源氏物語と共に

源氏物語関連

葡萄色(えびいろ)、今様色、青鈍(あおにび)色、落栗色

2007-10-13 17:26:44 | 
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=葡萄色=

  葡萄と書いて<えび>と読み、<エビカズラ>をさす。

  <エビカズラ>は山葡萄の古名。
  吉岡幸雄氏によれば、葡萄色は王朝の人々に愛された色。
  清少納言の枕草子にも記述がある。

  枕草子83段「めでたきもの」に葡萄染の織物をあげ、
   <六位の宿直(とのい)姿のをかしきも、紫のゆゑなり>
  葡萄色の指貫の紫ゆえに6位の縹色(青系)姿が魅力的とある。

  又、長崎盛兼氏によれば、染色では、紫根による赤味の淡い紫。
  織色は経紅または赤、緯紫で、重ね染め織の色には多少の違いがある。
  「源氏物語」の他に、「うつぼ物語」に<えびぞめかさね>、
  「紫式部日記」に<葡萄染の織物の小袿>など、この時代の日記物語での所見が多い   

=今様色=
 
  紅花で染めた濃い赤色。
  今様とは、今流行の色。吉岡氏によれば、当時の人がいかに紅花染の赤系色を好んだ
  しかし長崎氏によると、
  今様色はゆるし色ゆえ、濃い色は禁制にして、
  ゆる(聴る)色と、ためし色(様色、標準色)があると
  <源氏物語男女装束抄>に記述されている    
  
  <源氏物語男女装束抄>とは、
  享保時代に源氏物語の中に記された男女装束・色目を考証した有職故実書。

  同じ色でも微妙に違っているのですね~

=青鈍色=

  青色に墨系の色となる染料をかけ、鉄分で媒染した薄く墨がかった青色。
  
  平安時代は近親者が亡くなった場合、鈍(にび)色と呼ばれる黒系の色の衣服で
  喪に服していることをあらわす。平安時代では喪の色。
  
  葵の上が亡くなった時に、六条御息所から濃き青鈍の紙で弔問の手紙が来たり、
  空蝉の尼君に源氏が青鈍色の織物を送っている記述がある。

  これでは、おめでたい色といえず、末摘花の感覚を疑いますね^^

=落栗色=

  実り落ちた栗の色。暗い赤褐色。
  <花情余情>には、<落栗トハ、濃紅ノ黒ミ入タルホドニ染タルヲ云ベシ>
  とあります。
  この点について吉岡幸雄氏は他の注釈本により、王朝人の落栗色は現代の色と違って
  かなり赤味に映ったようだと指摘されていました。
 


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