ハマニンニクの葉。イネ科エゾムギ属。
ハマニンニクは汀線のすぐ近く第一砂丘に生育する。風によって砂の良く動くエリアで、これに対応するために地下茎を長く深く伸ばす。その葉をニンニクに見立てて「浜ニンニク」と呼ばれる。
葉の繊維は丈夫で、アイヌたちはこの葉を編んで「テンキ」と呼ぶ小物入れを作ったといい、そこから「テンキグサ」の名前でも呼ばれる。テンキグサの方を標準和名とする図鑑もある。
和人側でこの葉を籐のようにして細工ものを作ることもあり、「草籐(くさどう)」とも呼ばれる。
ハマニンニクの果実。
ハマニンニクの果実は小型の頴果(えいか)で、種子散布は風散布あり海流散布ありと考えられる。
実生だけでなく、太い地下茎を伸ばして群落をつくる。
スナジクズタケ。
砂浜に生えるキノコ、多くはないが時折見かける。
スナジクズタケはハマニンニクに根などから栄養を得て成長するという。