「DREAM of the SKULL」 山本現代

山本現代港区白金3-1-15 3階)
「DREAM of the SKULL」
1/19-3/1



白金へと移転した山本現代のオープニング展です。西尾康之、田中圭介、大竹司、松宮硝子の4名のアーティストが、絵画やオブジェなどを展開しています。

まず目に飛び込んでくるのは、国立国際美術館(大阪)の「現代美術の皮膚」でも見応えのあった、西尾康之の三点の巨大顔像です。まるで大木から切り出した古代の神像のような顔が、大きな眼を見開き、来場者を待ち構えるかのようにして立っています。また、その素材は樹脂によりますが、彼らを照らし出すフラッシュとの奇妙なミスマッチにも特異性を感じました。人跡未踏の地に、かつての文明の名残を見せるかのようにして立つモニュメント、とも言えるのかもしれません。

奥のスペースでは松宮硝子のズバリ、ガラスを用いたオブジェ群が展開されています。ガラスを粒状に砕いて出来た、例えば砂漠とも雪原とも見える大地に、何やら奇怪なガラスの生き物がこちらを向いてぽっかりと口を開けていました。全体では生け花をイメージさせるような美感もたたえていますが、その先に見えてくるこのようなシュールなモチーフがなかなか魅力的に思えます。

まるで会場を支える柱のように立つのが、「気道」と名付けられた田中圭介の作品です。高さは約3メートルほどあろうかという細い柱状の立体には、天空へ向かってそびえ立つ、一つの世界のジオラマが象られています。下から見上げるようにして、その木立、またはビル群、そして小さなほこら、さらには道路などを楽しみたいところです。

(目印は『足』です。)

ここ山本現代の他、児玉画廊(同ビル1階)、そして高橋コレクション白金(同ビル2階)も白金へと移転しています。場所は、ともに白金高輪駅より続く小さな商店街を抜け、首都高の高架を右手に進んだ渋谷川沿いの雑居ビルです。(駅からは10分とかかりません。)その他の展示についてはまた別エントリにて触れたいと思いますが、各ギャラリーともスペースが以前より広くとられていました。今後のさらなる活動に期待も出来そうです。(展示風景の写真等はTAB内ブログにあり。)

3月1日まで開催されています。
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