恋愛短編集。
神楽坂の「メゾン リベルテ(自由の家)」という名前のマンションに住む
10人の暮らしを、それぞれの視点から綴った連作集です。
舞台が高層マンションなので
登場人物はみんな経済的に豊かな人たちばかりですが、
精神的にはそれと反して・・・みたいな設定。
おまけに各話の終わり方が
「あれ、続きは?」
と話が続くページを探してしまうぐらい
ぶちっと切れて終わっていて、
読後感はあんまりすっきりしない・・・
というか、ぶっちゃけ、後味が悪い話が多くて
「うへぇ」ってなりました。
ただ、作者があとがきにも書いているように、
彼ら/彼女らのその後がちょっと気になるのも事実。
個人的には、
何事に対しても感情を大きく動かすことがない
「魔法の寝室」の主人公の麻耶や
幼少時、母親から人格否定され続けて自分に自身がもてない
「いばらの城」の主人公の美広に
少し共感(同じ体験をしたという意味ではなく、考え方に)
するところがありました。
小説は、主人公の思考や行動パターンに
感情移入の深さが左右(上下?)されますよね。
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現代人の恋愛模様の複雑さが隙間見られる度:★★★