【シーズン6】人生が100倍楽しくなる、パスターまことの聖書通読一日一生(旧約聖書 新約聖書 聖書通読ブログ)

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ルツ記1章 あなたの神は私の神

2022年05月17日 07時03分50秒 | レビ記
1.ルツ記について
1節、「さばきつかさが治めていたころ」とあります。つまりルツ記は、士師記と同時代の作品です。ヨセフスという人の古代史という書によると、エリの時代の物語とされます。つまり士師記の時代でも後期のもの、ボアズから四代目にダビデが生まれていますから、年代的にはおおよそBC1150年頃の物語というわけです。しかしそこには、士師記に描かれた不法や争い、流血の風景はありません。一庶民の素朴な信仰の営みが描かれています。不信仰と無秩序な時代にあって、迷いながらも主に信頼して歩む、信仰者の歩みが記録されているのです。
2.エリメレク一家に起こった不幸
前置きはその程度にして、まず1章、イスラエルの地に飢饉が起こっています。そこで、エルサレムの南八キロ、ベツレヘムに住むエリメレクの一家が登場、彼は、妻と二人の息子と共に、モアブの野に移住します。そこはベツレヘムから約100キロ、ヨルダン川を渡った、死海の北東の高原地帯です。北は、アルノン川、南はゼレデ川に挟まれた地域です。トランス・ヨルダン屈指の農業地帯で、小麦や大麦を産出し、ぶどう栽培に適し、羊ややぎの牧畜が盛んでした。エリメレクは、そこで生活の立て直しを図ろうとしたのでしょう。しかしそんな夢もかなわず、妻ナオミを残して死んでしまうのです。寡となったナオミは、そのままモアブの地に住み続け、地元の女を二人の息子の妻として迎えました。モアブ人は、アブラハムの甥のロトとその姉娘との間に生まれた子どもの子孫で、イスラエル人やアモン人とも血縁関係にあります(創世記19:39)。こうして彼らは十年の歳月をそこで過ごしましたが、なんと二人の息子も先に死んでしまいます。二人の息子の名は、「病める者」を意味するマフロン、そして「消えうせる者」を意味するキルヨンで、まるでその人生を象徴しているかのようです。ナオミは、その時の心境を次のように語ります。「主の御手が私に下った(13節)。全能者がわたしを大きな苦しみにあわせた(20節)」と。そのような心境、わかるな、そうだよな、と思われる方もいるでしょう。神様、なんだよ、というわけです。
3.ナオミの転機
ストーリーは続きます。うなだれたナオミにベツレヘムから豊作の知らせが届くのです。ナオミは考えたのでしょう。故郷に戻れば、また新しい人生も開けるかもしれない。彼女は荷物をまとめて旅立ちました。すると二人の寡となった嫁もついてくる。そこでナオミは、あなたがたはまだ若いのだから、私のことなど気にせず、再婚して新しい幸せを掴みなさいと勧めました。実際、モアブ人の嫁が異国イスラエルの地に住み、生計を立てていくのは難しいことでした。ユダヤ人は律法によって外国人との結婚を禁じられていたからです(申命23:3)。彼女たちは寡のまま一生を終える、そんな危険すらありました。ナオミは二人を説得します。
4.ルツの信仰告白
こうして次男の嫁オルパは、この勧めに従いました。しかし、長男の嫁ルツは、ナオミについて行くと引かないのです。ルツにしてみれば、再婚するには微妙な年代であったのかもしれません。そこで彼女は、自分の幸せもさることながら、身寄りもなく置いていく義母の将来を案じたのでしょう。ただ、次男の嫁は、義母を見捨て、長男の嫁は見捨てなかった、というのではなく、長男の嫁ルツは、人生の成り行き上義母と共にいたかった、共に生活したかったのではないでしょうか。「あなたの民は、私の民、あなたの神は私の神です」というルツの返事は、よく信仰や義母に対する忠誠の模範という言い方がなされますが、それだけでは続かないのが人間関係ではないでしょうか。ルツは、自分が義母と同じ信仰、同じ価値観、感覚を持っていて、義母の側にいることが自然なのだ、それを取り去らないで欲しいと語っているのです。人生不思議な巡りあわせ、というものがあるものです。しかしそれも神が仕組んだもの、神によってもたらされた関係です。偶然ではありません。一人の老いた寡を異国人の兄嫁が愛し、ある意味で自分の人生を捨ててまで義母の面倒を見たいという心が起こる関係、それも神の不思議です。ナオミは、なぜ息子は?という疑問を小脇に抱えながら、なぜこの嫁は?という疑問を抱き、神がこの先どうなさるのか、と言う思いでベツレヘムへと向かったことでしょう。神のなさる不思議に思いを留めながら、先へ進む、それが私たちの日々でもあるのです。では今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に、昨日のクイズです。イスラエルでぶどうが最もよく収穫された地はどこであったでしょうか?答えは、南方ヘブロンを中心にした地域です。その他、イズレエル平原、ゲネサレ平原、またシロやシェケムの山地、有名なエシュコルの谷、死海のほとりのエン・ゲディ等も、多くのぶどうを産する場所として知られています。は、今日の聖書クイズを一つ、モアブ人の起源は、アブラハムとどのような関係にある人でしたでしょうか?答えはまた明日、では、今日もよき一日となるように祈ります。

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