2018年11月に見たい展覧会〜さわひらき・辰野登恵子・ロマンティック・ロシア

関東では朝晩も冷え込み、ようやく秋の気配が濃くなって来ました。10月の展覧会では、「ムンク展」(東京都美術館)が開始早々より人気を集め、土日には入場待ちの列も発生しました。そのほか、口コミなどで話題となったのか、間もなく会期を終える「小原古邨展」(茅ヶ崎市美術館)が、かなりの盛況となっているようです。

11月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「MOTサテライト 2018秋 うごきだす物語」 清澄白河エリアの各所(~11/18)
・「白磁」 日本民藝館(~11/23)
・「林原美術館所蔵 大名家の能装束と能面」 渋谷区立松濤美術館(~11/25)
・「超えてゆく風景」 ワタリウム美術館(~12/2)
・「生誕110年 東山魁夷展」 国立新美術館(~12/03)
・「村上友晴展 ひかり、降りそそぐ」 目黒区美術館(~12/6)
・「開館15周年 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」 パナソニック汐留ミュージアム(~12/9)
・「さわひらき 潜像の語り手」 KAAT神奈川芸術劇場(11/11~12/9)
・「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」 横浜美術館(~12/16)
・「江戸絵画の文雅―魅惑の18世紀」 出光美術館(11/3~12/16)
・「新・桃山の茶陶」 根津美術館(10/20~12/16)
・「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building」 東京オペラシティアートギャラリー(~12/24)
・「神々のやどる器―中国青銅器の文様」 泉屋博古館分館(11/17~12/24)
・「言語と美術―平出隆と美術家たち」 DIC川村記念美術館(~2019/1/14)
・「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」 東京都庭園美術館(~2019/1/14)
・「列島の祈り―祈年祭・新嘗祭・大嘗祭―」 國學院大學博物館(11/3~2019/1/14)
・「生誕135年 石井林響展 千葉に出づる風雲児」 千葉市美術館(11/23~2019/1/14)
・「カタストロフと美術のちから展」 森美術館(~2019/1/20)
・「霧の抵抗 中谷芙二子」 水戸芸術館(~2019/1/20)
・「辰野登恵子展」 埼玉県立近代美術館(11/14~2019/1/20)
・「皇室ゆかりの美術―宮殿を彩った日本画家」 山種美術館(11/17~2019/1/20)
・「吉村芳生 超絶技巧を超えて」 東京ステーションギャラリー(11/23~2019/1/20)
・「扇の国、日本」 サントリー美術館(11/28~2019/1/20)
・「建築 × 写真 ここのみに在る光」 東京都写真美術館(11/10~2019/1/27)
・「ブルーノ・ムナーリ―役に立たない機械をつくった男」 世田谷美術館(11/17~2019/1/27)
・「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」 Bunkamura ザ・ミュージアム(11/23~2019/1/27)
・「いわさきちひろ生誕100年 Life展 作家で、母で つくる そだてる 長島有里枝」 ちひろ美術館・東京(11/3~2019/1/31)
・「大千住 美の系譜―酒井抱一から岡倉天心まで」 足立区立郷土博物館(~2019/2/11)
・「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」 21_21 DESIGN SIGHT(11/2~2019/2/24)

ギャラリー

・「木学 XYLOLOGY 起源と起点」 旧平櫛田中邸・アトリエ(~11/11)
・「匠の森」 ポーラ ミュージアム アネックス(11/9~11/18)
・「日本のアートディレクション展 2018」 クリエイションギャラリーG8(~11/22)
・「Art Direction Japan 2018展」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~11/22)
・「森淳一展 山影」 ミヅマアートギャラリー(~11/24)
・「吉野石膏美術振興財団在外研修助成採択者成果発表展 めざめるかたちたち」 スパイラルガーデン(11/14~11/26)
・「名和晃平 Biomatrix」 SCAI THE BATHHOUSE(~12/8)
・「風間サチコ 予感の帝国」 NADiff a/p/a/r/t(11/9〜12/9)
・「桑山忠明」 タカ・イシイギャラリー東京(11/22~12/22)
・「田根剛|未来の記憶」 TOTOギャラリー・間(~12/23)
・「絵と、 vol.4 千葉正也」 ギャラリーαM(11/10~2019/1/12)
・「鈴木理策 写真展:知覚の感光板」 キヤノンギャラリーS品川(11/28~2019/1/16)
・「それを超えて美に参与する 福原信三の美学」 資生堂ギャラリー(~2019/3/17)

まずは現代美術です。KAAT神奈川芸術劇場にて「さわひらき 潜像の語り手」がはじまります。



「さわひらき 潜像の語り手」@KAAT神奈川芸術劇場(11/11~12/9)

同展は、KAAT神奈川芸術劇場の「美術とパフォーミングアーツの新たな交差点『KAAT Exhibition』」(公式サイトより)の一環として行われるもので、期間中、映像作家のさわひらきの作品を中心に、ダンサーの島地保武・酒井はなの新作ダンスや、パフォーマンスイベントなどのプログラムが展開されます。


よって単なる個展ではありません。11月23日から25日にかけては、「KAAT EXHIBITION 2018」と題し、「さわひらき×島地保武『siltsーシルツ』」(別料金)が開催されます。また11月17日には、展覧会チケットのみで観覧可能な「島地保武×環ROY×鎮座DOPENESS」も開かれます。そのタイミングを狙って出かけるのも良いかもしれません。

一度、回顧展に接したいと思っていました。画家、辰野登恵子の展覧会が、埼玉県立近代美術館で開催されます。



「辰野登恵子展」@埼玉県立近代美術館(11/14~2019/1/20)

1950年に長野県の岡谷に生まれた画家は、1970年代にドットやストライプなどのパターンを用い、版画を制作し、のちに油彩へ移っては、独自の抽象表現を追求し続けました。


その辰野の画業を、油彩30点を含む、約220点の作品にて俯瞰する展覧会です。中でも版画やドローイングなどの紙の仕事に着目していて、あまり見る機会の少なかった初期のシルクスクリーン版画連作も多く出展されます。辰野の油彩画は、国立新美術館の「与えられた形象 辰野登恵子/柴田敏雄」(2012年)でも見る機会がありましたが、今回の展示では、辰野の知られざる制作を見ることが出来そうです。

おおよそ4ヶ月間の施設改修工事を終え、再び文化村に展覧会がやって来ました。Bunkamura ザ・ミュージアムにて「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」が行われます。



「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」@Bunkamura ザ・ミュージアム(11/23~2019/1/27)

これは約20万点もの所蔵作品を誇る、ロシアの国立トレチャコフ美術館より、主に19世紀後半から20世紀にかけてのロシアの絵画を紹介する展覧会で、クラムスコイ、シーシキン、レヴァタン、レーピンらの作品が約70点ほど公開されます。


中でもクラムスコイの女性をモチーフとした「忘れえぬ女」や「月明かりの夜」、それにともにロシアの自然を表したシーシキンの「雨の樫林」やバクシェーエフの「樹氷」に注目が集まるのではないでしょうか。また初来日作品も多く出展されるそうです。ロシア絵画の魅力に接する良い機会となりそうです。

それでは11月もどうぞ宜しくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )