晴れときどきブログ。

趣味(料理、本、マンガ、ゲーム、絵描き etc.)全開で日常をつづります。

クリムゾンの迷宮

2006年04月23日 | 
友人が借してくれたので、久しぶりに小説を読んでみました。
★ クリムゾンの迷宮/貴志 祐介

主人公は、証券会社をリストラされた40代の男、藤木芳彦(ふじきよしひこ)。
冒頭で彼は眠りから目を覚ましますが、周囲の風景に度肝を抜かれます。
あたりは真紅の岩山が連なる、異形の風景。
傍らには、小さな携帯ゲーム機と食料が、ぽつんと置いてあります。
偶然出会った「藍」と名乗る女性とともに
ゲーム機のメッセージに導かれたどり着いた場所には、
この恐ろしい「ゲーム」に巻き込まれたプレイヤーが7人いて・・・。

その後、各自別ルートを選んで生き抜く道を模索していきます。
藤木と藍が取ったルートは、情報を与えられるルートで、
ここがオーストラリアの「バングル・バングル」という地であることや、
この地でサバイバルする方法などを伝授されます。
(チェックポイントに到達すると、ゲーム画面上にメッセージが表示される形式。)
食べられる植物、動物の知識を得て、少し明るい道が見えてきた藤木たち。

いくつめかのチェックポイントで、藤木たちはあるものを手に入れます。
それは、あるマイナーな「ゲームブック」。
※「ゲームブック」とは、各ページに選択肢が書いてあり、
 プレイヤー(読者)は指示に従ってページを進めたり戻ったりして楽しむ本。
 つまり、プレイヤーによって、ルートは異なる。

そのゲームブックには、現在の状況に酷似した物語が展開していました。
驚くとともに、疑心暗鬼ながらも、ゲームブックに書かれている
「バッドエンド」につながる選択肢を避けてみると、
危機を回避できることに気づきます。

この「ゲーム」の裏で何者かがシナリオを用意し、
それにより自分たちが踊らされていることを疑い始める藤木。
おそらく、プレイヤー9人の中で1人しか生き残れないこの状況から
無事脱出する術はあるのか?

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・・・と、こんな感じでストーリーは進んでいきます。
シチュエーションとしては、結構似た作品があると思いますが、
かなり下調べしてあってリアリティがありますし、
ストーリー・文体自体にもオリジナリティが強く、
最後の最後で、どんでん返しがあったりして、
最終ページをめくるまで、ドキドキしっぱなしです。

途中、ゲーム主催者側の罠にかかったとあるプレイヤーが
他のプレイヤーの殺戮(というか人肉食・・・)を始めるのですが、
その描写が生々しくて恐ろしくて、背筋がゾクゾクしました・・・。

個人的に「携帯ゲーム機」とか「ゲームブック」とかが出てきた部分が
意外で面白かったですね。

Amazonの書評も好評なものばかりですし、
「ホラー」「ミステリ」「ゲーム」といったものが好きな方は
楽しんで読めるのではないでしょうか。

個人的評価は5点満点で5点。おすすめですよ。


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