あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
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経営と東洋医学

2019-05-21 23:13:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは。雨上がりの気持ちの良いお天気でしたね。我が家の家庭菜園の野菜たちも一気に成長していて支柱を立てたりしたところです!
 
今日は、一見関係無いようですが、通じるものが多い経営と東洋医学をテーマにお話しさせていただきます。
 
先日、患者さまから「鍼とというか東洋医学と経営ってものすごく似通うところがあって、東洋医学が好きになりました」と、とある患者さまからおっしゃっていただきました。
 
どんなふうに鍼灸治療を捉えてくださっているのかと思い、お尋ねしましたら「個々に答えがそれぞれあって、再現性がないという点です。」とお答えいただきました。「西洋医学みたいに、この症状ならこのツボとかそういう考えでは経営ができないんですよね。決してうまく行ったことを同じようにやって成功するわけではなく、個別に対応していかなくてはいけないし、その時に合ったことをしなくてはいけないのは東洋医学によく似ていて、とても勉強になるのです。」と言ってくださったのです。
 
全く仰る通りで嬉しく感じました。
 
東洋医学はじめ東洋思想の根本には陰陽思想があります。この陰陽はその時、その場所、その状況によって目まぐるしく変化しています。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。 」にあるように、時の流れも人の身体もひと時も止まることなく動いているのですね。ですから、昨日の治療が今日効くとも限らず、今日は今日の治療をしなくてはいけないのですね。ですから、全くの初診の患者さまに対して、明日は治るとか治らないとかそういった判断は翌日、もしくは翌日以降でできるだけ早い段階で診せていただく必要があるのです。治療の効果が出るスピードの速い方と、ゆっくりめの方とおられるのですが、それは最低でも2回診せていただかないと患者さまそれぞれのゆく河の流れを知ることができません。
その上で、現状を診せていただいた都合で、今後の見立てが少し見えてまいります。
この辺りは、データを基にしている西洋医学と全く違う点なのかもしれません。病名からおおよその予後が判定できるわけではないのです。
 
戦前までは、いわゆるリーダーになる方は帝王学として陰陽論が書かれている「易経」を必ず修めていたと聞きます。現状を正しく把握して、どう動くか?をきちんと考えていたのですね。我々の治療も同じで、今どこを治療すべきかをその都度検証しています。ですから、この病気にはこのツボで治る!ということではないのですね。東洋医学はテーラメイド、オーダメイド医療と呼ばれる所以はここにあります。
 
先日は患者さまからの思いがけない一言でとても嬉しくなりました。これからも、患者さまお一人お一人に合った治療を提供できるよう、スタッフ一同頑張ってまいります。
 
 
コメント
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