井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

弟を切ったという伝説で有名になったオトギリソウ

2011年09月26日 | 日記
弟を切った鷹匠の話は江戸時代の「和漢三才図会」に書かれているというから、満更嘘ではなさそうである。



オトギリソウです。オトギリソウ科オトギリソウ属。
日本でオトギリソウ科といえば、オトギリソウ、トモエソウなど草本を思い浮かべるが、オトギリソウ科全体では、むしろ木本の方が多いという。
鋸歯のない葉が対生し、黒点など腺点を持っていれば、オトギリソウの仲間と考えて先ず間違いない。



オトギリソウ、花のアップです。
オトギリソウの腺点は葉だけでなく花弁や萼などにも見られる。腺点というのは組織の間の隙間に分泌物がたまったもので、そこに色素を含めば黒点(赤もある)となり、色素がなければ明点となる。オトギリソウの薬効成分もその中である。
多数の雄しべは基部で合生して3群となり、雌しべは3花柱(赤く見えている)をもつ。



オトギリソウの果実です。
果は長楕円状卵形。3室に分かれていて俵型の種子を入れている。
オトギリソウを傷薬として利用するのは日本だけでなく、世界共通のことだと言うから、有効成分を含むのは間違いなしである。ただし成分の特定は不明である。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オオウバユリは本当に1回繁... | トップ | 高山性のハイオトギリ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事