東京・春・音楽祭 「パルジファル」ネット配信

3月中旬より4月にかけて上野で開催された東京・春・音楽祭ですが、その公演の録音が同音楽祭サイト上にて無料で配信されています。



東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.1 《パルジファル》(試聴はリンク先へ。)

指揮:ウルフ・シルマー
パルジファル:ブルクハルト・フリッツ
クンドリ:ミヒャエラ・シュスター
アムフォルタス:フランツ・グルントヘーバー
グルネマンツ:ペーター・ローズ
クリングゾル:シム・インスン
ティトゥレル:小鉄和広
聖杯騎士:渡邉澄晃、山下浩司
侍童:岩田真奈、小林由佳、片寄純也、加藤太朗
魔法の乙女たち:藤田美奈子、坂井田真実子、田村由貴絵、中島寿美枝、渡邊 史、吉田 静
アルトの声:富岡明子
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
児童合唱:東京少年少女合唱隊
合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ
音楽コーチ:イェンドリック・シュプリンガー (キャストは同音楽祭WEBサイトより転載)

如何せん長丁場の作品でもあるので、まだ最後まで聴き通せていませんが、ともかく印象的だったのは、指揮のシルマーによる生気漲る音楽作りでした。やもすると遅々として進まない、ドロドロとした音楽になりがち(もちろんそれが魅力でもありますが。)のパルジファルを、シルマーは非常に透明感のある響きを保ちながら、中だるみすることなく、快活に演奏することに成功しています。縦の線を揃えつつも、深い呼吸感に支えられたワーグナーは、聴いていて言わばもたれてしまうことがありません。集中力がありました。

なお同音楽祭ではこの「パルジファル」以外にも、いくつかの公演の様子を動画にて配信しています。いずれも無料なので試してみては如何でしょうか。さすがにハイライトの「カルミナ」はないようですが、そちらにも期待してしまいます。

東京・春・音楽祭 動画

なお音楽祭のツィッターによると配信期限は6月10日までのようです。

tokyo_harusai(twitter)

お聞き逃しなきようおすすめします。
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ウェブラジオでプロムス2009を聞く

先日、バイロイト音楽祭のネット放送が終わったばかりですが、今度はイギリスのBBCより、世界最大のクラシック音楽祭とも言われるプロムスが連日無料で放送されています。楽しまれている方も多いのではないでしょうか。

BBC Proms 2009(公式HP)



公演は全て生で放送されていますが、時差があるため、やはり有用なのは配信日より一週間限定のオンデマンドです。連日プログラムが進行するため、一週間を超えた過去の録音は聞くことが出来ませんが、現在もなかなか興味深い演目が登場しています。以下、メジャーなものから、今聴くことの出来る演奏を挙げてみました。

Proms broadcasts(現在配信中のプログラム一覧。試聴はこちらから。)

Prom 26(8/5) メンデルスゾーン:「交響曲第1番」、「ヴァイオリン協奏曲」他 イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ティエリー・フィッシャー指揮BBCウェールズ響 残り数時間で配信は終了します。ファウストの艶やかなヴァイオリンが印象的でした。

Prom 28(8/6) モーツァルト:「ファゴット協奏曲」、マーラー:「交響曲第6番」他 カレン・ジョーヒガン(ファゴット)、ジャアンドレア・ノセダ指揮BBCフィルハーモニック まるでダンスミュージックのようにリズミカルなマーラーでした。最終楽章こそ比較的大人しいものですが、一楽章の快活な様は一見の価値ありです。

Prom 29(8/7) メンデルスゾーン:「交響曲第4番 イタリア」、レスピーギ:「ローマの松」他 ヴィヴィカ・ジュノー(メゾソプラノ)、ジャナンドレア・ノセダ指揮BBCフィルハーモニック

Prom 32(8/9) モーツァルト:「2台ピアノのための協奏曲」、ルトスワフスキ:「パガニーニの主題による変奏曲」、サンサーンス:「動物の謝肉祭」他 サンヤ・ビジャーク(ピアノ)他 ルドヴィク・モルロー指揮ブリテン・シンフォニア 歯切れの良いピアノがモーツァルトを小気味良く奏でます。

Prom 31(8/9) チャイコフスキー:「ピアノ協奏曲第1番」、ルトスワフスキ:「管弦楽のための協奏曲」、レスピーギ:「ローマの祭り」 スティーヴン・ハフ(ピアノ)ヴァシリー・ペトレンコ指揮英国国立ユース管 ハフ&ユース管の飛ばしに飛ばすチャイコンです。出来はともあれ熱気に満ちあふれていました。

Prom 33(8/10) バルトーク:「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」、ストラヴィンスキー:「結婚」他 タチアナ・モロガロワ(ソプラノ)、サイモン・クロフォード・フィリップス(ピアノ)、サム・ウォルトン(打楽器)他 エドワード・ガードナー指揮ロンドン・シンフォニエッタ 確か昨年のLFJでも似たようなプログラムがありました。
 
Prom 34(8/11) チャイコフスキー:「ヴァイオリン協奏曲」、ハチャトゥリアン:「スパルタカス」「ガヤネー」他 ジュリアン・ラクリン(ヴァイオリン)キリル・カラヴィツ指揮ボーンマス交響楽団

なお日本語表記については、海外のクラシック音楽のウェブラジオの番組表を更新されておられるおかかさんのブログから転載させていただきました。そちらにはこの音楽祭以外にも、多数のライブ放送の演目が掲載されています。是非ご覧下さい。

おかか since 1968 Ver.2.0

Poulenc Concerto for Two Pianos Katia and Marielle Labeque BBC SO Jiri Belohlavek Proms 2009 [1/3]


本日以降、直近のプログラムとしてはサリヴァンの喜歌劇の他、ベートーヴェンの第九交響曲なども予定されているそうです。ちなみにプロムス自体の開催は9月中旬までと長丁場です。夏の夜はしばらくこちらで音楽三昧も良いかもしれません。

Prom 35(8/12) サリヴァン:喜歌劇「ペイシェンス」(セミステージ公演) レベッカ・ボットーネ、フェリシティ・パーマー他 チャールズ・マッケラス指揮BBCコンサート・オーケストラ他

Prom 40(8/16) ストラヴィンスキー:オルフェウス、ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」 レベッカ・エヴァンス(ソプラノ)他 イラン・ヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ響/バーミンガム市シンフォニー・コーラス

リンクミスなどもあるやもしれません。番組表については最上段リンク先のPromsのページを改めて参照下さい。



また某動画投稿サイトに本年のPromsのコンサート映像がいくつかあがっています。ご参考までにどうぞ。(閲覧はアカウントが必要です。)
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ネットラジオでバイロイト 2009

真夏の音楽イベント、バイロイト音楽祭が開幕しました。今年もいつものように世界各地のネットラジオにてリアルタイムで楽しむことが出来ます。まずは昨日、日本時間の深夜に始まった「トリスタンとイゾルデ」を少し聴いてみました。



バイロイト音楽祭2009 開幕は25日深夜@オペラキャストバイロイト音楽祭特設ページ



スケジュール(全て生中継。時間は日本時間。)

7/25 22:55~ 「トリスタンとイゾルデ」 ピーター・シュナイダー
7/26 22:55~ 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 サバスチャン・ヴィーグル
7/28 00:55~ 「ラインの黄金」 クリスチャン・ティーレマン
7/28 22:55~ 「ワルキューレ」 クリスチャン・ティーレマン
7/30 22:55~ 「ジークフリート」 クリスチャン・ティーレマン
8/01 22:55~ 「神々の黄昏」 クリスチャン・ティーレマン
8/02 22:55~ 「パルジファル」 ダニエレ・ガッティ

全て生で追っかけるのは不可能です。というわけで、やはり便利なのは一週間、高音質のオンデマンドを配信するバルトークラジオではないでしょうか。以下のページよりダウンロードが出来ました。

バルトークラジオ・オンデマンド(例えば「トリスタン」なら、土曜、現地時間の15:55-23:55に放送されているので、ハンガリー語で土曜を示すSzombatの15から23、それぞれのHallgatの『t』を、右クリックでダウンロードするとファイルを入手することが出来ます。)



なお現地時間の記載など、その他ネットラジオの放送スケジュール全般にしては、いつも拝見させていただいているokaka様のブログが非常に有用です。あわせてご覧下さい。

おかか since 1968 Ver.2.0

なお既に開幕中のイギリスの世界最大の音楽祭、プロムスも公式サイトよりオンデマンドの配信があります。(演奏会後、一週間限定。)先日、ハイティンクのマーラーの第九番を聴きましたが、少々訥々とした語り口に戸惑いながらも、素朴な情感を歌い上げる演奏で感心しました。

Proms2009

ともにオンデマンド配信なので、先にファイルを入手し、後でじっくり聴けるのも有り難いところです。今年の夏もPCを前に、音楽祭気分を手軽に味わいたいと思います。

*写真はWELT ONLINEより。BILDERGALERIE「Tristan」2009には舞台写真が掲載されています。
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youtubeシンフォニーオーケストラ、カーネギーホールライブを公開

