『企画展「銘仙』 埼玉県立歴史と民俗の博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館
『企画展「銘仙』
2022/10/15~12/4



埼玉県立歴史と民俗の博物館で開催中の『企画展「銘仙』を見てきました。

平織の絹織物を指す銘仙は、関東地方の養蚕業や織物業が盛んな地域で生産され、技術の発達によって作られた模様銘仙は、大正から昭和にかけて大きく流行しました。

そうした銘仙の魅力を紹介するのが『企画展「銘仙』で、会場では銘仙の優品とともに、養蚕・製糸道具をはじめ、糸に色付けする捺染(なっせん)と呼ばれる道具から現代の新作銘仙などが公開されていました。


右手前『着物 黒地花文様銘仙』

まず冒頭では「銘仙ってどんなきもの?」と題し、銘仙の歴史やほぐし織といった織り方、また併用絣と呼ばれる技法について紐解いていて、いわば銘仙のイロハを学ぶことができました。


左『着物 薔薇文様銘仙』

元は「太織」と呼ばれる丈夫な織物である銘仙は、江戸時代の後半には広く流通していて、当初は縞や無地の柄が主流でした。しかし明治40年代、ほぐし織と呼ばれる技法が確立すると、色鮮やかな銘仙が作られるようになり、多くの女性たちに親しまれました。ちなみに銘仙とは当初、緻密な織物を意味する目専などに由来し、明治以降、百貨店で販売されると、当て字として銘仙と称されるようになりました。


右:『着物 玉虫地篠竹文様銘仙』

このほぐし織の銘仙のうちの1つである玉虫織とは、経糸と緯糸に補色や反対色などの異なる色を使うことにより、光沢感のある質感に仕上げる技法で、主に埼玉県の秩父が得意としていた技法でした。このほか、群馬県の伊勢崎では併用絣や緯総絣、また栃木県の足利では半併用絣などが用いられるなど、産地によってさまざまな技法が生み出されました。


『企画展「銘仙』展示風景

これに続くのが銘仙の生産過程をたどるコーナーで、主に秩父地域ゆかりの生産用具などが展示されていました。蚕種箱に桑扱き台にはじまり、捺染糸や実際に使われた型紙なども、興味深い資料だったかもしれません。


左『着物 楓文様銘仙』

ラストでは昭和時代から近年作られた銘仙までが一堂に介していて、色とりどりに染まった銘仙を目で楽しむことができました。


右『着物 浅葱地ヨット文様銘仙』

ここでは伝統的な麻の葉の模様を大胆にデザインあしらったものや、街灯ランプやヨットの模様、はたまた鶴といった吉祥柄の銘仙などが並んでいて、実に多様なデザインを見ることができました。


左『着物 薔薇文様銘仙』

銘仙は日常的な装いでありながら、人の成長にあわせてハレの日を飾る着物としても用いられて、まさに幅広い生活シーンに取り入れられた装いでもありました。


「秩父銘仙」ポスター 昭和時代

質量ともに銘仙展の決定版としても差し支えないかもしれません。想像以上に充実した展示でした。


埼玉県立歴史と民俗の博物館 常設展示室

なお埼玉県立歴史と民俗の博物館は、本展を終えると大規模改修工事のため、来年秋頃を目処に休館します。


埼玉県立歴史と民俗の博物館 常設展示室

埼玉県の歴史を豊富な資料にて紹介する常設展を含めて、長期休館前の見納めとなりそうです。


一部を除いて展示室内の撮影も可能です。まもなく会期末です。12月4日まで開催されています。

『企画展「銘仙』 埼玉県立歴史と民俗の博物館@saitama_rekimin
会期:2022年10月15日(土)~12月4日(日)
休館:月曜日。但し11月14日は開館。
時間:9:00~16:30。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般400(250)円、高校・大学生200(150)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4-219
交通:東武アーバンパークライン(野田線)大宮公園駅より徒歩5分。
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