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ワンセグ受信料裁判で考える、テレビの見方

2018-03-26 15:22:27 | アラカルト

今日、携帯電話のワンセグ機能でNHKの番組を視聴するためには、受信料を支払は無くてはならない、という判決が出た。
毎日新聞:ワンセグ付き携帯電話 NHK逆転勝訴 契約「義務ある」3件目東京高裁

世間的には、この判決に対して「現実を分かっていない」、「放送法そのものが時代錯誤」あるいは「NHKはスクランブルをかけ、未契約に対抗すべきだ」などの意見が、ネット上で交わされている。
「現実が分かっていない」という方の意見の多くは「テレビを見るために携帯電話(現在はスマートフォンだろう)を利用しているわけではない」ということのようだ。
確かに今の時代、携帯電話を持っていないという人のほうが少なく、スマホを含む多くの機種はワンセグ機能が付いている。
だからと言って、携帯電話やスマホでテレビを見ているわけではない。
何故なら、利用目的が違うからだ。
「ワンセグ機能が付いている」という理由で、携帯電話やスマホの機種を決めているのではなく、そのほかの例えばバッテリーのもちが良いとか、デザインが気に入っている、あるいはブランドが好き、という理由で選んでいるのだと思う。
お盆に実家に帰省する時など、確かに電車の中でワンセグテレビを受信し見ている人はいるが、それはごく一部の人であって、利用者の中でも超が付くほどの少数派だと思う。

このような判決が下されるて考えてしまうのは「NHKが考えるテレビ事業とは、何なのか?」ということだ。
なんとなくだが、これまで「放送としてのテレビ事業とは何か?」ということが、余り考えられてこなかったように思う。
なにより、NHKが「受信料徴収」の根拠としている放送環境そのものが、ここ10年くらいの間で、大きく変わってきている。
それは「ネットフリックス」などのインターネット回線による、ドラマなどの配信サービスを行う企業が登場してきた、という点だ。
以前は、既存のテレビ番組などの放送が中心だったが、契約者が増えるにつれオリジナル作品などを手掛けるようになってきた。
海外の話題になっているドラマなども、自由に見ることができる、というのは魅力だろう。
民放各社が共同で、1週間の見逃し放送「Tver」をインターネットで配信するようになったのも「見たい番組を、視たい時間で」という生活者のニーズに応えるためだろう。
もちろん、NHKでもオンデマンドサービスは提供しているが、登録をし視聴料を支払うことを前提としているため、「そこまでして、見る気はない」という、生活者の欲求をくみ取っているとは言い難い。

「放送法」という法律に守られているNHKだからこそ、「公共性のあるテレビ事業とは何か?」ということを考える必要があるのではないだろうか?
「ワンセグ機能付き携帯電話の受信料徴収」という、枝葉末節のようなことばかり問題にしていると、本来の事業「何をなすべきか?」ということを忘れているようにも思えるのだ。




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