企画はもちろん、オーディションまでyoutube上で行われたという「YouTubeシンフォニーオーケストラ」が、つい先日、カーネギーホールで記念のライブを行いました。今、その模様がyoutubeに公開されています。ご覧になられたでしょうか。

YouTube Symphony Orchestra @ Carnegie Hall - Act One

現在のところ前半部分、はじめの1時間だけがアップされています。

プロアマを問わず、全世界より3000件以上の応募から選抜された90名の音楽家たちが、かの俊英マイケル・ティルソン・トーマスのタクトの元に集まりました。オープニングを飾る華々しい音楽は、ブラームスの第4交響曲から第3楽章です。コンサートは短い曲を中心に15曲、またメインは今回のために作られたというタン・ドゥンのその名も「インターネット交響曲第1番『エロイカ』」だったそうですが、それは後半の第二部の映像で流されるのではないでしょうか。一部の最後のワルキューレのリズムは軽やかでした。

団員のオーディション映像やメッセージがバックに流れるステージの演出も華やかです。桜の映像から始まるのは、マリンバの高藤摩紀さんでした。ちなみに同オケには、一般企業勤務のアマチュアの方などを含め、日本人が三名参加しているそうです。もちろんyoutubeオーケストラ日本版サイトで、それぞれの方の演奏の様子も聞くことも出来ます。

youtubeシンフォニーオーケストラ日本版

通常のコンサートではまずあり得ませんが、観客のビデオの持ち込みも許可されていたそうです。今後はyoutube上に、観客視線によるコンサートの様子なども投稿されるのかもしれません。

追記:第二部がアップされました。5分過ぎよりタン・ドゥンが登場します。
Act Two: YouTube Symphony Orchestra @ Carnegie Hall
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ハーディングのブルックナー

スウェーデン放送響&ハーディングのコンビはなかなか魅力的です。先日にはロンドン響での来日公演もあった、ダニエル・ハーディングの指揮によるブルックナーを聴いてみました。

NHK-FM ベストオブクラシック(4/26 19:30-)

曲 ブルックナー 「交響曲第5番」

指揮 ダニエル・ハーディング
演奏 スウェーデン放送交響楽団

収録 ベルワルドホール(ストックホルム) 2007/1/26



私はハーディングから、あの先鋭的な「ドン・ジョバンニ」の印象をどうしても拭うことが出来ないのですが、この演奏は、どちらかと言えば正攻法のアプローチによって、オーケストラを力強く鳴らして作り上げた、言わば至極「立派」なブル5だったと思います。第一楽章の序奏も肉厚な表現で、勇壮な金管の響きも刺々しくありません。テンポは、特にスケルツォを始めにやや早めに流れていましたが、ブルックナー休止も長く、終始メリハリのある、構成感に優れた音楽を作り出していました。この演奏を聴くと、例えばついこの間に読響で楽しんだスクロヴァチェフスキが、如何に個性的にブルックナーを料理しているのかが良く分かるような気もします。

ブルックナーの最高傑作(と、勝手に思い込んでいます。)でもある「ブル5」最大の妙味は、やはりフーガの組み込まれたあの長大なフィナーレです。私はここで、その錯綜する主題や旋律を階層的に、言い換えれば整理整頓して示すような演奏が好きなのですが、ハーディングも力任せにグイグイと音を鳴らすことなく、コーダの立体感を巧みに生み出すことに成功していました。ただもう一歩、身を任せられるようなゆったりとした「音楽の流れ」があればと思います。かなり縦方向に意識の働くブルックナーです。

例えば息も詰まるほどの緊張感に満ちたティーレマンなどよりは、思いの外にリラックスして楽しめるブルックナーでした。ハーディングの持つロマン派的な志向は、いわゆる古楽器系らしからぬ濃密な響きの力を借りて、今、とても良い方向へ進んでいるようです。これだけ来日の多い指揮者でもあるので、是非、実演に接したいと思います。

*関連リンク
ダニエル・ハーディング公式HP(一部、日本語です。)
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フローレスの「理髪師」を聴く

メトロポリタン歌劇場インターネットライブ(BartokRadio)

曲 ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」

指揮 マウリツィオ・ベニーニ
演奏 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
キャスト 
 アルマヴィーヴァ伯爵 ホアン・ディエゴ・フローレス
 バルトロ ジョン・デル・カルロ
 ロジーナ ジョイス・ディドナート
 フィガロ ピーター・マッティ

