射幸心

ある小説を読んでいたら、射幸心 という文字が出てきた。

生まれてこの方、初めて見る言葉。
しかも、弓に携わる者としては見逃せない字面じゃん

　「誰しも的中すると嬉しい気持ちになるから、達成感があって幸せを感じるってことかなぁ」

・・・とノン気に想像して、辞書を調べる。
すると、ギャンブルや賭博に通じる要素がある言葉だと知れた。
そりゃー、なじみがなかったワケだ。

だけど、と思い直す。
この気持ち、身に覚えがあるんだよなー・・・。

練習でできないことが本番 （審査・試合） でできるワケがない。
だから、理想の実現を目指して一生懸命練習をする。
そして、安定した射が続けられるように稽古を積み重ねる。
基本を大切に、丁寧に誠を尽くそうと臨む。
それでも。
いざという場面で まぐれ当たり を期待してしまう自分もいる。
調子の悪いとき、不安なとき、胸の内に “射幸心” がわく。

審査の勉強をしていて教本を読み深めているとき、
「心気のはたらき」について身につまされる思いがした。
射幸心ではなく、自己統制力で為してこそ。

今日の目標は 「まぐれ当たりに頼らないこと」 。



射幸心　　（読み方：しゃこうしん）

幸運や偶然により、苦労なく、思いがけない利益を
得ることを期待する心理。
もしかしたら、くじに当たって大金が貰えるかも
しれない、などと考える気持ちや考え方などを指す語。
こうした心理を増長させる仕組みを指して
「射幸心をあおる」などのようにいう。

～実用日本語表現辞典より～