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アルマーニの賞賛と百貨店の現実

2019-05-27 23:24:04 | ビジネス

ファッション専門誌のWWDに、来日したジョルジオ・アルマーニ氏の記事がいくつかあった。
その中に「日本の百貨店は世界一だと思う」という、アルマーニ氏の言葉の記事があった。
WWD:ジョルジオ・アルマーニが来日「日本の百貨店は世界一だと思う」

海外の百貨店を知らないので、アルマーニ氏の言葉の真意を測りかねるところがあるのだが、確かに日本の百貨店はその名のごとく「百貨」の品ぞろえがされていると思う。
バブル崩壊後は、百貨ではなくなったかもしれないが、デパ地下と呼ばれる「食品・お惣菜」から、世界の名だたる高級ファッションブランドまで、一つの建物に入っている小売業というのは、日本の百貨店くらいだろう。
それだけではなく、接客という点においても日本の百貨店(だけではなく、小売り全般に言えると思うのだが)は、海外の百貨店などに比べると遥かに「顧客重視」なのでは?という、気がしている。
そのような視点で考えれば、アルマーニ氏の言った「日本の百貨店は世界一」ということになるのかもしれない。

しかし現実は、日本の百貨店はバブル期以降「場貸商売」と揶揄されるようになり、地方の百貨店の閉店や破綻というニュースは毎年のように聞くことになった。
かつて「小売りの雄」と呼ばれていた百貨店の姿はなく、取って代わったのがイオンなどのスーパーであり、それがコンビニへと移り、最近ではAmazonに代表されるような百貨店以上の品数をそろえることができ、価格も安いネット通販へと代わろうとしている。
それが今の百貨店の現実なのでは、無いだろうか?

とはいうものの、アルマーニ氏が賞賛した「日本の百貨店」の姿には、小売りの基本があるのではないだろうか?
確かにAmazonに代表されるようなネット通販事業の伸びは、目を見張るものがあり実際とても便利な「買い物方法」だといえる。
「いつでも・どこでも買い物ができる」という利便性は、ネット通販の魅力であり、今の生活者の需要とも一致する点が多いからだ。
だが、「品物を見る目」という点では、やはりその場で商品を見ることによって、鍛えられる部分が大きいのではないだろうか?
通販サイトのレビューなどを見てみると、素材特性などを理解せずに購入したのでは?と思われる内容が、案外多いことに気づく。
特にアパレル関係になると、そのようなレビューが目立つような気がするのだ。

百貨店が小売りの雄であった頃は、店頭に行き接客を受けながら素材やファッションの情報を得る、ということが当たり前だった。
素材やデザイン、色などによってTPOに合わせる必要があり、若い人たちのファッションの基本を学ぶ場所の一つが、百貨店の売り場でもあったように思うのだ。
今のように、カジュアル志向中心となってもTPOに合わせる必要がある。
それが分からないから、入学式や入社式、就職活動が「黒いスーツ」になってしまうのでは?

そう考えると、アルマーニ氏の言葉には「百貨店らしさ、百貨店だからできること」というヒントがあるように思えるのだ。




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