BartokRadioのオンデマンドで聴きました。生中継で放送されたメトロポリタン歌劇場の「セビリアの理髪師」です。絶好調とまではいかないようでしたが、フローレスの美声には酔うことが出来ました。

BartokRadioオンデマンド
*Szombat(土曜日)の18時から21時の間に収録されています。放送日より一週間ほど保存されているので、今週末まで聴くことが可能です。



伯爵と言えばやはり第二幕の「Cessa di piu resistere」ですが、さすがのフローレスはここでも全く危なげなく歌い切ってしまいました。私としてはもう少し、アクの強い伯爵が好みではありますが、持ち前の甘くまた艶やかな声で、このヒートアップしたドタバタ劇をまさに諭すように静めていきます。見事です。(ところでここを聴く度に、2002年、新国立劇場の公演で伯爵役を務めたシラグーザを思い出します。ホールいっぱいに響き渡ったその瑞々しい歌声は忘れられません。)

フローレス以外のキャストも十分に務めを果たしていましたが、指揮のベニーニにもう一歩、落ち着いた表現があればより良かったとも感じました。軽やかで溌剌と始まる序曲や、その一方でのテンポをじっくり落とした各アリアでは手堅さを感じさせましたが、一部の重唱になるとややあおり気味になって先を急ぎます。緩急にも激しく、ロッシーニに特有な疾走感を楽しめる演奏ではありましたが、第一幕のフィナーレは少々乱れているようにも思いました。全体の構成を見通すような統率力にやや欠けていたかもしれません。

ちなみにこの公演も、かのMETライブビューイングで上映されていたようです。今回は、会場が映画館ではなくホールだったようですが、どのような反響があったのでしょう。また、以前に上映された「清教徒」や「魔笛」なども、この4月に首都圏郊外のMOVIXにてアンコール上映があるのだそうです。

*関連リンク
オペラキャスト(ネットラジオ全般)
METライブビューイング公式サイト(松竹)
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スクロヴァチェフスキの若々しきベートーヴェン

先ほどまで放送されていたFMで楽しみました。昨年12月、初台のコンサートホールにて行われた、ザールブリュッケン放送響の来日公演です。このツアーでは、ベートーヴェンの交響曲が全て演奏されたそうですが、そのうちの1、4、5の各交響曲が取り上げられていました。

NHK-FM ベストオブクラシック(1/29 19:30 - )

曲 ベートーヴェン 交響曲第1番、4番、5番

指揮 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
演奏 ザールブリュッケン放送交響楽団

収録 東京オペラシティコンサートホール 2006/12/3

スクロヴァチェフスキの音楽を聴いていると、巨匠の仲間入りを果たした老齢(大変失礼な話ではありますが…。)の指揮者の演奏を、一概に「円熟」などという文言にて決めつけてはならないということが痛いほど良く分かります。ともかく古楽器演奏も真っ青なほどに激しく、スリリングなベートーヴェンです。あまり技巧には冴えないザールブリュッケン放送響を、どれほど自身の音楽のために叩き上げたのでしょうか。それこそ硬い鉄球のような鈍く、また重々しい響きが、楽譜の上を痛快なほどのスピードにて駆け巡ります。ヴァイオリンが坂道を転がり落ちるかのように進んで、チェロやコントラバスが必至に喰らいついていました。そして時折、乾いた金管とドロドロと轟くティンパニが炸裂します。と言っても、例えば第5番のフィナーレなどは、意表を突くほどにアッサリとした小気味良いテンポで終ってしまうのです。次から次へと繰り出される手品を見るかのような演奏でした。

「ベルリオーズ:幻想交響曲/スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン放送交響楽団」

ところでご存知の通り、今年はいよいよ読響とスクロヴァチェフスキのコンビが始動します。(読響プログラム)私としては世評の高いブルックナーなどを取り上げる春の定期よりも、秋のショスタコーヴィチの方が楽しみです。彼の動的でクセのある音楽作りが、きっとショスタコーヴィチの面白さを引き出す演奏となるのではないでしょうか。是非ホールへと足を運びたいと思います。
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「シベリウス・ウィーク」 NHK-FM ベストオブクラシック

明日から一週間、NHK-FMのベストオブクラシック(19:30-)では、メモリアルイヤーのシベリウスが集中して取り上げられます。オラモ&フィンランド放送響による、交響曲の全曲放送が最大の聴きどころのようです。

1/15(月) 交響曲第1番/第3番/交響詩「フィンランディア」他
1/16(火) 交響曲第4番/第2番/「鶴のいる風景」他
1/18(木) 交響曲第5番/第6番「「悲しいワルツ」/交響詩「タピオラ」他
1/19(金) 交響曲第7番/「クレルヴォ」

指揮 サカリ・オラモ
演奏 フィンランド放送交響楽団
収録 ベルゲン(ノルウェー):「グリーグホール」
   ヘルシンキ(フィンランド):「フィンランディアホール」
   2006年6月

もう間もなく始まる来日ツアーに合わせた企画なのかもしれません。ちなみに17日の水曜日は、N響B定期の生中継があるのでお休みです。

また今夜の「N響アワー」(北欧音楽の魅力)でも、シベリウスが一部取り上げられます。こちらは、N響&デュトワの「フィンランディア」と、オラモ&N響の「組曲カレリヤから行進曲風に」が予定されていました。

シベリウスは好きな作曲家の一人です。昨年のショスタコーヴィチのように、実演でも多く接することが出来ればと思います。放送の詳細等については、NHKの番組表をご確認下さい。

「シベリウス:交響曲第1、2、3番/ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団」
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ネトレプコの「清教徒」(+METライブビューイング)

メトロポリタン歌劇場インターネットライブ(BartokRadio)

曲 ベッリーニ 歌劇「清教徒」

指揮 パトリック・サマーズ
演奏 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
キャスト
 エルヴィーラ アンナ・ネトレプコ
 アルトゥーロ エリック・カトラー
 リッカルド フランコ・ヴにァッサロ
 ジョルジオ ジョン・レイリー

お馴染みのBartokRadioのオンデマンドで楽しみました。先日行われたメトロポリタン歌劇場の公演より、ネトレプコ主演の「清教徒」です。



意外にも一番印象深かったのはネトレプコの美声ではなく、公演を手堅くまとめた指揮のサマーズでした。メトの力強いオーケストラを決して無理にドライブすることなく、合唱と歌手のサポート徹して、イタリアオペラ随一の旋律美を思う存分楽しませてくれます。後半こそやや緊張感の削がれた箇所もあったようですが、驚くほど開放的で伸びやかなベッリーニでした。

BartokRadioオンデマンド
*Szombat(土曜日)の19時から22時の部分に収録されています。今週末まで聴くことが可能です。

ところで、今、メトロポリタン歌劇場のホットな話題と言えば、先日より日本でも開催された「METライブビューイング」ではないでしょうか。これは、メトロポリタン歌劇場のオペラ公演が、光ファイバーを経由して世界各国に配信される企画とのことですが、今週の木・金曜日(11日、12日)には、ルテアトル銀座でもこの「清教徒」が上演されます。入場料は4000円です。率直に申し上げて、いくらメトとは言え、スクリーンで観ることを鑑みれば少々高いのではないかと思いますが、これもまたオペラの新しい楽しみ方になるのかもしれません。もし時間に余裕があれば私も足を運びたいです。

*関連リンク
「ネットラジオ関連」
 オペラキャスト
 番組表wiki - 海外ネットラジオのクラシック音楽番組
「ライブビューイング関連」
 歌舞伎座で楽しむ「魔笛」 NY・METが映像配信(asahi.com)
 METライブビューイング公式サイト(松竹)
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年末恒例「バイロイト音楽祭」2006 NHK-FM

今年もこの季節がやって来ました。明日から年末恒例、バイロイト音楽祭の録音放送が大晦日まで予定されています。いつもは「年越しワーグナー」さながら、大晦日の深夜から午前0時を超えた元日まで放送されていたかと思いますが、今年は午前0時ピッタリに全て終了するようです。



バイロイト音楽祭2006 NHK-FM

12/25 19:30-23:00 「ラインの黄金」
12/26 19:30-23:30 「ワルキューレ」
12/27 19:30-0:30 「ジークフリート」
12/28 19:30-0:30 「神々の黄昏」
12/29 19:30-22:00 「さまよえるオランダ人」
12/30 19:30-0:00 「トリスタンとイゾルデ」
12/31 19:30-0:00 「パルジファル」

既にネットラジオ等で放送されているので新鮮味こそありませんが、高音質を誇るFMの音源は依然として魅力的です。また今年も年越しをワーグナーで迎えたいと思います。

詳しくはNHK番組表(東京)、または公式HPをご参照下さい。
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ハーディングをFMで聴く NHK音楽祭2006

NHK-FM ベストオブクラシック(10/5 19:00 - ) NHK音楽祭2006(1)

