あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

田舎を飛び出す

2021-10-31 19:59:00 | ブログ
こんにちは🌞今日もお昼前からいいお天気になりましたね!
皆さま良い休日をお過ごしになられましたか?

毎週日曜日は院長の自伝です❣️

先の見えない不安が襲ってくる。何も出来ない自分にいらだつ日々が続く。

朝目覚めると先ず自分の手を眼の前にかざして見る。
見える日、見にくい日が周期的に繰り返される。ベーチェット病による発作の特徴である。
この頃ベーチェット病研究のプロジェクトチームが東京の帝京大学医学部に出来た
ので東名高速道路を走るバスで何回か通ったが病は進行するばかりであった。
両親が私の病気を案じて、「眼の調子はどうだ?」と聞いて来るのには身を切ら
れるほど辛く、心配掛けないために、「大丈夫、調子いいよ」と応えるしかなかった。
私は飛び出すように田舎を出て、名古屋に来ていた。
今後失明しても自立出来る仕事はなんだろう。
テレビの時代劇で見ていた「あんまさん」しか思い浮かばない。
当時でも鍼灸・マッサージを行う治療院はあちこちに有ったようだが、
自分には無縁だったので、全く気付いていなかった。
再び助産師を行って居るおばさんに相談したところ盲学校と言うのが有って、
こで、鍼灸・按摩の資格が取れることを知り、盲学校に入学。27歳であった。
 それまで視力障害者との出会いは、全く有りませんでしたので闇の世界に住む
人達との出会いにとまどいと不安を禁じえませんでした。しかしその不安は、入
学式で払拭された。こんなにも声高らかに校歌を歌う学校がかつて在っただろう
か?障害を越えて、いや障害を越えるためにかもしれない、精一杯歌っている。
盲学校に学ぶ小学生・中学生・高校生、それに私と同じように途中で失明し、理療
科で学んでいる学生の歌声に感激し目頭が熱くなった。
 それからの一年間は、え! なぜ! どうして出来るの? 体育祭には騎馬戦
までも、野球、バレーボウル、文化祭、女性は料理から編み物まで、それなりの
工夫を懲らし晴眼者となんら変わる事の無い生活をしているのではないか。
眼が見えないのにどうして出来るのだろう? 1年間は感動の連続であった。
そんな生活を続けるうちに、眼が見えないだけなのだ! 
工夫すれば出来てあたりまえと自分の気持ちが変化していったのである。

次週に続く
コメント (2)
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