「神坂雪佳 - 京琳派ルネサンス - 」 細見美術館

細見美術館京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
「神坂雪佳 - 京琳派ルネサンス - 」
9/22-12/16



日本橋高島屋で見た展示の記憶がまだはっきりと残っています。明治より昭和にかけて京都で活躍し、主に光悦や光琳らの京の琳派を装飾芸術として復興させた(ちらしより引用。一部改変。)、神坂雪佳(1866-1942)の回顧展です。絵画、染物、陶器、それに図案など、全100点以上の作品にて雪佳の活動を辿ります。



上に挙げた「四季草花図屏風」など、まさに琳派の王道を往く絵画にも雪佳の魅力がありますが、やはり彼の真骨頂はデザイナーとしての活動にあるのだと思います。実際、雪佳は京都市立美術工芸学校の教諭をつとめた上、理想とする工芸をつくるべく「佳美会」という組織もつくり、琳派の図案、装飾の研究活動に勤しんでいました。この展示でも様々な文物にて、そのような雪佳のデザイナーとしての制作を知ることが出来ます。順路でいうと、ちょうど後半部分、「生活を彩る - 工芸図案家として - 」と「意匠・図案 - 雪佳デザインの世界 - 」です。



高島屋での展示の印象と重なってしまいますが、雪佳の画、清水六兵衛作による器が大変に魅力的です。朱に燃える赤樂に夕焼けの白波を大胆なデフォルメで描いた「波の図 赤樂茶碗」と、まるで豆のような形をした皿に流水紋を緩やかに配した「水の図 向附皿」はいつ見ても惹かれる良さを感じます。ともに仰々しさのない、素朴とも言えるデザインが、普段、日常で使いたくなるような親しみ易さも演出しているようです。

雪佳の制作が室内装飾はおろか、作庭にまで及んでいたとは知りませんでした。また大正4年の光琳200回忌には、雪佳図案による道具類がいくつも制作されていたのだそうです。そもそも雪佳は琳派の中でも光悦と光琳に大変な思いを寄せていますが、この辺の行は同じく光琳に傾倒していた抱一のそれを伺わせるものがあります。私淑のみで繋がり行くという、琳派ならではの独特の結びつきです。

もちろん高名な「金魚玉図」も展示されています。実際は、丸く吊るした鉢の中で金魚が泳ぐ様を描いたものですが、どう見ても金魚が月から降りてくる、さながら金魚来迎図とも言えるような作品に思えてなりません。微笑ましく、また意匠に斬新なこの作品は、もはや近代の琳派の代表作としても位置付けられるのではないかと感じました。

作品の数割が入れ替わっています。12月16日までの開催です。(10/26)
コメント ( 8 ) | Trackback ( 4 )
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コメント
 
 
 
高島屋 (さちえ)
2007-11-17 00:14:03
高島屋のお歳暮の広告は今年も雪佳ですね。
今朝の新聞広告を見て「おっ」と言ってしまいました。
細見美術館は京都先発隊の皆さんのレポを読まなければ行ってなかったと思います。
建物そのものもすごく素敵でした。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2007-11-17 01:27:38
さちえさんこんばんは。
高島屋は毎年雪佳ですよね。電車の中で宣伝を見る度に私も反応してしまいます。可愛らしいです。

>建物そのものもすごく素敵でした

不思議な感じですよね。扉を開け閉めして、何だか探検しているような気分になりました。今度はカフェも試したいです!
 
 
 
Unknown (Tak)
2007-11-17 14:11:05
こんにちは。

高島屋で受けたガツンとやられるような
衝撃は今回は「慣れた」せいかありませんでしたが
より細かな部分を探れたように思えました。
 
 
 
Unknown (はな)
2007-11-17 21:59:08
こんばんは
この展示は若冲のときに上洛した折に細見を訪れたときにもらったちらしをみてから「いければなあ~」と思っていたものなので、今回、永徳展とタイミングがうまくあって、大喜びで行ってきました!
ミュージアムショップも素敵な感じで、楽しい美術館ですよね!
 
 
 
Unknown (遊行七恵)
2007-11-17 23:14:51
こんばんは
気持ちよく眺めることの出来る美術館で、静かに雪佳を楽しむ…いいですよね♪

ここの建物の一番階下から天を見上げると、いつもオランダ映画「さまよえる人々」のことを思い出します。言葉にできないほど、好きな空間です。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2007-11-17 23:40:40
@Takさん

こんばんは。早速のTBをありがとうございます。
今回は私も比較的落ち着いてみられました。前回はともかく明治にこんな絵師がいたのか!と興奮してしまいましたので…。

雪佳デザインの器で一度食事をいただきたいですね。


@はなさん

こちらにもありがとうございます。

>ミュージアムショップも素敵な感じで、楽しい美術館ですよね!

凄い充実していますよね。
ミュージアムショップと会場の滞在時間が同じくらいだったかもしれません。今度はカフェに茶室も堪能したいです!


@遊行さん

こんばんは。

>一番階下から天を見上げると、いつもオランダ映画「さまよえる人々」のことを思い出します。

なるほど!私が行った時はちょうど雨が降っていたのですが、まさに奈落の底から見るオランダ人の気分かもしれません。願わくばゼンタに出会えればなどと余計なことも思ってしまいますが…。
 
 
 
細見美術館 (とら)
2007-11-18 19:10:07
あの雨の日。ほとんど同じ時刻にこの美術館にいたのですから驚きです。奇麗なものをたくさん見られました。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2007-11-19 00:40:02
とらさんこんばんは。
展示室を行き来するのに一端外へ出るのが面白いですよね。
さすがに雨には濡れませんでしたが、不思議な建物だなと心底思いました。

細見のコレクションは一度まとめて拝見したいなと思います。
 
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