曲 モーツァルト 交響曲第6番 K.43
         ピアノ協奏曲第20番 K.466
  ブラームス  交響曲第2番 作品73

指揮 ダニエル・ハーディング
演奏 マーラー・チェンバー・オーケストラ
ピアノ ラルス・フォークト

収録:NHKホール(生中継) 2006/10/5

実際にホールへ足を運びたかったのですが、都合がつかなかったので録音で楽しむことにしました。今日から始まったNHK音楽祭より、ハーディング&マーラー・チェンバー・オーケストラの演奏会です。



ハーディングは聴衆へのサービス精神に溢れた指揮者だと思います。これほど音楽をダイナミックに分かり易い形で、しかもそれこそ楽しく演奏出来る方も珍しいのではないでしょうか。K.466では、第二楽章をロマン風味にこってりと味付け、その一方で三楽章を颯爽に流していました。もちろん、単なるインテンポ系の演奏ではありません。時折揺れ動くフレージングがまるでジャズのスイングのような効果をもたらし、時に音の流れを断ち切るかのような乾いた金管が緊張感を与えている。聴かせどころはテンポを落として、とても丁寧に演奏していたのが印象的でした。明暗の表裏一体となったモーツァルトです。

ブラームスでは響きのバランス感が優れています。音の情報量が極めて多い演奏です。木管と弦、それに金管が、それぞれに主張しながらも美しく合わせ重なって聞こえてきました。木管を強調する際には弦を控えめに、また金管を強めに吹かせる際は一瞬の間合いを入れる。音量バランスへの配慮が絶妙です。フォルテでも単に音が増幅するわけではありません。

刹那的な第二楽章がとても濃厚でした。特に終結部では、まるで煙のようにもやもやと立ち上がりながらも分厚い響きが訪れるワーグナーのような音楽になっていたのには驚きました。贅肉を徹底して削ぎ落とし、鮮烈な音の渦を作り出す古楽器系の演奏の面白さだけでなく、時に往年の名指揮者が聴かせたようなロマン的な音楽を加味するのもハーディングの良さなのかもしれません。(後者への志向が強いとさえ思いました。)

ノリントン、ルイージ、そしてアーノンクールと続く今年のNHK音楽祭は聞き逃せません。今後もチェックしていきたいです。
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ネットラジオで聴くバイロイトとザルツブルク音楽祭 2006

いよいよ明後日からバイロイト音楽祭が始まりますが、今年も昨年に引き続きインターネットラジオの生放送があるようです。一部タイムシフトの中継があるとのことですが、音質良好なBartokRadioでまた楽しみたいと思います。

 

昨年ダウンロードしたバイロイト音楽祭の録音もまだ全てしっかりと耳を通せていません。と言うことで、今年も全部聴けるかどうか分からないのですが、やはりティーレマンの「リング」に一番注目してみたいと思います。私としては今ひとつ良く分からない指揮者の一人なのですが、ここはじっくりと聴いてみるつもりです。

ちなみにインターネットラジオでは、メモリアルイヤーで盛り上がりそうなザルツブルク音楽祭も楽しむことが出来ます。ここで指揮するのが今回で最後ともいうアーノンクールの「フィガロ」で開幕し、その後は初期のオペラまで網羅したスケジュールが怒濤のように続くようです。こちらもBartokRadioが公演のほぼ全てをカバーしています。読響でもお馴染みのホーネックの「コジ」や、強烈なテンポ感を楽しませてくれそうなハーディングの「ドン・ジョバンニ」、さらには秋に来日もあるノリントンの「イドメネオ」から、ミンコフスキの「ポントの王ミドリダーテ」、そして大御所ムーティの「魔笛」など、さすがに聞き所も満載です。これは前もってハードディスクの整理(?)をして、余裕をもって備えておかなくてはなりません。

ネットラジオの放送スケジュール等については、ブログ「オペラキャスト」様の情報がいつもながら群を抜いています。詳細はそちらをご参照下さい。
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今週の「ベストオブクラシック」はショスタコーヴィチ・ウィーク!

