あいこ姫⑪

わたくしあいこ
お姫さまです
ここの家にいつまでいるかは、わかりません
もうすぐ月から迎えが参りますので
昨年の秋に、こちらに保護されました
お願いしたわけではないのですが
もう、この近辺のノラ猫は野蛮でございます
私のこの美しい三毛色が目立ちますので
追われて、追われて
大変あぶない目にあったのでございます
私の悲鳴を聞きつけた、こちらのカァー様が
ドアーを開けて助けてくださいました
命の恩人でございます
お世話になっております



今日は暑うございます
カァー様、クーラーをお願いします



やはり、あいこにはピンクが似合いますわね、カァー様
どうか、私のおもちゃは他の者と別にしてくださいな
皆のツバがついて、あいこは嫌ですわ

とくに最近わいて出た、あのグレーな子は何者ですか
おもちゃを全部独占して
あいこ一人で楽しく遊んでおりましたのに
カァーさま、あの子を早く逃がしてくださいな
あの者は猫ではありません
あいこ見ましたの！
夜中に２本足で歩いているの
それに鳴き声も変ですわ
オロニュワーン、オロニュワーン
あれは、きっと宇宙人ですわよ、カァー様



ふぁーーー、ねむ　　
　　　　　　　　　　姫！！！　



噂の宇宙人キュマピョン
（明日、登場）



　　あなたも十分、宇宙人に見えますわよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あいこ様
　　　　　　　　　　　　　　　　　


あいこ（推定２才）は不思議な猫です
　　ふらっと我が家に居ついてしまいました
　　来たときは、すでに避妊手術済み
　　我が家の猫のだれとも仲良くできません
　　とくに三太郎が嫌いで、近くに寄ると
　　ヒィエーーーーと叫びます
　　ノラが長いと、白い毛が薄汚れてしまうのですが
　　あいこは綺麗な三毛色のまま保護
　　飼い猫の迷い猫なのか、捨てられたのか不明
　　家の中だけでは満足できない子で
　　しばらくは朝夕、赤い首輪をつけて外に出しておりましたが
　　出すたびに、ヒィェーーーー
　　その都度、私が助けに行くことのと繰り返し
　　やはり、飼い猫の外出はいけないことだと感じ
　　心を鬼にして外出禁止令をはっしたのでございます
　　最初は文句タラタラ鳴いておりましたが
　　今ではあきらめて、終日私のそばで過ごしております
　　いやはや強烈な抱っこ猫
　　腕、胸、肩、膝、おなかの上、股間
　　密着してきます
　　そしてそのまま熟睡へ
　　当然私は身動きいたしません
　　たぶん、子猫の時から人間に溺愛されて育ったのでは
　　と、想像しております
　　もとの飼い主さんが今でも、あいこの帰りを待っているのではないか
　　と、考えますと少々の不安もございます
　　飼い猫さんを外出させるさいは、必ず迷子札つきの首輪着用願います

あーそうそう
１０匹を超えますと、悟りの境地と申しますか
あいこ保護には、なんの迷いもございませんでした
念のため




　　　　　　　　　　
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