『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館

東京都美術館
『フィン・ユールとデンマークの椅子』
2022/7/23~10/9



1912年にデンマークで生まれたフィン・ユールは、25歳にして家具職人組合の展示会に初出品を果たすと、戦後はアメリカへと活動を広げ、家具デザインだけでなく、建築家としても幅広く活躍しました。

そのフィン・ユールとデンマークの家具デザインの変遷をたどるのが『フィン・ユールとデンマークの椅子』展で、会場には国内外の美術館、および個人蔵による椅子を中心としたさまざまな作品が展示されていました。



まず前半は「デンマークの椅子」と題し、デンマークデザインのはじまりからコーア・クリント、さらに多くのデザイナーによる椅子が並んでいて、一部は撮影することも可能でした。



クリントに学んだアクセル・ベンダー・マドセンとアイナー・ラーセンによる『メトロポリタンチェア』は、革張りの大きな背がカーブを描くのが特徴的で、メトロポリタン美術館が購入したことからこのように名付けられました。



グレーテ・ヤルクの『ブライウッドチェア』は、折り紙で作られたようなユニークなかたちをしていて、シンプルながらも軽快な印象を与えていました。



こうした椅子に続くのが後半の「フィン・ユールの世界」で、フィン・ユールの業績をたどりながら、「彫刻のような椅子」とも評される椅子の造形などが紹介されていました。



『イージー・チェア No.45』は、フィン・ユールの代表作として知られる作品で、とりわけゆるやかな曲線を描く肘掛けが魅力的に思えました。どことなくシートが浮かんでいるような軽やかさも特徴といえるかもしれません。



フィン・ユールが建てた自邸についての展示も見どころだったのではないでしょうか。1942年、父の死によって得た遺産を元に自邸を建設したフィン・ユールは、かつてはオフィスを別に設けていたものの、1966年以降は仕事場兼住居として生涯に渡り住み続けました。



一連のフィン・ユールに関する資料で特に魅力的だったのは、彼の描いた展示会のための平面図や立体図でした。いずれも極めて精細に室内空間を表していて、複製ながらも色合いのニュアンスなどに心を引かれました。



ラストのコーナーでは「デンマーク・デザインを体験する」と題し、デンマークのデザイナーらの手がけた椅子へ実際に座ることができました。



各デザイナーの創意工夫の凝らされた椅子に触れながら、座り心地を試すのも面白いかもしれません。



会期も残すところ1ヶ月を切りましたが、会場内は思いの外に盛況でした。また同時開催中の特別展「ボストン美術館展 芸術×力」のチケットを提示すると観覧料が300円引きとなります。(1名1回限り)


10月9日まで開催されています。

『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館@tobikan_jp
会期:2022年7月23日(土)~10月9日(日)
時間:9:30~17:30
 *毎週金曜日は20時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。ただし8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開館。9月20日(火)。
料金:一般1100円、大学生・専門学校生700円、65歳以上800円、高校生以下無料。
 ※オンラインでの日時指定予約制。
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
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