源氏物語と共に

源氏物語関連

薔薇(2)コウシンバラ

2007-06-20 11:43:16 | 
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大場秀章<バラの誕生>によると、

コウシンバラは現代のバラのもとになったバラ。

ヨーロッパのバラは一期咲きだが、コウシンバラは四季咲き。

現代の四季咲きのバラは、コウシンバラとの交配によってできたもの。
1867年にコウシンバラと交配して出来たティーローズと
他との配合で<ラ・フランス>が出来た。

そこで、それ以前のバラはオールドローズ、
それ以後はモダンローズに分けられるようになりました。
そして房咲きという種類の元にもなっています。

面白い事に、今のチャイナローズには、中国のノイバラのDNAが含まれ、
それが現代の房咲きになっているようなのです。

コウシンバラとは、ずいぶん重要なバラのようです。

コウシンバラは中国野生のバラのひとつ。
野生型は高さ1,5m~2m。半つる性の常緑低木。
花は5~6cmの赤または白色。香りはあまりない。
1983年に荻巣樹徳が単弁の野生コウシンバラを発見。

この点について荻巣樹徳<幻の植物を追って>に、更にに詳しく載っていました。

この野生種に四季咲きはない。
おそらく、自然界の突然変異で生じた四季咲きが人間の目にとまり栽培されたのではないか?と。
コウシンバラとは、中国原種四季咲きのバラの総称ではないかといいます。

そして源氏物語のこのさうび(薔薇)はマイカイ(玫瑰)ではないかと。
このマイカイという薔薇は今でも名刹の階段の脇に植えられているそうです。

日本にあるハマナス(浜梨、浜茄子)も、漢名は同じ<玫瑰>を当てます。

中国のマイカイは浜茄子八重咲きに似た紫がかった紅色。
宋代古くは唐代から栽培。
古くから八重咲きを珍重してきた中国人が一重のハマナスを栽培するのはおかしい。
しかもハマナスは耐寒性がない。
マイカイなら中国南部を中心に広くあり、香りが高い

藤原定家 名月記 建暦3年12月に出てくる長春花=コウシンバラ一説オールドブラッシュか?ともありました。オールドブラッシュは今も名前を良く聞くピンクの薔薇。

ここで重ね色目を考えました。

有職研究会のそうび(薔薇)の重ね色目はピンクではなく、表紅裏紫。
http://www.kariginu.jp/kikata/kasane-irome.htm (夏参照)

何となくマイカイの色のような感じです。

まだまだ難しい源氏物語の薔薇。また次回にしたいと思います。


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