を問わず幅広く揃いますが、主観ながらも見所は以下の三点に集約されるような気もしました。
「中尊寺金色堂西北壇壇上諸仏全11体」
ハイライトはいきなり冒頭に登場します。史上初めて寺外で展示される金色堂内西北壇諸仏は、眩いばかりの金色の光を放って並んでいました。図版などで見るよりもはるかに小さな仏様であるというのが率直な印象です。全体としての仏像に過度な動きはなく、増長天と持国天でさえ控えめに拳を振り上げていました。
「福島・勝常寺の四天王立像、及び岩手・天台寺所蔵の聖観音菩薩立像」
金色堂諸仏に続く第1章では、東北地方各地に伝わる仏像が10数体紹介されています。ガラスケースなしの剥き出しでの展示です。まるで円空仏を思わせるような温かみのある造形が印象的な聖観音菩薩様には癒されました。
「紺紙金銀字一切経」
紺紙の一切経をこれほど多く見たことはありません。金と銀にて交互に書かれた端正な文字は美しく、各見出し部分の絵の保存状態も極めて良好でした。
世界遺産登録が見送られたニュースも記憶に新しい平泉界隈ですが、本展示はその再挑戦を期しての企画でもあったようです。(登録されていたらやはり記念展になっていたのでしょうか。)由来、また仏像についての解説などもなかなか丁寧に紹介されています。ジュニアガイドも良く出来ていました。
(会場外、撮影可能の「金色堂復元模型」。縮尺は5分の1でした。)
先週末に行きましたが、ちょうど砧公園とのお花見と重なっていたのかもしれません。館内は多くの人で賑わっていました。
19日まで開催されています。
コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )
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松川公民館の頭のない仏像や飛天、成島毘沙門堂の伝吉祥天立像も良かったですね。
中尊寺や毛越寺は行っても、なかなか行けない所の仏像の展示がうれしくて、初日と10日に行きました。
会期が短いのが惜しい!
>東博の「一木にこめた祈り」展
何と!それは気がつきませんでした。魂の伝わる仏様でしたよね。
>中尊寺や毛越寺は行っても、なかなか行けない所の仏像の展示
これほど揃うことはもうないかもしれませんね。
中尊寺はもう10年以上前に一度だけ行ったことがありますが、
その時の記憶もよみがえりました。
>会期が短い
そうでしたね。何か理由があるのでしょうか?
と思っていたのですが、そうではなさそうで安心しました。
同時期に日本の至宝の仏像たちが都下に集結しているのですね。
贅沢な話やな~♪
金ぴかだけでなく、模型でしたが螺鈿の美しさにもときめきました。
平泉に旅したい気持ちになりますね。
こんばんは。
>安心しました。
結構混雑していましたね。世田谷に着いたのは4時過ぎでしたが、それでも館内は熱気に溢れていました。
みちのくの土着の仏様に惹かれました。現地でも拝見したいものです。
@遊行さん
こんばんは。こちらにもありがとうございます。
>同時期に日本の至宝の仏像たちが都下に集結
そうでしたね。やはり仏像ブームのようなものが来ているのでしょうか。本当にこの手の展示が多いような気がします。
>模型でしたが螺鈿の美しさ
そうでしたね。光り物系がまたとても見応えありました。
はろるどさんの鑑賞の三つのポイントが、自分と一致していたのでうれしいです。
平泉の文化財はもちろん、みちのくの仏像も一堂に集結していて、ボリューム感ある内容でした。
世界遺産登録に向けて、阿修羅展みたいに、いろいろ盛り上がる企画を立てて欲しかったですね。平泉格安ツアーとかあったら行ってみたいです。
>はろるどさんの鑑賞の三つのポイントが、自分と一致していた
それは私も嬉しいです。中でもお書きになられているみちのくの仏様が一番素敵だなと思いました。それに経典も眩いくらいの輝きでしたね。あの一角は興奮してしまいました。
>阿修羅展みたいに、いろいろ盛り上がる企画
宣伝はさすがに阿修羅ほどではありませんでしたね。
ただ世田谷美としてはあまり例のないほど力の入った展示だなと思いました。(ショップも普段の倍はありました。)
>平泉格安ツアー
それは良いでしょうね。私も再訪したいです。