今週のNHK-FMベストオブクラシックは、生誕100年(没後30年)を迎えたメモリアルイヤーのショスタコーヴィチが特集されます。お馴染みのシンフォニーや弦楽四重奏曲だけではなく、あまり聞き慣れない曲までがカバーされたプログラムです。なかなか魅力的です。(私の苦手な指揮者がチラホラといらっしゃるのはさておいて…。)

ベストオブクラシック ショスタコーヴィチ・ウィーク(19:30-21:10)

19日(月)
 交響曲第1番 作品10 マリインスキー劇場管弦楽団/ワレリー・ゲルギエフ
 弦楽四重奏曲第4番 作品83 エマーソン弦楽四重奏団
 アレクサンドル・ブロークの7つの詩 作品127 ランディ・ステネ/トリオ・コン・ブリオ
 
20日(火)
 チェロ協奏曲第1番 作品107 グザヴィエ・フィリップス/ロシア・ナショナル・フィルハーモニック/ウラディーミル・スピヴァコフ
 交響曲第4番 作品43 フランス国立管弦楽団/ウラディーミル・アシュケナージ

21日(水)
 タヒチ・トロット 作品16 アイスランド交響楽団/ラモン・ガンバ
 ピアノ五重奏曲 作品57 ドミニク・モレル/ルノアール四重奏団
 交響曲第5番 作品47 バイエルン放送交響楽団/マリス・ヤンソンス

22日(木)
 「バラエティ・オーケストラのための組曲」から アイスランド交響楽団/ラモン・ガンバ
 交響曲第7番「レニングラード」 作品60 フランス国立管弦楽団/クルト・マズア

23日(金)
 交響詩「十月」 作品131 フランクフルト放送交響楽団/ヒュー・ウルフ
 バイオリン協奏曲第2番 作品129 ジャニーヌ・ヤンセン/スウェーデン放送交響楽団/アンドレス・オロスコ・エストラーダ
 交響曲第12番「1917年」 作品112 スウェーデン放送交響楽団/ダーヴィッド・ビェルクマン

総務省による例の懇親会一件で何やら急に雲行きが怪しくなってきたNHK-FMですが、ここは素直に楽しみたいところです。常にタイムリーにとはいきません。録音などして聴いていきたいと思います。
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スマートなゲルギエフ

NHK-FM ベストオブクラシック(5/11 19:30~)

曲 モーツァルト ピアノ協奏曲第20番K.466
  ショスタコーヴィチ 交響曲第9番作品70

指揮 ワレリー・ゲルギエフ
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ マルクス・シルマー

収録:オーストリア・ウィーン学友協会 2006/4/23

久々にベストオブクラシックへ耳を傾けてみました。(時間の関係で2曲目のモーツァルトからです。)ゲルギエフとウィーンフィルという豪華なコンビによるモーツァルトのピアノ協奏曲と、ショスタコーヴィチの第9交響曲です。メモリアルイヤー同士の組み合わせでした。

ピアノ協奏曲は終始落ち着いた演奏です。ゲルギエフというと、どこか殺伐とした音作りをするイメージがあるのですが、その表情はここには見られません。中庸のテンポで、オーケストラを少しだけ煽り立てながらキビキビと音楽を進めていく。上昇音型での控えめなクレッシェンドは爽快です。それにヴァイオリンを所々浮き上がらせて、(第1楽章の終結部など。)音楽に厚みを持たせるのも印象的でした。また、第2楽章などの伸びやかなリズム感などは、ゲルギエフと言うよりも、ウィーンフィル自体の美感によるものかもしれません。特に木管楽器とピアノが絡み合う中間部での美しさは見事でした。あくまでも穏やかです。

マルクス・シルマーのピアノはまるでフォルテピアノのようでした。ピアノをあまり強く鳴らさずに、淡々と音楽を奏でていく。ただしカデンツァでの力の入れようだけは別です。彼の自作のカデンツァはあまり良いものに聴こえませんでしたが、その部分だけは何かが取り憑いたようにガンガン鳴らしていました。これには非常に違和感を感じます。

ショスタコーヴィチの第9交響曲は、その成立過程などからして何やらきな臭いものが感じられますが、純粋に音楽だけへ耳を傾ければ、これほど楽しめる曲もなかなかありません。気味が悪いほどに明るい第1楽章も、ゲルギエフはストレートに音を鳴らしていきます。続いての第2楽章ではやや腰を落として丁寧に表現していたでしょうか。ただ、そこに暗鬱な響きはありません。沈着でありながらも情緒的にならない、冷ややかな姿勢を感じます。また木管主導の旋律などは素直に牧歌的でした。随分とストレートに音楽を作ります。



第3楽章のスケルツォでは音楽が全く熱くなりません。もちろんリズミカルに音楽を進めていくのですが、途中出てくる印象的な金管のファンファーレもやや抑制的。この辺の処理は、殺伐としたゲルギエフのイメージにやや近いかもしれません。それに続く木管のソロもすこぶる沈着でした。

