YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

巡る季節・輝く命

2020-03-11 07:00:00 | 雑感・お知らせ


眠っていた新芽たちが、何やら一斉にざわざわと目覚め始めました。







命の力強さを感じずにはいらにさしたままだった、ガジュマルの小枝も根を出し始めていました。





生きとし生けるものがもつ生きるというパワー。その力強さ。

命の輪は受け継がれ、繰り返されていきます。

間も無く迎える父の命日。

父の最期を看取ったときに受け取ったメッセージは「生きるという強さ」でした。

父のことを考えるとき、頭に浮かぶのは小学生のときに習った「ゆずり葉」という詩。詩人、河井酔茗さんが57歳の時に書いた詩だそうです。わたしが生まれる前に亡くなられた方なので、ちょっと前時代的な印象もありますが、まっすぐに生きる父親像が自分の父の面影と重なります。

わたしは確かに両親からたくさんのものを譲り受けたと思います。そして、ゆずり葉を見上げるとき、新芽ではなく散りゆく葉に想いを寄せる、そんな年齢にいつの間に近づいてきたようです。

この詩の中でわたしが唯一違和感を感じる一節があります。

「こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。」

命は無造作に散ったりはしません。自分の意思には関係なく、体は必死に生きようと最後まで粘り続けるようです。それが生き物の本能なんだと思います。その力強さが命の輪を巡らせているように感じます。春はそんな命の力をいつも以上に感じる季節です。

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「ゆずり葉」

子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。

子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。

かがやける大都会も
そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受け取るのです。
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど――。

世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持ってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。

今、お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のようにうたい、花のように笑っている間に
気が付いてきます。

そしたら子供たちよ、
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見る時が来るでしょう。







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