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「生協」がこれからの小売りモデルの中心となる?

2018-02-13 19:26:08 | ビジネス

日経新聞に、イオンが「宅配事業」を始める、という記事が掲載されている。
日経新聞:イオン、定期宅配参入 生協モデルで共働きに的

20数年前、企業研究を目的とした「マーケティング勉強会」に参加するコトになり、「コープこうべ」で「生協」の話を伺う機会があった。
「生協=生活協同組合」の組織自体は全国各地にあるのだが、地域ごとに特色がある。
その中でも「コープこうべ」は、組織自体も古く活動も活発ということで、企業研究として選ばれたのだった。
Wikipedia:コープこうべ

ご存じの方も多いと思うのだが、一般の人が「生協」の宅配サービスを受けることはできない。
まず「生協」へ出資金を出し、会員になる必要があるのだ。
それだけではなく、ご近所の人達といっしょの「グループ」をつくる必要がある。
そのうえで、生鮮食品などは毎週生協の宅配がグループのお世話係の家にグループごとの商品を届けてくれる、というサービスになっている。
そのため、会員以外にとっては「生協」という仕組みそのものが分かりづらく、また一人暮らしで平日の昼間仕事などで不在という世帯には、利用しにくかった。
というわけではないが、20数年前の生協の利用者の多くは「買い物に行きたくても、なかなか行けない」子育て世帯が多かったと、記憶している。

その時の生協の問題は、「子育て後の世帯をどうつなぎとめるのか?」という点だったと思う。
子供が幼稚園や保育園に入園するようになると、お母さんたちは働きに出ることが多くなり、在宅が基本となる生協の宅配サービスそのものの利用が難しくなってしまうからだ。
何より「グループごとへの配送」というのが、大きなネックになっていた。
不在がちなグループのメンバーの食材を、帰宅時間まで預かるというのは、グループの世話係としては荷が重い。
そのような声が会員から多くあったのだろう、最近ではグループではなく全くの個人宅への配送もするようになったりしている。

「生協」のサービスの配送サービスのメリットの一つは、「買い物に出かけにくい」という人の家に生鮮食料品を含めた食品を届けてくれる、だった。
その視点で考えれば、高齢者世帯が多くなりつつある地域では、「買い物に出かけにくい」という世帯も増えてきているはずだ。
いわゆる「買い物難民」と呼ばれる人たちだが、この問題は都市部・地方に関わらず問題となってきている。
今回、イオンが生協をモデルに「定期宅配サービス」を行う、というのは「買い物難民の解消」ということが大きな理由の一つだと思う。

であれば「定期宅配サービス」ではなく、現在の「ネットスーパー」と同じサービスでも問題はないはずだ。
それをあえて「定期宅配サービス」とするのは、地域のコミュニティーにイオンが入りたい、という考えがあるからではないだろうか?
生協のような「グループ」ではなく、あくまでも個人客を対象とするにしても、定期的にその地域を訪問することで、店舗ではわからない生活者の姿が見えてくるはずだ。
イオンの狙いは、この点なのではないだろうか?

ジャンル:
経済
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