SCAI THE BATHHOUSE 「長島有里枝展 -Candy Horror-」

SCAI THE BATHHOUSE(台東区谷中)
「長島有里枝展 -Candy Horror-」
2004/12/17~2005/2/5

こんにちは。

先日芸大美術館へ行ってきた際に、SCAIの展覧会も観てきました。写真家の長島有里枝さんの個展です。ところで、前にSCAIへ行った時も思いましたが、このギャラリーは本当に良い雰囲気を持っています。趣きがあるとでも言えるでしょうか。銭湯跡がこんなに素敵なアート空間となるとは、思いもよりませんでした。こういう建物は、今後も大切に使わなくてはいけませんね。

会場には、彼女がここ四年間の間に撮ったという、約30点ばかりの写真が並んでいました。私は長島さんのこと殆ど存じ上げないので、偉そうなことは言えませんが、この方、被写体に人間を持ってくると、断然に作品が面白くなるようです。

特に素晴らしいと思ったのは、確か会場で最も大きな作品であった、妊婦(ご本人?)の姿を写した作品です。世の中を斜めに見ているのではないかと思ってしまうような、やや挑戦的な眼差しを光らせる女性が、少々淫らな印象を受けるような姿で、どーんと大きくと写っています。あまりにもすごい存在感なので、思わず後ずさりをしてしまうか、目を背けてしまいそうになりますが、そこを我慢してしばらく見ていると、あら不思議!この女性の中に飛び込んで、抱きついてしまいたくなるような、何やら奇妙な感覚がこみ上げてくるのです。(ちょっと危ない感想かもしれません…。)

人間を写した他の作品(決して全身だけではありません。足だけを取り上げた作品もありました。)も、被写体への切り込み方が上手く、実に鮮やかな切り口を持って写真を見せてくれます。被写体に特に珍しいものがあるわけではないのに、その切り口や語り口だけで写真を面白くする。この方の才能を感じました。面白い方です。

上にも書いた、私が一番素晴らしいと思った作品は、既に売り切れでした。(と言いましても、とても手の出ない金額でしたが。)正直申しまして、風景を撮ったような作品からは面白みを感じなかったのですが、人間を切り取りそこにストーリーをつけ、それを写真にする力は凄いものがあると思います。

長島さんご本人のサイトを発見しました。リンクフリーと言うことなので、ここにはらさせて頂きます。
長島有里枝のデンシコソダテツウシン
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