「愛する子供たちへ」-心の糧メッセージ

クリスチャンとして歩む未熟な父親が、自らの子供たちの幸福を願い、その信仰と霊性を養い育むべく記す「心の糧メッセージ」!

「6月23日-沖縄終戦記念日-戦争の痛ましさを忘れない!」

2014年06月23日 08時12分46秒 | 家族
yamazaki01.jpg 第二次世界大戦末期、ひめゆり学徒隊に「解散命令」が出たちょうど同じ日の昭和20年6月18日、私の母方の祖父母(徳唐オジーとウサ~オバー)は、母を含めた4人の子供と孫を抱えて雨あられのように降る米軍の砲弾の中を必死に逃げ惑っていました。

 激しい砲撃を避けて島尻郡眞壁村のとあるサトウキビ畑で身を潜めていた時、突然ヒュルヒュルヒュルと砲弾の風を切る音が聞こえてきました。互いに逃げる間もなく、その砲弾は6人のすぐそばに着弾し爆発しました。午前11頃のことでした。

 飛来する砲弾の大きな音にびっくりした母は、とっさにウサ~オバーと妹の背中を押して地面に伏せましたが、徳唐オジーは驚いて身を起こしてしまい、その爆風に飛ばされて亡くなりました。

 重傷を負った弟を背中に負い、母はみんなを安全な場所へ避難させました。その途上、弟は蚊の泣くような声で母に懇願しました。

「姉さん、私はもうだめです。どうか私をここに置いて、お母さんたちを連れて逃げて下さい。私が一緒ならみんなやられます。」

 母は断固とした口調で「馬鹿なことを言わないで。あなたをひとり残すようなことは絶対にしません」と告げました。そしてその場を急いで離れ、崩れた民家のそばで難を逃れました。

 午後5時頃、母が水を汲むために家族のそばを離れたその直後のことです。一発の砲弾が身を伏せていた4人のそばで炸裂し、弟と妹が亡くなりました。ウサ~オバーは、背中や特に肩から右腕にかけて無数の小さな鉄破片が突き刺さり重傷を負い、姪は右頭部に傷を負いました。水汲みから帰る途中だった母は、破壊された日本軍のトラックの下に潜り込み、かすり傷ひとつありませんでした。

 母は重傷を負ったウサ~オバーの手を引き、頭部に傷を負った姪を背中に負ぶって必死に逃げ惑います。2日後の6月20日、救護班として軍と行動を共にしていた姪の母峯子が、家族を必死に捜す中砲弾に倒れました。沖縄における組織的な戦闘の終結の日が、慰霊の日ともなっている今日6月23日。せめてあと数日早ければ、このような痛ましい犠牲はなかったかもしれません。


 戦後、ウサ~オバーは、長い間にわたって体に突き刺さった無数の鉄破片の痛みに悩まされました。診てくれる医者もなかなかいません。そしてそのようなお金もありません。

 母は、ひとつひとつの鉄破片を丁寧に抜こうとするのですが、うまくいきません。痛み苦しむオバーをなんとか助けられないか必死で考えていた母は、ある時思い立って、当時としては非常に高価な山羊汁をこしらえました。そしてそれをウサ~オバーにたくさん食べさせたのです。

 山羊汁は発散薬とも呼ばれ、出産直後の妊婦や体に切り傷等を持っている人には通常あげません。体に膿を持つようになるからです。母はそれをあえてウサ~オバーに与えたわけです。

 案の定、ウサ~オバーは、体中の鉄破片が突き刺さった箇所に無数の膿疱を持つようになりました。その痛みと熱にウサ~オバーは本当に苦しみました。

 ところが、被弾箇所が膿を持ち、水疱状に腫れることによって、それを潰すことで鉄破片が容易に取り出せるようになったのです。そしてすべての膿疱を潰すという根気強い母の看護のおかげで、ほとんどの鉄破片を取り除くことができました。母はこのような治療方法をどこで学んだのかよく分かりませんが、この治療を境に、オバーは日に日に元気になっていきました。悲しい記憶の中の嬉しい母の知恵物語です。

「爆撃で 鉄の破片を 身に浴びた オバーを癒す 母の山羊汁」


 昨日の西日本新聞の1面にて、日米両政府が、年内に改定する防衛協力指針(ガイドライン)に盛り込む自衛隊の米軍支援について、朝鮮半島有事などの周辺事態で、戦闘が起きる恐れがない場所に限定していた後方支援の地域を拡大する方針を固める報道がなされました。中国をにらみ、沖縄県・尖閣諸島を含む南西方面での警戒監視活動を強化し、日米の基地・施設の共同使用をも推進することを申し合わせたのです。

 安倍首相による集団的自衛権の行使容認を目指す憲法解釈変更の動きは、上述の報道でもわかるように今後いくらでも拡大解釈して平和国家から戦争のできる国へと変質させていく大きな危険をはらんでいます。

 私たちは、戦争の痛ましさを決して忘れず、罪なき者の尊い命を奪い、人を悲しみと苦しみのどん底に落とす戦争を、もう二度と繰り返してはなりません。そしてそれを風化させてもいけません。(おやじより)

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