第5楽章はやや大人し過ぎたかもしれません。スピード感は抜群ですが、私としてはもっとハメを外して、この音楽の不気味な盛り上がりを聴かせて欲しかったと思います。どうもスマートにまとまってしまって、諧謔的な泥臭い部分が聴こえてきません。これは物足りない。辛口な感想になってしまいました…。



ゲルギエフはショスタコーヴィチの録音を積極的にリリースしています。それらはまさに新時代の名盤なのかもしれませんが、私にとってのショスタコーヴィチとは昔からコンドラシン。ずっと苦手だったショスタコーヴィチの音楽を、初めて楽しんで聴くことが出来た録音です。先日も全集が輸入盤にて発売されましたが、やはり何度聴いても飽きません。ゲルギエフの録音はどうなのでしょうか。また機会があれば聴いてみたいと思います。
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フローレスの美声に酔う ドン・パスクワーレ

メトロポリタン歌劇場インターネットライブ 4/16

曲 ドニゼッティ 歌劇「ドン・パスクワーレ」

指揮 マウリツィオ・ベニーニ
演奏 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
キャスト
 ノリーナ アンナ・ネトレプコ
 エルネスト ホアン・ディエゴ・フローレス
 マラテスタ マリウス・キーチェン
 ドン・パスクワーレ シモーネ・アライモ

つい先日行われたメトロポリタン歌劇場の公演を、インターネットラジオの「BartokRadio」で聴くことが出来ます。曲は、ドニゼッティのブッファの中でもこの上なく愉快な「ドン・パスクワーレ」。私の好きなドニゼッティの中でも、通称「女王三部作」や「連隊の娘」、それに「ファヴォリータ」に並んでオススメしたいほどの素晴らしい作品です。

まずは何と言っても、エルネストのフローレスが一番の聴き所でしょう。絶好調とまではいかないのか、やや弱い部分もあるように感じましたが、やはり他とは隔絶した貫禄の歌唱です。口の中で極上のチョコレートが溶け出していくような、思わず頬が落ちてしまうのではないかと思うほど、甘く切なく、そして美しい歌声。大凡尋常ではない艶やかさも持ち合わせています。まるで綿飴をふくらませるかのように声をまとめあげ、柔らかに歌へのせていく。もちろんリズムも軽快です。このオペラで唯一のエルネストのアリア(第二幕冒頭)では、身を嘆く物悲しい様子からノリーナへの愛が示されるその変化をいとも簡単に表現しています。(アリアの途中で録音が切れてしまうのが残念です…。)凄まじい「ブラヴォ!」にも頷ける歌唱です。



大混乱の第二幕フィナーレも実に楽しい音楽が付いていますが、この作品で最も強烈な印象を残す個所は、想像を絶するほどに猛烈なスピードで歌われる第三幕のマラテスタとパスクワーレの二重唱です。ここで指揮のベニーニは、音楽を殊更煽り立てることなく、やや腰を落として丁寧に進めていきます。そこへ挑戦するかのように逞しく歌うキーチェンとアライモ。次第にオーケストラの響きを打つ破るかのようにして突っ走ります。まさに息を付くひまもありません。最後にはファルスタッフばりに陽気となる二人。劇も最高潮に達します。

長丁場を楽々乗り切るノリーナのネトレプコや、愉悦感を損なうことなく作品をまとめあげた指揮のベニーニも見事でした。特にベニーニは、レヴァインの降板による穴を埋めるどころか、この曲に関してはそれを上回る出来かと思うほどです。旋律を丁寧になぞりながら、絶妙な間を置き、笑いどころをしっかりと示すのはまさに職人芸。この辺りのオペラでは欠かせない指揮者です。

さて、このエントリをアップするのが遅くなってしまいましたが、この録音は放送日から一週間オンデマンドにてダウンロード出来ます。(今日、明日までは可能でしょうか。)場所は「BartokRadio」オンデマンドのszombat(土曜日)の19時から22時まで。その間にドン・パスクワーレのライブ放送が挟まっているわけです。興味のある方は、ワインでも片手に、ドニゼッティに愉快な音楽に浸かりながらフローレスの美声に酔ってみてはいかがでしょう。

*ネットラジオ全般については「オペラキャスト」様のブログをご参照下さい。(オペラキャストのsakag510様が、コメント欄に音楽ファイルの結合方法をご教示してくださいました。そちらもご覧下さい。)


(上にアップしたリンク画像は、フローレス出演のロッシーニのオペラ、「オリー伯爵」です。「ランスへの旅」から美味しいところばかりを集めたような作品で、ロペス=コボスの指揮が若干硬めですが、ボローニャのオーケストラの浮き立つリズム感とフローレスが快調です。)
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