あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

陰陽と天地について

2019-04-18 22:33:00 | 健康・病気
森羅万象、全ての生物は天地の間に生命を営んでいます。また「万物は天と地の気が結び合ってできたものです。天は陽の気として六気(風・熱・湿・燥・寒・火)を人に供給しており、地は陰の気として、五季(春・夏・土用・秋・冬)や、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)などを人に与えています。人には、天の気として五腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱)を与え、陰の気としての五臓(肝・心・脾・肺・腎)を与え、天地の間に人間をはじめ総ての生命が育まれています。したがって東洋医学では天地人三才論といい、全ての事象を三つに分けて判断して診断し治療を行います。
古典医学書には、「陰が勝つと陽は病気になり、陽が勝つと陰は病気になる。陽が勝つと発熱し、陰が勝つと寒気がする」と、陰陽のバランスの崩れにより病気になる事を説いています。これは、病気に限りません。政治経済にも当てはまります。一党独裁による政治は黒を黒とせずに、限りなく黒に近いグレーのままに進んでいます。対抗勢力が弱い為に、でたらめが通ってしまうのです。陰陽のバランスの崩れは国の「死」を意味します。
更に、古典医学書には「陰は積み重なれば陽となり、陽が積み重なれば陰となる。寒は極まれば熱を生じ、熱は極まれば寒を生ずる」と、教えています。
即ち、陰が極点に発展すれば陽に転化し、陽が極点に発展すれば陰に転化する結果となるわけです。これが陰陽論の原理原則です。
季節に例を取れば、春生・夏長・秋収・冬蔵の原則に従い巡っています。冬から秋に逆回転することはありません。これが天地自然の原理原則です。生命もこの循環の原則により『生かされて』いるのです。この陰陽の対立と制約・消長のバランスがとれた状態は、森羅万象の発生、発展変化に必要不可欠の条件なのです。
即ち、陽が無ければ陰も無く、陰が無ければ陽も存在しません。言い方を変えれば、陽は陰に依存し、陰は陽に依存しています。これが、五臓五腑や精神安定、自律神経調整、あるいは、男女関係においても大切なこととなります。陰陽の間で、この相互依存関係が破壊されたら、様々な病気が引き起こされることになります。
つまり「陰だけであれば生じることができず、陽だけであれば成長することができない」という結果になり、物事の生長や変化も無くなるのですね。さらに進むと「陰陽が離れれば精気は絶え、生命も終焉を迎えます。
陰と陽の関係が少しご理解いただけたでしょうか?
以下、古典医書の条文を列記します。【天人合一、天人相応で病機知らず】『素問・六節蔵象論篇 第九』、『素問・宝命全形論篇 第二十五』には、「天と地の気が結び合い、人になる」、「人は天と地の気が結び合って出来たものであり、宇宙にある気が人を構成し、四季における陰陽変化の法則により、生きるものである」と説いています。
『素問・四気調神大論篇 第二』は、「四季における陰陽の変化は、万物の生・長・収・蔵の根本である。故に聖人は、この根本に従って、春夏という陽の季節に陽気を養い、秋冬という陰の季節に陰気を養う。よって、万物と同様に生長を得ることができる。逆に、自然に反すると、生命の根本は傷つけられ、真気も破壊される。故に、陰陽四時の変化は、万物の生老病死の根本であり、自然の原則に反すると災害が起きるが、それに従うなら疾病にかからない。」と、自然の法則に従い生活することの大切さを説いています。
長くなりましたが、自然哲学に基づく『脉診流・漢方鍼治療(経絡治療)』は全身のバランスを整えて健康を回復に向かわせる治療なのです。故に人体は『小宇宙』と言われるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする