「柴田敏雄写真展:Bridge」 キヤノンギャラリーS

キヤノンギャラリーS
「柴田敏雄写真展:Bridge」 
3/31~5/17



キヤノンギャラリーSで開催中の「柴田敏雄写真展:Bridge」を見てきました。

「構造物」(チラシより)を撮影しては、人間が自然の中に作り上げる景色を切り取る写真家の柴田敏雄(1949~)。かつて都内では2009年に東京都写真美術館で個展を開催。また2012年には国立新美術館で「与えられた形象」と題し、画家の辰野登恵子との2人展に参加したこともありました。

今回、被写体となったのは橋です。とはいえ、不特定多数の橋ではなく、ある特定の橋に限られます。

と言うのも、とある建築家の依頼を受けたからです。柴田はおおよそ3年前、ベルギーのローラン・ネイに、自作の橋の写真を「作品化」(チラシより)出来ないかと持ちかけられました。

そもそも柴田はかつてベルギーに住んでいたことがあったそうです。その意味では幾分は土地勘があり、また縁もあったのでしょう。ベルギーほか、ルクセンブルク、オランダなどに点在するローラン・ネイ設計の橋を写し出しています。

柴田のカメラを通すと橋自体が何かのオブジェのようになって浮かび上がってきます。橋の「かたち」が強く際立ってくるとも言えるかもしれません。屈曲し、大きく宙を割き、また影を伸ばしては、風景に介在するいくつもの橋。フォルムは力強いまでに迫り、色彩もクリアに輝いています。橋の「かたち」の生み出す躍動感を感じたのは私だけでしょうか。そして美しい。特にチラシ表紙にもある夜の橋の作品が魅惑的でした。闇から強いライトを受けては眩しいまでにせり上がる橋は、さも何らかのモニュメントのように堂々と空間を支配してもいます。

柴田は本プロジェクトに際してデジタルカメラを用いたそうです。デジタルカメラの写真を発表するによる初めての大規模な展覧会でもあります。

ランドスケープー柴田敏雄 2008~2009」

キヤノンギャラリーは日曜と祝日がお休みです。GW中のお出かけの際はご注意下さい。



5月17日まで開催されています。

「柴田敏雄写真展:Bridge」 キヤノンギャラリーS
会期:3月31日(木)~5月17日(火)
休廊:日・祝日。及び4月30日(土)。
時間:10:00~17:30
料金:無料
住所:港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1階
交通:JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行線品川駅より徒歩約10分
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