源氏物語と共に

源氏物語関連

王朝の恋 伊勢物語絵巻

2008-02-19 17:10:29 | その他

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出光美術館で開かれた「王朝の恋」伊勢物語絵巻の展示を最終日に見ました。


伊勢物語はあまり詳しくないのですが、
江戸時代の伝俵屋宗達の絵などが展示されていました。


源氏物語と同じ構図で描かれた鎌倉時代の絵もあり、とても面白かったです♪
平安時代の古今集切は展示の期間があわず、残念ながら見られませんでした。
しかし、たまたまなんでしょうか?
古くから人気のこの作品の絵巻は不思議と江戸時代のものが多かったです。


美術館所有の岩佐又兵衛筆の在原業平図は掛け軸でしたが、
いかにも美男という業平の見返り図で、雰囲気を感じさせます。



屏風も源氏物語の屏風同様、色々な場面が一緒に描かれていてました。
また富士山などは、やはり綺麗に感じます。
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図録に載っていた上野英二氏の説の中に源氏物語との比較もあり、面白かったです。


源氏物語には鷹狩りが描かれていないという事、
源氏物語があくまでも女性の想像の世界であるのに対して、
伊勢物語の在業業平は実物の人物であり、男の視点からの物語であるという事も注目でした。


虫も色々描かれていたり、源氏物語絵巻と同様に、
お約束の場面というのも決まっているようです。
柳の図柄まで決まっているのには驚きでした。↓
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1番古い鎌倉時代の絵は源氏物語と同じ構図ながら、
人物の顔が、かなりふくよかな描き方のように思います。
几帳の模様は復元された源氏物語絵巻と似ています。
若紫の北山を感じさせる絵もありました。



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見立といって、伊勢物語の場面を江戸時代の服装のまま表現していたのも興味を引きました。


今は無い平安時代の古い伊勢物語絵巻あるいは絵図の表現は、
国宝源氏物語絵巻にも投影している事でしょう。


伊勢物語の在原業平もヒントにして源氏物語は作られているでしょうから、
今後も注目したいと思います。